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こぼレビュー

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#レビュー

[こぼレビュー]マーベルスナップ

作った人:知らん
やった:Pixel7

 ライフタイム・ゲーミングの時代が来ている。
 ライブ型ゲーム・運営型ゲームという名前も久しく遠くなった。商業ゲームは沢山遊んでもらうことを目的とすることで、ブランドを確立しようとしている。開発費と広告宣伝費は≒になりつつある。

 さて、本作は2人対戦型の競りゲームだ。流れとしてはバトルライン(ショッテントッテン)やArtifact、そして何よりGWEN

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【こぼレビュー】機動戦士ガンダム サンダーボルト

書いた:太田垣康男
読んだ:マンガワン

 ガンダムシリーズの派生の世界観でのストーリーである。
 物語は初代ガンダムのラストのア・バオア・クー攻略戦に近い時期から始まる。戦争によって破壊されたコロニーやデブリだらけのサンダーボルト宙域を地球連邦軍は攻略しようとするが、そこにはジオン軍の凄腕のスナイパーがいて手をこまねいている。
 凄腕のスナイパーであるところのダリル・ローレンツ曹長を擁するリビン

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【こぼレビュー】ぐれいてすとキャッピー

作った人:あきろう
遊んだ:PC(Xboxゲームパッド)

 パズルゲームには正解がなくてはいけない。

 これは割と、作り手にとってはキツい命題である。
 なんでかというと、難易度のコントロールがとても難しいからだ。
 例えばスーパーマリオブラザーズの一度食らってもOKなキノコ取得状態、コレなんかは保険としてAでダメージを受けてもBでダメージを受けてもゲームを続行できるよう機能している。ロックマ

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【こぼレビュー】HYPER DEMON

作った:sorath
遊んだ:Steam(マウス+キーボー)

 FPSにとって敵AIとは大きな棚上げされつづけている課題である。

 Quake(1998以前くらい)なんかの頃のFPSは動画で見てもわかる通り単に自機に向かってくる敵だった。これは以前話したことがあるけど特に敵にきっちりとした「思考」を感じたのがNo one lives forever(2000年くらい)というゲームで、敵は状況に

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[こぼレビュー] NOPE

撮った人:ジョーダン・ピール
見た:IMAX

 内面化、という便利な言葉がある。
理解したも内面化でいいし、体得したも内面化でいい。見たも内面化だしぶっちゃけようわからんでも内面化するっていう動詞でも使えるのでほぼ最強の言葉だ。

 本作は怪獣映画をアメリカ人の身で内面化したものである。
 思うにジョーダンピールは、あんまりアメリカが好きではないと思っている。一作目ゲットアウト以降なら結構好きに

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【こぼレビュー】Neon white

作った:Angel Matrix
遊んだ:Steam+箱コン
この記事のリクエスト:EAB

 レースゲームとは、最も作り手の制御しやすいソロゲームの形式である。

 本ゲームはかなりピュアなレースゲームである。
 つまり、自分との戦い・記録の更新をモチベーションの主目的に作られていて、その為の工夫がある。
 また、持ち越しの能力などがないのでステージ毎に完全に独立した箱庭になっており、共通の使え

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【こぼレビュー】劇光仮面

書いた人:山口貴由
出した:スペリオールコミックス(小学館)

 フィクションをあえて作るには理由がある。

 「現実は十分に幻想的である。」これは僕の固定ツイートだが、つまりあえてフィクションを書くのは自分の視点による世界の微分を行う必要があるからだ。ノイズが多すぎる現実を作者方程式を使って微分したものが「作品」ともいえる。

 今回、山口貴由は第一のテーマを特撮美術とした。
 変身ヒーローその

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【こぼレビュー】TUNIC

作った人:Andrew Shouldice
遊んだ:Xbox ゲームパス

 「要はダッジロールと攻撃手段が二つもあればゲームは作れる」
そう書いたのは誰だったか…あっ俺だ!

 TUNICは言ってしまえばその点ではDeath's Doorとほとんど同じゲームである。ダッジロールをし、三つの攻撃手段を持つゲームだ。
 大きく違うのは、Death's Doorの最大の特徴はいわゆる「道中」が途中での

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【こぼレビュー】魔王物語物語

作った人:Tetsu
遊んだ:Windows

 魔王物語物語は、2000年代までのJRPGの総決算であり、インディーRPGシーンの総括でもある作品だ。 
 これをプレイせずに2010年にたどり着くことは出来ない…。が、なんとJRPGシーンはそこから一ミリも前に進んでいないため、実質いつでも追いつくことができるともいえる。2022年一番売れたゲームになるであろうエルデンリングさえもまももの語り直し

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【こぼレビュー】RPGタイム~ライトの伝説~

作った:ケンタくん
遊んだ:遊んでない

 「カーゴ・カルト」と呼ばれるものがある。
 詳しくは調べてもらえば早いのだが、かつてミクロネシアに進出したアメリカはその豊富な物量作戦で島を潤した。
 毎日のように見たこともない軍艦と飛行機があらわれ、ぜいたく品であるタバコやチョコレートの嗜好品を荷(カーゴ)から出しては無限のように摂り続け、気分によっては下賜までしてくれる。
 降り立った神のごときその

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【こぼレビュー】アルナックの失われし遺跡

作った:Mín & Elwen
出版:Czech Games Edition

 ゲームの工程には「バランス取り」というのがある。
これは難しい話で、平衡すればいいという話ではない。例えば、よく言われるようにグリコ・チョコレート・パイナップルゲームでは、チョキパーで勝つことによるリワードが大きい。じゃあチョキ出しとけばというと、それならグーで勝ちやすくなる。だからこそゲームとして面白くなっている。

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【こぼレビュー】Death's Door

作った人:Acid Nerve
やった:Steam(PC)

 要は、ダッジロールと攻撃手段が二つもあればゲームというのは成立する。

 本作は同作者のTitan soulsを拡張したかのようなゲームで、荒涼とした世界、死生観、そしてなによりダッジロールのようなものが似通っている。
 そもそもTitan soulsは名前からしてダークソウルのパロディで、一発ネタの領域を出ないものだった。初期衝動で

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【こぼレビュー】浅草キッド

撮った:劇団ひとり
見た:Netflix

 1970年代の浅草。芸人を志す武は演芸場で青春時代を過ごす。

 まず驚いたのは、これがきちんと今の水準で映画として見れる脚本になっていることだった。優秀なスクリプトドクター的な人か、整形した人がいると思う。さすがにこれを本当に劇団ひとりが独りで構成しているなら芸人を今すぐ辞めて脚本家になったほうがいい。この2~3年で日本で撮られた長編動画の中では5位

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【こぼレビュー】OLIJA

作った人:Skelton clue studio
出した:DEVOLVER Digital
プレイした:Xbox game pass

 Inscryption、Loopheroを出した2021のデボルバーデジタルに相応しい、これもおもろいゲームだった。本作においてゲームデザインはかなりどうでもいいんだけど、書かずにはいられない。そういうわけで今回は試しに分離して書いてみよう。

ゲームデザインに

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