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なぜ子どもはアッという間に大きくなるのか。「気づけば○歳」現象の考察

毎日子どもと目一杯遊んでいたらすっかりnoteをサボっていましたが、気づけば我が子ももう1歳。つい先日生まれたと思ったら、ついこの前離乳食始めたと思ったら、この間掴まり立ちできるようになったと思ったら、もう1歳。はやっ!早すぎ!ということで今回は、なぜ子どもはアッという間に大きくなるのか、「気づけば○歳」現象について考えてみたいと思います。

子どもがいると時間の流れが異次元

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子どもがいると、時間の流れが異次元に早く感じます。あっという間に1日が終わり、1週間が終わり、1ヶ月が終わり、気がつけば1年経ってしまいます。結婚前、仕事をガリガリしていた頃も「1年あっという間だな」と思うことはありましたが、それとは異次元の早さで時間が過ぎていく。もちろん加齢に伴う体感時間の変化もあるとは思いますが、友人も口を揃えて「子どもがいると時間の流れが早い」と言うので、きっと何か要因があるのだと思います。

子どもがいると圧倒的にルーティン

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子どもが産まれた前後の生活を比べてみると気付くのですが、子どもが産まれた後は日常が圧倒的にルーティンで過ぎていきます。そもそも1日24時間という区切りもメソポタミアからで生物の歴史的には最近なので、赤ちゃんは1日24時間という感覚がありません。なので育児所や育児記事には「時間を決めて、なるべく習慣付けた生活をしましょう」と書いてあります。例えば最近の我が家の場合、以下の時間でほぼ固定された生活をしています。

6:30 起床
7:00 ごはん
8:45 登園
17:45 降園
18:00 ごはん
19:30 お風呂
20:00 就寝

思い返せば子どもが産まれる前、仕事以外の時間は様々な選択肢があったように思います。早く起きて溜まった仕事を片付けるたり、出社前に朝カフェで本を読む、夜は一人で飲む、誰かと飲む、二次会もいく、締めのラーメンも食べちゃう、などなど。しかし子どもがいると時間通りに子どものお世話をすることが最優先となり、ルーティン以外の選択肢がほぼ無くなり、ルーティンが日常となります。

組織進化のためのルーティン

ルーティンという言葉はあまり良いイメージを持たれていないかと思いますが、実は学術的には「組織が進化するために必要な要素」であるという見方があります(*1)。学術的にルーティンは「組織のくり返される行動パターン」ですが、組織は認知に限界があるので、もしルーティンが無いと仮定すると、毎日行動がバラバラで突発的だと対応にいっぱいいっぱいになり、新しい事を学習して進化することができなくなる。ルーティンがあるからこそ、日々の生活が標準化され安定化し、暗黙知が組織に蓄積され、組織として学習し、進化できるというのです。

これを子育てに当てはめてみると、ルーティンがあるからこそ日々の生活が安定化し(子どもが降園する前にあれやっちゃおう、とか、子供を寝かしつけてからあれやろう、という予定が立てやすい)、暗黙知(もぉ、言わなくても気づいてやってよぉ!というやつ)が組織(夫婦双方に)蓄積され、組織(夫婦共々)学習し、家族として進化できる、ということです。

子どもの成長はちょっとずつ、漸進的

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この様にルーティンには様々な効果がありますが、子育てで大事だと思うのが「小さな変化に気づき対応することができる」という効果です。

子育てしていてびっくりするのは、子どもは毎日少しずつ変化し、ちょっとずつできることが増えていくという事です。1ヶ月単位で見れば、首が座り、お座りできる様になり、離乳食を食べ始め、喃語を話し初め、つかまり立ちして・・・となりますが、いきなりできる様になるわけではなく、小さな変化の積み重ねの結果、できることが少しずつ増えていきます。

この小さな変化に気づくためには、日常的に繰り返すお世話はなるべくルーティンに埋め込み無意識でこなせるようにして、その分の時間を子どもと向き合い、小さな変化を見つめることが大切です。毎日生活がバラバラでは対応にいっぱいいっぱいで、小さな変化に気づいてあげられないかもしれません。そう考えると、ルーティンがあるからこそ子どもに向き合い、変化に気づき、その変化に対応して学習し、家族として少しずつ進化できているのかなと思います。

アッという間、は幸せなこと

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子どもが産まれるまで、友人たちから「子どもの成長はあっという間だよ」という話を聞くと、子育てはそんなに大変なんだ、忙しいんだと、どちらかというとネガティブに捉えていました。しかし、毎日すくすく育ち、できることが増えていく我が子を見ていると、安定した日常の中で小さな変化に気づくことができる日々は、とっても幸せなことなのだと実感しています。たくさん選択肢があって、毎日刺激的だったあの頃も楽しかったけれど、安定した生活の中で小さな変化に気づくことができる私は、あの頃よりも少しだけ進化できているかなと思います。

我が子の成長に対して私の成長は必ずしも追いついていないのですが、毎日進化する小さな我が子に少しでも追いつける様に、精一杯お母さんしたいと思います。

*1...入山章栄(2019)「世界標準の経営理論」ダイヤモンド社


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