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あなたの世界は汚れない

今村夏子さん原作
映画「こちらあみ子」を見てきた。

あみ子は、変な子?

私は違うと思う。

あみ子は、

愛を与えられなかった子じゃないか?

「これは良い」
「これは悪い」
「これは正しい」
「これは間違ってる」

はたまた

「これについては、一緒に考えよう」


そうやって物事を知り、気持ちを知る。

あみ子の両親は
どうだっただろうか…?


私は、
両親があみ子について考えている様子を
この物語から感じることができなかった。

さまざまな背景から
両親にそこまでの余裕がなかったことも理解できる。

でも、
それは子供を蔑ろにしていいことにはならない。


あみ子は言った

「みんな、ヒミツにする」と。


あみ子のことを1番よく見ていたのは、
あみ子をからかっていた
同級生の男の子だったと思う。

彼の発した言葉がとても好きだ。

教室で、裸足のあみ子に対して言った。



「なんかいいな、自由の象徴みたいで。
 まあ、イジメの象徴でもあるけどな。」



それは、
彼が見たものと、彼の気持ちを表した、
温かさのある言葉だった。


あみ子がひとり海で佇む姿を
私はハッピーエンドとして見送った。


どうか、伸びやかに。

あなたのことをあなたとして
生かしてくれる世界に居られるように。

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