夢追狸

東方Projectのアレンジ音楽好きです。東方Projectには原作者の意向のもと、原…

夢追狸

東方Projectのアレンジ音楽好きです。東方Projectには原作者の意向のもと、原作の設定を生かした様々な二次創作音楽があります。特に、人の感情、世の中を暗喩するような曲もあります。そのような暗喩された曲について考察していきたいと思います。

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ZYTOKINE「何度でも君/僕を壊/愛したい」の考察  ~道を通せば角が立つ。 倫を外せば深みに嵌まる~

「何度でも君/僕を壊/愛したい」は、前半部分はお互いが我を張り合ってくっついたり離れたりして別れる話。後半は相手に合わせるだけで辛く、結局相手が自殺しようとして巻き込まれるのが嫌で逃げ出す話。 わがまま言いすぎるのもダメだし。我慢するのもダメだし、難しいですね。 「君にその青は似合わない」 お互いの価値観を押し付ける曲です。重なる世界を夢見ました。だけど、恋人を自分色に染めようとする行為が相手に「その青は似合わない」と押し付ける行為でした。青は相手にとっての内なる世界だった

    • 凋叶棕「△」の考察 ~究極最後のカミ頼みと、われらが最後の願(ネタバレ)

      凋叶棕「△」のテーマは宗教だと思います。宗教開祖の弟子が経典を編纂して後世にメッセージを伝えようという話と、仏教の四諦と霊感商法の話じゃないかと思います。△はキリスト教の三位一体と、未来過去にも存在するという仏教の三世仏ではないかと思います。 可能性宇宙のアドレス △は可能性宇宙のアドレスがあります。 ②のメイン座標シリアルの一桁目で並び替えると、数字が低いのが孤独だが自由な曲。一番低いのは0のシン汎用合成クラスメイト。高いのがカルト教団を思わせる、皆で熱狂するが束縛する

      • 『預言者メリー』の考察 ~神に言葉を預けられたと偽る者~

        世界秘封倶楽部化計画は、「どうにもならなくなったら諦めること」と、「究極最後の神頼み」を救いとしていました。 一方で、預言者メリーは「神に言葉を預けられたと名乗り、奇跡なるものを提示する者が救いをくれる」でという救いで、偽物の救いです。預言者メリーに依存し奴隷になるためです。なお、預言者メリーは偽物の救いを名乗る現代にはびこる霊感商法です。 Nayuta氏の歌声が高い声のパートと、低い声のパートがあります。 おそらくは、高い声のパートは後世にメッセージを残そうとした神聖なる

        • 『世界秘封倶楽部化計画』の考察 ~究極最後のカミ頼み!(ネタバレ)

          滅びるしかない、見放そう、総カルトと物騒な言葉が並びます。仏教の四諦の曲ではないかと考えます。 四諦とは仏教が説く4種の基本的な真理であり、苦諦、集諦、滅諦、道諦からなります。 苦諦 「人生は全てが自分の思い通りにならないことで悩みばかりのもの」 集諦 「人生に苦しむ原因は私たちの欲望(=煩悩)だ」 滅諦 「苦しみの原因である煩悩を消し去り、苦しみのない境地に達する」 道諦 「苦しみから解放された境地(=涅槃)に達するための正しい行動(修行)である八正道を行うこと」 よ

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          『神聖なるメッセージ』の考察 ~助けと救いの贈り物(ネタバレ)

          神聖なるメッセージは△のCDの世界観を作っています。「上位宇宙」の存在が「下位宇宙」の存在へと送ったメッセージの体裁を取っています。 背景概説 東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに、一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。 秘封倶楽部は東方Projectの中のサークル名です。近未来の秘封倶楽部として宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーン、現代の秘封倶楽部として宇佐見菫子が所属しています。近未来と現代合わせて三人という設定にしているのだと考えら

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          茨歌仙最終話の、涙ともに内なる牛と邪気に気付いた華扇の考察

          茨木華扇の最終話の涙の考察。過去の回想である最終話は華扇は右腕を切り落とされた場面から始まります。敵(渡辺綱)と対峙しているのでしょうですけども、怒りながら泣いています。おそらくは、渡辺綱はただの敵ではありません。元カレなど華扇にとって大事な人だったけども振られたのでしょう。 渡辺綱と対峙するまでは「奸佞邪智の鬼=心がひねくれて、ずるがしこく立ち回る人」でした。「男をひねくれて見て、ずる賢く男を誑し込み思いのままに操る能力が有った」人ではないかと。ですけども、華扇の奸佞邪智は

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          凋叶棕「慄」の考察 ~トラウマと、トラウマからの旅立ちと~

          概要 おそらくトラウマとトラウマを克服して次の出会いを求めるアルバムではないかと思います。「鏡と鐘」「楽園に吹く風」がトラウマに陥って苦しんでいる状態。「また月夜に」<無間夢幻夢想夢想幻想>が次の出会いがある状態です。ただ、このアルバムを聴くには、次の2つを抑えておいた方が良いと思うので付け加えます。一つは凋叶棕さんの配信で述べられていた、怪談の「鏡と鐘」。もう一つは人間の特性として、自己憐憫は依存症になりえるのではないかという話です。 怪談「鏡と鐘」 家宝の鏡を誤って

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          凋叶棕「まぼろしの友達」の考察~人は想像の偶像に恋をする~

          おそらくこの曲は未熟な恋心の曲でしょう。どこかに私をすべて受け入れてくれる恋人がいるはずだという偶像。お互いを尊重し合う恋人になれていないから友達。想像で相手を見ているからまぼろし。人間は一人で生まれて、経験や、知識を得なければ、他人についての意識はもてません。いつか気付かなければ何歳になっても相手を見ないということもあるでしょう。 一方で回りを見ないということですから、余計なことを考えずに強い行動力を持てるという裏返しかもしれません。 販売サイト https:/

          凋叶棕「まぼろしの友達」の考察~人は想像の偶像に恋をする~

          凋叶棕「Q」考察 ~立場によって見え方の異なる世界~

          歌詞カードで赤文字で書かれている部分があります。おそらくは赤文字が曲の意図を端的にあらわしているのだと思います。 『咲き損ないの花』、『星空に消ゆ』、『weary monster』、『まぼろしの友達』から、「Q」は「異なる立場による見え方」が題材でしょう。 「咲き損ないの花」 咲き損ないの花は挑戦せずに知ってそうな顔で言う人間です。世の中の美しいもの、恐ろしいものはあなたのそばにあります。だけど、唄わず意地気なしがゆえに、理解はできず想像もつきません。 「星空に消ゆ」

          凋叶棕「Q」考察 ~立場によって見え方の異なる世界~

          絶対的一方通行(凋叶棕)の考察 ー夢を追う世界の素晴らしさとおぞましさー

          この曲は東方Projectの設定を生かした二次創作です。東方Projectとはこの世界のすぐ近くに、結界を隔てて、魔法や妖怪が妖精が住む世界である幻想郷があるという前提があった上に様々なキャラクターがいて、そのキャラクターを前提とした音楽や物語があります。 凋叶棕「徒」「屠」の考察で夢を追う世界を下敷きにしているのではないかと述べました。そしてこの曲も夢を追う世界を下敷きにしているのではないかと以前から考えています。そもそも創作で飯を食うという事自体夢を追って現にすることか

          絶対的一方通行(凋叶棕)の考察 ー夢を追う世界の素晴らしさとおぞましさー

          『一夜之夢』(凋叶棕)の考察 ~怪しい人間がよってきて、、、~

          青娥が誰かにいいよっている。近寄っている。どうも青娥の相手は成功者のらしい。多くの臣下を持ち、名を従えたとか。それでも、青娥のにはかなわないようだ。 なお、歌詞をそのまま使うと、エッチすぎてnote.comの規定に引っかかって投稿出来ないと当初考えていました。どうも違うようですが、その経緯でだいぶ(中略)になっています。 背景概説 東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。 登場人物は霍青娥というキ

          『一夜之夢』(凋叶棕)の考察 ~怪しい人間がよってきて、、、~

          「徒」「屠」(凋叶棕)の考察まとめ ~夢を追った2者は何故もこう違ってしまったのか?~

          「徒」では夢を追い始め修練を重ね、道に迷いながらも、成功し、畏れられる存在となりました。 一方で「屠」では夢を追いかけましたが、周りに指弾される存在となり、様々な悪意がある他人に取り囲まれ、そして夢を追う界隈を去ることを決めました。 なぜ2者はこうも違ってしまったのか? 「屠」はSTAP細胞事件を下敷きにしていると考えています。なので、まずは実験ノートをしっかり書け。生データをきちんと整理して保管しろ。捏造するな。これらが先に来ることは来ます。まあそれは置いといて。

          「徒」「屠」(凋叶棕)の考察まとめ ~夢を追った2者は何故もこう違ってしまったのか?~

          『イニシエイション』(凋叶棕)の考察 ~何のために動くのか?そして、、、、~

          この曲は「屠」収録ではありません。「秘封祭オリジナルサウンドトラック」収録です。「屠」は夢を追ったが、様々な周りの障害で潰えさせ、『墓標』でやめることを決め、再び周りがヘラヘラ笑いながら承認欲求を刺激して帰って行く『葬迎』で終焉します。 だけども、もうこれは私自身の情念として、「屠」の流れに一曲付け加えるならこの曲だろうと。2021年1月1日新年早々の千人計画のニュースと反応を見ての怒りでもあります。 客観性?根拠?知ったことか。創作、妄想上等! 『イニシエイション』は

          『イニシエイション』(凋叶棕)の考察 ~何のために動くのか?そして、、、、~

          修羅場にあった人の心を大きく動かすには。

           創作というのは人の心を動かしてなんぼだと考えています。一面として現実の修羅場関係は修羅場に今直面したり、修羅場の心当たりがあれば特に心が動かされるのではないかと思います。  一方で、例えばこの作品は現実の描像Aを表しているのではないか?と示したとします。ですが聞いた人がその描像Aに心当たりがなかったとしたら根拠がないように見えて通じないんじゃないかと。完全に妄想にしか聞こえないのではないかと考えます。  この現実の描像Aを表そうとしたときの論拠は何を取るか。 1.筆者

          修羅場にあった人の心を大きく動かすには。

          『<正調>佐渡の二ッ岩』(凋叶棕)の考察 ~騙したこともあったが、成功し、畏れられる存在に~

          『はるのおと』で成功の息吹が見え、そして大団円!「徒」の実質的なエンディング。そして、他の曲でいくつか匂わせていたフラグの回収も行われている。 成功しての宴会。組織の御大将として遠く名前が聞こえる存在となった。それ故の大宴会。 団三郎=マミゾウ本人じゃなくて、関係者からの目線ですね。マミゾウ本人は何らかの形で遠くに行ってるようです。新しいことを作る上で、チャンスが遠くに有るのなら、チャンスが有るところに行くのは当然なわけなので。 背景概説 東方Projectは自らの作品

          『<正調>佐渡の二ッ岩』(凋叶棕)の考察 ~騙したこともあったが、成功し、畏れられる存在に~

          『はるのおと』(凋叶棕)の考察 ~やっと成功が見えてきた~

          『二色蝶』でうまく行かないところから、『二色蝶』のおかげでやる気を取り戻して再び永遠を掴むために歩みだした主人公。 そして、『はるのおと』はやっと春が見えてきたという話。つまり、やってきたことが軌道に乗りだして展望が見えたという話じゃないかと思います。 背景概説 東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。 登場人物はリリー・ホワイトという、春の訪れを告げる妖精です。 歌詞分析 実際軌道に乗り始めた

          『はるのおと』(凋叶棕)の考察 ~やっと成功が見えてきた~