『神聖なるメッセージ』の考察 ~助けと救いの贈り物(ネタバレ)


神聖なるメッセージは△のCDの世界観を作っています。「上位宇宙」の存在が「下位宇宙」の存在へと送ったメッセージの体裁を取っています。

背景概説

東方Projectは自らの作品の設定や音楽をもとに、一定のガイドラインのもと自由に二次創作することを推奨しています。
秘封倶楽部は東方Projectの中のサークル名です。近未来の秘封倶楽部として宇佐見蓮子マエリベリー・ハーン、現代の秘封倶楽部として宇佐見菫子が所属しています。近未来と現代合わせて三人という設定にしているのだと考えられます。

歌詞分析

私達、——ひ、ふ、う、く、ら、ぶ——より、メッセージを発信し…私達の世界の…発展しています。…無限の個々が有る…証明され…過去にも、未来にも、無限で有り。その存在…別の宇宙は存在している…私達の世界では、別の可能性宇宙に向けてコンタクトは、積極的に進められていま…私達秘封倶楽部は…キケンに…選ばれた特定の宇宙に、届く様に設定…上位宇宙から、下位宇宙へのメッセージとして、貴方に助けに…贈り物が届いたら…救いと…私達三人と…壮大のプロジェクトに…プロジェクトテトラと…このメッセージを受け取った貴方…私達秘封倶楽部の…

トラック内のメッセージの内容として、上位宇宙や下位宇宙へのメッセージ、助けと救いを与える内容です。そして壮大なプロジェクトとなっていることが挙げられます。そして、非常にノイズ混じりの音です。

キリスト教イエス、仏教釈迦のメッセージを後世に伝えようと、弟子が集まって経典を編纂している過程だと考えます。
じつは、キリスト教イエス、仏教釈迦自身は経典を書いていません。人間についての洞察を持ち、多くの人に多くの言葉をかけて救い、入滅しました。
死後、弟子たちがイエス・釈迦が残した救いの言葉を後世に伝えようと経典の編纂を始めました。
 
仏教は釈迦の死後に結集として経典を編纂しています。第一結集は釈迦入滅直後です。

 
キリスト教はイエスの入滅後に四福音書記者(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ)による四福音書編纂が行われています。

 
プロジェクトテトラ(4)は、四人の福音書記者による四福音書編纂の4でしょう。
あたかも現在誰かを救いたいという創作者たちが、創作にさまざまなメッセージを託しているかのように。
後のキリスト教・仏教の発展を見れば、結果的には壮大なプロジェクトとなりました。

4人で行われ、4つの福音書からなるプロジェクトだからプロジェクトテトラ。しかし、救いの洗礼はキリスト教の三位一体である、父(神)・子(イエス・キリスト)・聖霊の御名で行われます。
三位一体の3位と、秘封倶楽部の蓮子、菫子、メリーの3人に絡めて3人からメッセージを送ったとしていると考えます。△は三位一体の象徴でしょう。

同時に、釈迦は過去にも未来にも無限に存在することを意味する、仏教の三世仏も意識しているように見受けられます。

一方で仏教は2600年の昔、キリスト教も2000年の昔。さまざまな人がさまざまなことを述べているため解釈のノイズが相当混ざっています。『預言者メリー』のように悪意を用いて捻じ曲げる人間までいるでしょう。解釈のノイズがノイズ混じりの通信で表されています。

開祖死後に残された弟子たちが「上位宇宙」の存在。未来の人が「下位宇宙」の存在。メッセージは過去から未来への一方通行。後に世界宗教となる、残された弟子たちの壮大なプロジェクトこそが福音書編纂や結集ではないかと考えます。

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