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雪の香り

雪の香りって、どんなだろう。

たんぽぽの綿毛にふわりと座った天使のような雪に顔を近づけた。

肺に雪の香りをとりこみたくて、大きく息をすいこむ。
どんな香りか、わくわくしながら。

つめたいっ。

つめたさが鼻腔をとおりぬけ、肺が凍ってしまうかと錯覚する。

雪の香りを一度だけでは確かめきれなかったから、もう一度、すいこむ。

肺がガラス窓になったかのような、透明感と涼しさ。

きっと、雪の香りはつめたいことを考えている隙に、消えてしまうのだろう。

はかなくて、切ない香り。
刹那の香り。

ゆっくりと舞い降りる白い天使を掌でうけとめながら、この冬をすごしていこう。

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