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出版業界のすみっこで

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出版業界のすみっこからみる、本や出版についてのはなし
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2017年7月の記事一覧

ベストセラーコードは物語を均一化させるのか。それとも発酵させるのか。

ベストセラーコードは物語を均一化させるのか。それとも発酵させるのか。

だいたい1カ月も前に読み終わったというのに、いまだその興奮から覚めていない。会社のデスクの置かれた『ベストセラーコード』には、他の本よりも多く付箋が貼ってある。それに端がよれている。はやくこれを実践してみせろよ、と言われているかのようで、胸がそわそわする。

この本が特異なのは、この"1冊だけ"がおもしろいわけではないことだ。もちろん、この本自体はとてもおもしろい。だが、この1冊を読むことによって

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本との出会い方。梟書茶房と箕輪さんのイベント

本との出会い方。梟書茶房と箕輪さんのイベント

先日、池袋にオープンしたドトールのブックカフェ『梟書茶房』に行ってきた。
予想以上におしゃれで、落ち着きがあって、知的な感じが心地よい。ブックカフェだというのに走り出したくなるくらいのワクワクする空間だった。細部にもこだわりがあって、メニューも素敵で、その上、本の売り方もほんとうに楽しい。
正直、こんなにカフェで興奮したことはない。

これは席のひとつ。本棚と、程よい日の明かりと、座りたくなる色の

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君との距離と物語

君とぼくとのあいだには、ある一定の距離がある。君のことを考えていると、夜も眠れない。君と近づきたいけれど、でもこの距離がちょうどいいのかなとも思う。

ふと、「君」という二人称について気になってしまった。普段の会話で、きみ、というと、友達同士でもちょっと距離を感じるし、恋人同士だと、なんだかかしこまってる気もする。会社の上司に「君さ〜!これなんとかならないの〜」と言われるイメージが強い。上から

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