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レフォルマ散歩 西から東へ 〜メキシコシティ〜

いつもどちらから歩こうかと悩むけど、
やはりチャプルテペックからセントロに向かうのがよいと思う。

チャプルテペック公園のライオンの門(Puerta de los Leones de Chapultepec)を起点にレフォルマ通りを東に歩き、Juarez通りから東に入ったべジャス・アルテス宮殿まで4キロほど。けっして澄んだ空気とは言えないけれども、ぶらぶら楽しくお散歩ができる。

レフォルマ通り(Paseo de la Reforma)

メキシコシティを東西に走る目抜通り「レフォルマ通り」は、チャプルテペック城と街の中心部を結ぶ大通りとして1860年代に設計された。日本は幕末の頃か。この区間の西半分のレフォルマ通りは、中央の車道エリアを挟むように両側に遊歩道があり、その外側に側道、そしてさらに歩道があるつくりとなっている。通りは背の高い街路樹が植っていて、メキシコの強い陽射しから守ってくれるし、カフェやレストラン、ショッピングモールなども多いので歩きやすい。

レフォルマ通り:チャプルテペック城からの眺め

通り沿いには200m以上のビルが建ち並び、まさしくメインストリート。最初に見える両脇のビルは、北側(写真左)がTorre Mayor、南側(写真右)がBBVA Bancomer銀行ビルで、まるで列柱みたい。左は高さ225m、右は235mなのに、左の方が高く見えるのは何故。正面から撮ったつもりなのに。。

夜のBBVA Bancomer銀行タワー
ここだけ切り取ると何だかカンクンみたい
BBVA Bancomer Tower / LEGORRETA + LEGORRETA + Rogers Stirk Harbour + Partners(2016)

ちなみに「レフォルマ通り」の名前は、独立後の自由主義派と保守派との内戦である1857年から1861年のレフォルマ戦争を讃えて付けられたそう。

ディアナ・カサドーラ噴水(la Fuente de la Diana Cazadora)

最初のロータリーに辿り着くと、弓を射ったローマ神話の女神ディアナ像(もしくはギリシャ神話のアルテミスが由来とも)がある。「射った」後の姿。ということで、射られた弓もちゃんとあるので探してみる。

角度と時間が悪かった。見辛い写真・・・
北東角(正確には北方向だけど)の映画館の入る建物に刺さっている

独立記念塔 (El Ángel de la independencia)

そしてレフォルマ通り沿いで一番有名なのはここ、エル・アンヘル、独立記念塔に違いない。夜は日によって異なるライトアップがされています。1810年に始まったメキシコ独立革命の百周年を記念して建立されたもので、見たらついつい写真を撮ってしまうスポットです。

パブリックアート レオノーラ・キャリントンの彫刻

わたしがこの通りを歩くのが好きな理由は、遊歩道に彫刻作品があること。彫刻には基本的にあまり興味がないけれど、不思議とメキシコで見るものは楽しい気分にさせてくれる。ここにあるパブリックアートの中で特に目を引くのが、シュルレアリスムの芸術家であるレオノーラ・キャリントンの《ワニ》の彫刻。

Leonora Carrington《Cocodrilo》2000(本人による寄贈)
ショッピングモール「Reforma 222」の近くにある

この記事を書くまで彼女のことを知らなかったけれど、彼女の他の作品を知り、もっと見てみたいと思った。サン・ルイス・ポトシとXilitlaに彼女の名前を冠した美術館があるらしい。S. L. P.は遠いし、XilitlaにはLas Pozas庭園にすでに訪れているのでもう行くことはない町だと思っていたのに…いつか足を伸ばしてみよう。まずはCDMXローマ地区にCasa Museo Leonora Carringtonが2024年中に開館予定とのことなので楽しみにしておこう。

革命記念塔(el Monumento a la Revolución)

50mのパリ凱旋門に対し、この革命記念塔は67m。そのため世界一高い凱旋門と呼ばれることもあるとネット上で紹介されているのを見た。一位争いはあらゆるところで勃発するんだな。

この革命記念塔は、もともとは連邦立法府の建物として1910年に建設が始まったが、メキシコ革命の勃発により中断・放置の期間を経て、革命の記念碑として1938年に完成した。

Reinterpretó la estructura y los espacios para otorgarles un nuevo significado: El uso de la plaza como espacio público en torno a la conmemoración de una revolución constante. Dedicó así su proyecto: “A la Revolución de ayer, de hoy, de mañana, de siempre”.

メキシコ革命記念塔公式サイト(https://www.mrm.mx/historia-del-monumento)

wiki(英語版)などを読むと、memorial archとして世界一と紹介されてはいるが、凱旋門としてではない。建設の歴史と凱旋門の定義からすれば、その通りだと思った。

ライトアップされた夜の革命記念塔
Finca Don Porfirioレプブリカ広場

夜はこの広場に続く道は薄ら寂しいというか少し不安感が漂う気がしたので、不案内の人だけでは行かない方がよいと思う。

ここまで来れば、セントロはもうすぐ。
レフォルマ通りからJuarez通りに入り、アラメダ公園を抜ければべジャス・アルテス宮殿に到着する。メキシコの歴史を感じる散歩道、歩くスピードはいろんなことを味わい消化するのにちょうどよい。

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