見出し画像

海になりたいと思って

わたしの中の理想形

海の見える山に登って

あぁ、海になりたい。」と思った。

画像1


海と山が寄り添う町に、昔からちょっとした憧れがあった。それは、山と海に対して、私の中にこんなイメージがあるからだと思う。

山は
おおらかで、
活動的で
上へ上へと登る
エネルギッシュさがある

男性性っぽい感じ。

一方で海は
陽気で
穏やかで
感情的で
変化に柔軟な

女性性っぽい感じ。

2つのバランスが整っている街は、ある意味「理想形」のようなものに見えた。だから自然と、惹かれていたのかもしれない。

私は自分のことを、山っぽい、女性の姿をした男性だと思っていた。

同性愛者という意味ではなく、行動的で思考優位で、男性性が強い女性だと思っていたのだ。


感情的になることが恥ずかしく、冷静でいる自分が心地良いと思っている。そういう自分も好きだし、それを受け入れて過ごしていた。


けれど時々、思いっきり泣きたいと思う日があるのも事実。

こどもみたいに、全身使って

「ぅわぁああー!!!」って、はしゃぎたいときもある。


それがなんとなく、「キャラじゃない」感じがしていた。そんな自分が現れては引っ込めて。結局引っ込んだまま、うずうずして、最終的には出てこない。

それが私だった。

画像2

漢字1文字に込めた願い


ある日のこと。

「今の自分を漢字1文字で表すとしたら?」というお題を与えられる機会があった。

初めに頭に浮かんだのは、「癒」「森」だった。

「雰囲気に癒される」と言われることは多かったし、山登りが好きだったから、木を連想するもののほうが、私らしいかな?と思ったからだ。

でも、なんかしっくりこなかった。

そして次の瞬、私は

」だ、と答えていた。

私の言い分は、こう。

山登りをよくするから、遠い存在だと思っていたんですけど、海みたいになりたいって、思ったんです。海は、包み込むような優しさ、穏やかさがあって、母性や愛がある。そして波が立つように感情的なときもある。とっても女性らしくて、私も素直に、女性らしく在りたいって、思ったんです。

自分でも驚くくらい、言葉がスラスラと口から出ていた。


何人かとそのお題について話していて、私の答えを聞いた方たちは

「良い!海。
私、侑子さんは、山より海のイメージがあったよ。
海って外国とも繋がってるじゃないですか
凄くグローバルで、侑子さんらしいって思いましたよ。」
「海って、生命が生まれる場所ですもんね。
母性が連想されました。素敵です。」

皆、口々に言ってくれた。

あ、言ってよかった。


本当は言いたくて、言えなかったから

素直に、「海になりたい」って、言ってよかった。


嬉しくて、嬉しくて、

私はこの気持ちを形に残したいと思った。


生まれ直し

海と繋がれた喜びの気持ちを、アートとして残すことにした。


画像3


素敵なご縁で繋がった りえさんの アルコールインク アート のワークショップでの作品。

風に吹かれて、あっちこっちへ流れるインク…


なかなかコントロールできず、最終的に

「ま、いっか!」と

流れに身を任せて、夢中になって楽しんでいたら


私の思い描く「海」になっていた。


作品が出来上がった瞬間、

憧れは、もう憧れではなく、私になった。


男性性の強い女性でもなく
女性性優位な女性でもなく
もっとニュートラルな感じ。

どちらの性質ももバランスよく使える人。
穏やかで感情的で、バイタリティのある、愛で繋がるもの。

ここが、今の私の、在りたい形の原点で、

いつでも立ち戻ってきていいんだ。


私が私に、勇気を与えてくれる作品になった。


自分の歩む道は、いつでも、自由に、デザインし直せる。

そう、強く思った。


theme …「生まれ直し」
image…「深海と、そのに差し込む光」


𓇼𓆡𓆉 ⋆
海は、生命が誕生する場所。
海は、大きな愛に包まれている場所。
海は、混じり合う場所。
海は、みんなで流れに乗る場所。
海は、何度でも再生する場所。
海は、巡り合わせがある場所。
𓇼𓆡𓆉 ⋆



この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,828件

いつも楽しく読んでくださり、ありがとうございます! 書籍の購入や山道具の新調に使わせていただきます。