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#11 【作品紹介】お客様のためだけのストーリーを作品に

お疲れ様です。
YUKOです。
第11回目の投稿になります。

このnoteでは
【どうすれば私の絵は売れるの?】
っていうテーマで記事を更新していきます。

もう11月が来ちゃいました。
来ちゃいましたが、前回に続き、夏(7月)に納品した作品のお話を掘り下げていきたいと思います↓

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お客様からリクエスト頂いた、下記のテーマをもとに描きました。

【お客様からのリクエストテーマ】
・左側(龍)→ コロナ×オリンピック
・右側(天狗)→ コロナ×日本
このテーマにまつわる、日本の“課題”を、楽しく描いてほしい

余談ですが今、新しい取り組みに向けて、着々と準備を進めてます。
有料版noteの販売です。

以前から一度試してみたいなと思ってました。
今回の作品は、結構気合が入ってるので、作品の決定的な部分だけは有料版で解説したいと思ってます。
右側(天狗)の作品をメインに、お話していく予定です。

まずはお試しということで、数回に分けて、無料版の解説をお届けしたいと思います。
気になった方はぜひ、お試しください。
事前に本記事を読んでいただけると、今後解説する、ストーリーへの理解が深まると思います。

どんなストーリーの作品になっているのか?
お客様本人にも伝えなかったことなんかも、綴っていきます。
コンセプトなどに興味がある方と、シェアできる記事になれば幸いです。

【今後配信予定の有料版について】
有料版の記事で得た収益に関しましては、今後の創作活動に必要な資材調達費や、勉強のための教材費用として活用させていただきます。

より良い創作を目指し、前進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


有料版の記事は、準備が整い次第、お届けしたいなと思ってます。
前回までは、左側(龍)の作品をご紹介したので、今回は右側(天狗)にうつります。

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完成した作品を眺めながら、お客様と一緒に、楽しくて実のある会話ができたらいいなって、そう思いながら作品を制作してました。

そこで意識したのが【ストーリー作りです。
一見ちぐはぐで、へんちくりんな絵ですが、1つ1つの要素が繋がるように仕上げていきました。
今からご紹介したいと思います。

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全体のストーリー


お客様と雑談して直感したこと。
それは、お客様がシニカルなメッセージ性のある作品を好むってことです。
あくまで私の推測になりますが、この直感を頼りに制作を進めていくことにしました。

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まずこの天狗の絵。
「何の絵ですか?」っていう質問に一言で答えると、城下町仕立てのボードゲームで、天狗が遊んでる絵(???)です。

幕末の城下町風の日本を、現代版にアレンジしてます。
よく見ると、スマホやPC・タブレットが、建物の一部に混在してますよね?
ボードゲームの駒みたいな、のっぺらぼうの人間が、日常生活を送ってます。
上空には小天狗が飛んでて、大天狗がスマホ片手に、町全体を見下ろしてます。

でも、なんで天狗?なんで城下町?なんでボードゲーム?…
って色々疑問が残る、超わけ分かんない作品です。
1つずつ紐解いていきたいと思います。

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なんで幕末?

【現代の日本】がテーマだけど、幕末風のビジュアルに仕上げてます。
理由は、コロナ禍の日本で起きてる出来事が、鎖国時代の日本とリンクするなって思ったからです。
いろんな出来事が、そういった時代背景を感じさせます。

開国した日本に向けて、海外の文明が次々に流入。
徐々に異国の色に染まっていきました。
それを現代版に置き換えたのが、スマホやPC、タブレットです。
一部の町人がデジタル端末で情報収集して、海外の文明を日常に取り入れていく様子を描いてます。

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コロナになってから、世界中でナショナリズムとか、自国ファーストの思想が高まってます。
そういう自国カラーが、日常の、例えばファッションとか、そういうものにも、反映されてるなーって思ったんです。本当にさりげなく。
みんなが気づかないような、ちょっとしたことも、そういう影響を受けてるなーって感じたので【自国ファーストの現代】と【鎖国】をリンクさせました。

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コロナの背景を細部に反映して

制作にあたって【withコロナ】の側面も意識していきました。
近くで見ると随所に、コロナに対応していく現代の様子が描かれてます。
こんな感じです↓

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テイクアウトや配達サービス、無人レジやリモートワークなど、外出不要サービスの普及がコロナ期間中に一気に加速しましたよね?
その普及の早さに追いつけず、町人たちは江戸時代で時が止まってます。

さらにクローズアップしてみます。

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もう1つのストーリーが、同時進行する絵に

お客様のためだけのとっておきの1枚をお届けしたい。
そう思って、さらにひと工夫加えました。
アナザーストーリーです。

実はこの絵の中に、お客様が登場してます。
天狗の絵の中にはいません。
お客様は、龍の絵の中に登場してます。

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「もしかして選手の中に混ざってる?」って思うかもしれませんが、
ほらここ↓

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無観客の会場の中で、1人だけお酒を飲みながら観戦を楽しんでます。
ちょいVIPな感じです。
この絵を見たお客様は「龍に食べられそうだ」って笑ってました。

ついでに、ちゃっかり私も混ざってます。
ここに↓

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私は天狗の絵の中にいます。
何してるかっていうと、絵を描いてます。
天狗のところまで近づいて、この【コロナ×日本】をテーマにした作品を、描いてるところです。
完成したら【待ち合わせ場所】まで向かい、お客様に納品します。

その【待ち合わせ場所】も天狗の絵の中に描きました。
ここです↓

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Googleマップみたいな、目的地のフラグが立ってます。
ここは、実際に納品する【現実の待ち合わせ場所】がモデルになってます。
幕末テイストで描きました。

ちなみに、作品をお披露目した後、2人で乾杯するためのお酒も、待ち合わせ場所に向かって配達されてます(↓1枚目画像/左)。
完成した龍の絵も運搬中です(↓1枚目画像/中央)。
配達員の頭上に浮かんでいる【位置情報】が、待ち合わせ場所の方向(右方向)に向いてます。

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龍と天狗の絵、2枚つなげて俯瞰して見るとこんな感じです。

そして、この【アナザーストーリー】をつなげると、こうなります↓

【この作品のもう1つのストーリー】
お客様がオリンピック・パラリンピックの観戦を楽しんでる一方で、私は作品を仕上げる。
その後、待ち合わせ場所で合流。
お客様はお酒を片手に、オリンピックの土産話を聞かせてくれる。
私は完成した絵を披露する。
2人で、絵について語り合う。

こんな風に、城下町で【コロナの日常】が繰り広げられる中、この作品が完成に近づいていく様子も、ストーリーに組み込んでいきました。
お客様ご自身に焦点を当てた、もう1つのストーリーです。

納品当日の夜、予定通り私たちは、実際の待ち合わせ場所で合流して、完成品を酒の肴に乾杯しました。
その時に、このストーリーをお伝えすると、お客様はこう仰ってました。
「今夜のお酒は、ほどほどにするよ。酔っ払って、絵を台無しにするといけないからね。大事に持って帰るよ。」

そのお客様は普段、感情を大きく表現する方ではないけれど、その言葉だけで、絵を大切に扱ってくださるという気持ちが、すごく伝わってきました。
本当に嬉しかったです。

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結局YUKOは、どんな作品を届けたいのか?


これまでの記事で「YUKOは、どんな絵をお客様に届けたいのか?」っていうお話をしてきました。
私が今目指しているのは、こんな風に作品を通じて育む【お客様との新しいコミュニケーション】です。

絵画のお披露目は、ちょっとした【非日常】を味わえる、特別な時間。
だからこそ、絵画そのものを【作品】と呼ぶのではなく、その作品から生まれた、お客様との【コミュニケーション】を含めて【作品(完成品)】と呼べるような、そんな1枚をお届けしたいと思ってます。
この絵は、お客様とお酒を飲みながら交わす、楽しい対話があってこそ完成した作品だと思ってます。

このほかにも、作品に散らばった登場人物たちが、各々ストーリーを展開してます。
このnoteでは、そういったストーリーを、下記のラインナップで、数回に渡ってお届けしたいなと思ってます。

【解説ラインナップ(予定)】※記事は現在準備中。
・地図から見えてくる、日本の全体像
・町の生活を1つ1つご紹介
・天狗の正体は?
・龍の作品とつなげると何が見えてくる?
・ルーレットと山の関係性
・なんで城下町?なんでボードゲーム?
・山の頂上の人物は何をしている?
・山の裏側の秘密

解説は、記事が出来次第、順番にアップしていく予定です。
ただ、ラインナップの項目数の多さからも分かる通り、今回の解説は…

めちゃくちゃ、細かいです。


「こんな設定まで解説する必要あるの?」「誰が読むの?」みたいなところまで、超マニアックに解説していこうと思います。
今回初の試みです。

ぶっちゃけ「絵画は各自、好きなように鑑賞すればいいし、理屈っぽい解説なんてナンセンス」って思ってました。今でも思ってます。
そして、同じように考えてる、アーティストさんも多いんじゃないかなって思います。
理屈っぽいの、みんな嫌がりますもん。

だからこそ、逆に、作品をめちゃくちゃ丁寧に解説する絵描きって、少ないと思うんです。
特に今回の作品は、目で見ただけじゃ分かんない裏設定が満載です。
というわけで今回は、試しにこういう解説を、実験的に交えてみようと思います。

「ここ、解説しちゃうと、一部の人たちに怒られるんじゃないかな…?」みたいなことも、有料版で赤裸々に語っていきます。
結構、お客様好みの【シニカルな絵】になってると思います。

「私たちはこういう現実の中で暮らしてるよね?」っていう問題定義みたいな視点でお届けできたらと思いますので、ぜひお楽しみください。

それではまた、お会いしましょう。

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