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「退職します」と言った日の感情

「退職したいと思ってますっ…」

ついに、言った。マスクの下で口をモゴモゴさせながら。転職活動をはじめてもう2年経つ。なかなかいい企業に巡り会えず、私はもう一生転職できないんじゃないか…と思ってた。ようやく行きたい会社から内定をもらい、転職を決意した。今日が生まれて初めての、退職意向の打ち明けだった。

ビックリされるだろうと思ってた。上司は、3ヶ月ほど前にグループ会社からやってきた人だ。いかにも良い人な雰囲気で、面接や結婚準備でたくさん休みをとっても快くOKしてくれた。まさか私が転職するなんて思ってないんじゃないか。「えっ!?」と驚く様子が目に浮かんだ。

打ち合わせを設定し、ついに退職を打ち明けた。つ、ついに言った。緊張しながら上司を見ると、表情は全く変わらなかった。そして優しい表情で、「そうなんだ」と頷いた。退職の相談をされた人は、あんな柔らかい顔をするんだろうか。むしろ私が驚いてしまった。

そこからは流れるように進んだ。退職の理由や希望時期を伝え、その日のうちに課長や部長にも連携された。多少は「副業の形ではダメなのか?」と引き止められたけど、ほぼほぼ了承してもらえた。あとは退職時期を調整するだけだ。

スムーズでありがたい反面、ちょっと寂しかった。本当に、この会社を辞めてしまうんだと実感した。新卒で入社し、基本的なビジネスマナーから今の会社で覚えた。つまらない仕事や嫌いな先輩で、何度「辞めたい」「転職したい」と思ったんだろう。それでも段々仕事を覚え、頼りにされるようになって、年次を重ねるほどいろんな挑戦ができるようになった。嫌いな先輩も、思ったよりいい人だったし。やめると思うと悲しくなった。

でも、自分がやりたい仕事をするためには、新しい職場に行くのがベターだと思う。悲しいけど卒業しないとな、、。

残り1~2か月(予定)、引継ぎはちゃんとしつつ、思い出もしっかり作っておきたい。


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