「ネットの恋愛記事」を読んでも幸せになれない
ネットの恋愛記事から離れたら、すぐに恋人ができた。
……嘘みたいだけど、本当の話だ。もちろんモテていたわけではない。私は本当にもてなかったし、運もなかった。高校時代は彼氏ができなかった。大学1年のとき、昔付き合っていた後輩の大学受験が終わるのを待っていたのに、合格した途端「もう別れませんか?」とメールで別れを告げらた。「なんで?」と聞いても返信はなし。そんな時期に頼りにしていたのが、ネットの恋愛記事だった。
女子向けの恋愛のハウツーが書かれた記事、Twitterにいる恋愛マスターの辛辣なつぶやき、Yahoo知恵袋の無責任な回答……。ネットから拾えるものは、とことん読み漁った。あの時は、本当に自分を愛してくれる彼氏がほしかった。とにかく幸せになりかった。幸せになるヒントがほしくて、恋愛記事を読めばわかる!と思って必死だったのだ。
でも、膨大な恋愛記事を読んでも、一向にわたしがほしい幸せは手に入らなかった!まず、恋愛記事で描かれるのは「平均的な理想」だから。料理が得意で、控えめで、春に咲くお花が好きで……多くの男子が好きそうな女子像が理想として描かれる。でもその女子になれば本当に恋人ができるのか?幸せになれるのか?とは限らない。私の場合は記事に書かれる理想が全く合わず、窮屈な日々を送っていた。
次に、誰にでも当てはまることしか書いてないから。率直にいえば「薄っぺらい」のだ。今日よんだ恋愛記事には、「気になるカレとLINEを長続きさせるなら、楽しい話題やほどよい返信頻度を♥」とあった。当たり前すぎてビックリする。色んな企業の記事を読んだけど、9割近くは当たり前の内容にキャッチ―なタイトルをつけて配信している。
だから恋愛記事をいくら読んでも習得するのは「それっぽい恋愛術」ばかりで、幸せにはつながらなかった。
恋愛記事はハウツーではなくエンタメと思え
「恋愛記事よんでも変わらないじゃん!」と気づいたわたしは、少しずつ恋愛記事の捉え方を変えていった。恋愛記事はハウツーを学ぶものではなく、あくまで「エンタメ」。2ちゃんを見るように、ときたま暇つぶしに見るようになった。
すると、毎日が少しずつ明るくなっていった。恋愛記事を読んでいた時間は、自分の好きなことに使うようにした。今までは恋愛記事にかかれたような女子になることを目指してた。だけど本当はニンニクやネギたっぷりのラーメンや、バイト終わりの一気飲みコーラ、男に騙されて堕ちていく女の物語、そんなものが大好きだった。どんなものでも、自分の好きなものに時間を費やせるのは最高だ。気づかぬうちに私は、恋愛記事にとらわれて自分を見失っていた。あぁ、女子力なんてなくてもいいのか。好きなことをするってこんなに気楽で楽しいか。と驚いたものだった。
そして、恋愛記事を離れてすぐに恋人ができた。自分の好きなことに時間を使えるようになり、心に余裕が出たことで、多少なりとも魅力的な人間になれたからかもしれない。
モテない私が生意気にも恋愛を語っていいなら、「幸せになりたいなら恋愛記事は読むな」と言いたい。幸せになるために本当に必要なのは、自分自身を知り、好きなことに素直になって余裕をつくること。余裕があれば多少は魅力的になるので、きっと恋愛でもうまく行くはずだ。
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