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「残業しないよう頑張る人」と「残業して頑張る人」、偉いのはどっち?

残業しない人の仕事が、残業するわたしに振ってきた。その時のもやッとした気持ちを伝えたくて、今この文章を書いている。

わたしが所属するチームは3人で、上司とわたし、そして同期のタナカ君(仮名)だ。わたしたちはチーム全員で1つの会員サービスを扱っている。

タナカ君は非常にあっさりした性格で、定時を過ぎるとすぐに帰る。飲み会もほとんど参加せず、上司の結婚式すら行くべきか悩んでいたくらいだ。優しそうな見た目とは裏腹に、自分を持った合理的な性格をしている。細かいことにこだわってしまい、残業する日が多い私とはだいぶ違うタイプだ。だからこそチームとしてうまく機能しているのだろう。

最近、タナカ君の業務が多くなってきた。クライアントからタナカ君への対応依頼が増え、こまごました仕事が大量に積み重なってしまったのだ。上司は1つの決断をくだした。

「はま(私の呼び名)、タナカ君のかんたんな仕事は巻き取ってあげて」

決して間違ってはない。チーム全員で取り組むプロジェクトなら、誰かの仕事がたまり始めたらみんなで手伝う必要がある。タナカ君が抱え込んだ仕事は取り組む時間はかかるけど、仕事1つ1つはたいして難しくはなかった。わたしは快くタナカ君の仕事の一部を引き受け、夜の空いた時間にタナカ君の仕事をした。

時計が20時を過ぎたころ、夜から取り組んだタナカ君の仕事が終わった。このとき、ふと思ってしまった。「なんで残業しない人のために、わたしが残業して頑張ってるのだろう?」と。

残業しない人の仕事を残業して手伝うのは不平等?

彼の仕事を手伝ったわたしも、決して手が空いていたわけではない。ただでさえ普段から残業している。そのため彼を手伝おうとして、さらに残業をしてまでタナカ君の仕事をこなした。でもタナカ君はいつも通り、とっくに帰宅している。本当はわたしだって早く帰りたいと思っている。そのためわたしたちの差異が不平等に感じてしまったのだ。

もちろん「残業する人が偉い!」と思っているわけではない。残業せずに帰れているのは、仕事に余裕があるのではなく、本人の努力の結果だ。だから残業していないのを理由にさらに仕事を割り振ってしまっては、「せっかく残業しないように頑張っているのに!!」と不満がたまっていってしまう。

残業する人に仕事を振れば「今でさえ残業しているのに、まだ残らせるのか!」と不満になる一方で、残業しない人に振れば「努力して残業していないだけなのに、残業させようとするのか!!」と思われる。残業する側と残業しないようにする側、どっちの立場にも言い分はある。

最近、働き方改革の影響もあって「残業しないよう頑張る人」が優勢となり、「残業して頑張る人」は古いタイプの働き方として悪者扱いされることが多い。でも残業する人もしない人も、どっちも偉い。残業する人を悪者にして安心せずに、どちらの方面にも向き合ってくれる環境があると、もっと働きやすくなりそうだなと考えた。

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