グラス高くかかげ 思いっきり祝いたいよね

今週はとりわけ
語彙力 ナシナシ・話題&トーン ブレブレ・感情 グラグラで
お送りします。
特に終盤は加速していきます。

勢いを大事に。
時系列で。


10/6(日)PM22:00

この日の仕事が終わる。
月曜日が目の前に見えている時間だが、外出の予定を入れていた。

新宿バルト9で上映される、話題の「JOKER」を観るために。

SNSでは
「劇薬」
「精神が安定しているときに見ないと鬱になる」
といった口コミが広がっている映画だ。

「ダークナイト」でのヒース・レジャー演じるジョーカーが好きだったので、期待していた。

「劇薬」を求めて、わざわざ深夜のレイトショーを選んだ。
※以下ネタバレはないが、それなりの感想が入ります


10/7(月)AM4:00

映画自体は良いものだったと思う。
政治、社会、強者と弱者。
80年代の架空都市ゴッサムシティを舞台に、
現代のアメリカ(そして世界)を一貫して風刺する。それもかなりリアルに。

ホアキン・フェニックスの怪演も素晴らしかった。

そういう意味では傑作だった。


「でも、なんか思っていたのと違う?」

「劇薬」とは感じなかった。
一貫しているだけに、先が読める展開。
むしろきれいにまとまっていて「王道」のようなイメージ。

「JOKER」というタイトルを掲げているだけに
疑問点があった。

果たしてこれを「ジョーカーの誕生」として描く必要があったのか?

「ジョーカーの誕生」ではなく、アーサーという一人の人間の喜劇、あるいは悲劇では?

「ダークナイト」のジョーカーを想像していただけに期待値を上げすぎたのか?

電車もないので、会社のある渋谷への散歩道、そんなことをモヤモヤ考えながら歩いた。

なお、この疑問は後々色々な解説記事を読んでひとまず解決している。
それを踏まえて、もう一度観に行って、確かめたいなと思っている。


10/9(水)AM1:00

普段はリモートワークだけど、珍しく外出して打ち合わせをし、会社に寄り道して、帰宅。

「もともとカオスだったけど、さらにカオスが深まってきたなー」とか思いつつ、無為な時間を過ごしていた。

なんとなくTwitterを開くと「早坂先生」がトレンドになっているらしい。

「ああ、今日から『まだ結婚できない男』が始まってたのか、録画するの忘れてた」

「くそっ!」と思いつつ「TVerがあるじゃないか」と気付いた。


これがいけなかった。

前作が放送されていたのは2006年。
13年前の夏。
僕は当時14歳で、おそらく塾が終わったら急いで帰ってこのドラマを観ながら、遅い夕飯を食べていたんだと思う。

何にも考えず、無神経な桑野信介と真面目な早坂先生のやり取りに笑い、あのパグに癒やされていたんだと思う。

本当、何も考えずただ楽しんでいた。

この日も何も考えずに、TVerで再生した。


アラサーとも言える27歳の僕の目にどう映るか、全く考えていなかった。

もう「あっあっ」という途方に暮れるような感想と衝撃しかなかった。

それを具体的に書くんだよって話だが、書くのが怖い。
※同世代なら分かると思う、察してほしい

「『まだスイミー』ーーーー!!!!」

「あのころの未来に ぼくらは立っているのかなぁ(written by スガシカオ)」

「あっあっ」

もう語彙力なくして、そんな感じ。

「JOKER」じゃなくて「桑野信介」が僕にとって
本当の「劇薬」だった。

と、今週はこんな感じでいこうと、木曜の夕方までは考えていた。

だが状況が変わった。


10/10(木)PM8:30

スーパーで夕飯選んでいるときにTwitterの通知が来た。

待ちに待った小沢健二のアルバム発売日が発表されたのだ!

それもリード曲が、3時間半後に先行配信されるというではないか!

この人、今年の4月頭に「2019 coming relatively soon(2019年わりとすぐにアルバム出すよ)」っていうティザー映像を公開し、その後すぐ、ナタリーでLINE風のリアルタイム対談やったりと凝ったことをしてたんですよ。

リアルタイム対談で
「そうです、実は明日発売です。アルバム」
「って言ったら怒りますよね」
とかかましていて、
対談終わった直後に出すんじゃねえか?
平成の最後か、令和の最初に出すんじゃね?
とか言われてたけど、結局僕らは待ちぼうけを食らったんですよ。

それがようやく出るんです。嬉しい!


10/11(金)AM0:00

最高だ!

ブラックな表現を交えつつ
みんながそれぞれ抱える不安な今を、近未来を
エグい熱量で肯定してくれるこの感じ!

フロウとリズムは難解。
歌唱力はまああれだ!でもそれも良い!

グラス高くかかげ、思いっきり祝いたいよね!

聴き狂う。
もう少し日々を頑張れそうだ。

聴け!
聴け!

2000年代を嘘が覆い イメージの偽装が横行する
みんな一緒に騙される 笑

だけど幻想はいつも崩れる
真実はだんだんと勝利する
時間ちょっとかかってもね

今ここにある この暮らしでは すべてが起こる
儚い永遠をゆく 波打ち砕ける

真っ暗闇を撃つ 太陽みたいに
とても冴えた気持ち グラス高くかかげ 思いっきり祝いたいよね


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