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「中3は全員シンガポール」で賛否の港区、今に迫る



中3シンガポールの修学旅行

東京都の港区では、
港区立中学校第3学年の全生徒(特別支援学級の生徒を含む。)
を対象に修学旅行の補助をしています。

前回のNote

つまり全員格安でシンガポールの
修学旅行に行けるのです。

 24年6~9月にある修学旅行は、中学3年の生徒全員(約760人)が、3泊5日でシンガポールを訪れる予定だ。行き先は時差の少なさや治安の良さから選んだ。

 これまでの京都や奈良など国内への修学旅行費は生徒1人当たり約7万円で、各家庭の負担だ。行き先が海外となることで旅費は最大約50万円となるため、差額約43万円を区が補塡(ほてん)し、家計に影響が及ばないようにするという。

出典:毎日新聞 2023/9/21 50万円で海外への修学旅行は「格差」生む? 背景に特有の事情

趣旨については理解します。
しかし問題はこれは一つの区で行われ、
自治体ごとの格差がより顕著に生まれること
を私は懸念したいのです。

同じことを島根で出来ますか?宮城で出来ますか?
鳥取で出来ますか?青森で出来ますか?
出来るわけないでしょう。
税収も違うし、地方は人口が減っている。
今後はそういった自治体が増えれば、
もっと人口の流動化を容認することになる。


今は東京vs地方という構図だったのが、
今度は23区vsそれ以外となり、
やがては一部の区vsそれ以外の
構図になるかもしれない。

まずは東京の23区と区外で格差を
つける取り組みを過剰にしてはならない。

その意味で私はシンガポール修学旅行に反対したい。

議会軽視についても反対

さらにこの件についてのプロセスについても
取り上げて参りたい。

海外での修学旅行は23年9月に武井雅昭区長が発表。同月の区議会では区議から意義や必要性を問う質問も出たが、関連費用が盛り込まれた補正予算案が可決され、実施が決まった。

 区によると、最初の対象となる24年度の中学3年生は約760人で、6月から9月ごろに3泊5日の日程で実施する。具体的なプログラムは検討中だが、現地の生徒との交流などを予定しているという。

出典:朝日新聞 2023年12月21日「修学旅行は全員海外」で賛否の東京・港区 教育長に聞いた狙い

なんと区長が先にマスメディアに発表して
議会の審議にかかったのです。

流石に議会軽視という面もあるのではないか?
地方議会は首長と議会で構成されていて、
これは首長の議会軽視にも該当すると言えるだろう。


現に先日の港区長選では
当時の現職は新人候補に敗れていて、
その敗北の一因として、
この問題が関係していたとは
一概には否定できないだろう。

現在の清家区長は区議時代に
おいて以下の発言をブログでされています。

区立中学のシンガポール修学旅行については、議会のチェックが入ったことで、当初の予算案の約5億1千万円から約3億9千万円になり、約1億2千万円の予算圧縮。
議会に何の提案もなく、突然、区長が記者発表したもので、議会は紛糾しました。
各学校がすでに国内修学旅行の契約も済んでいた時点でのシンガポールへの変更だったので、キャンセル料約500万円も税負担。
予算案に反対しようにも、他の緊急案件と一緒に補正予算案に組み込まれ、保護者には議会に予算提案前に「シンガポール修学旅行が決まりました」と通知をしてしまっているというひどい手続きでした。

出典:選挙.com 2024/4/24 シンガポール修学旅行と区立元麻布保育園の件 

やはりシンガポール修学旅行のプロセス自体には
実はかなり課題があったことは言えるのではないか?
港区の議会と首長の2院制が正しくあった上で、
人口増加の地域は責任を持つ必要がある。


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