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【なまらのんびり03】時代と世代。【夫婦エッセイ】

 新しい元号が発表されましたね。


 普段、世間の話題とは少し興味がずれている僕達夫婦。流行のものだからといって興味を持つ訳ではないため、時代の流れに取り残されることもしばしば。



 昨日まで連日様々なメディアで新しい元号の予想などが多く扱われていましたが、我が家では特に話題にのぼることは少なく。試しに僕は妻に「新しい元号について興味ある?」と聞いてみました。
「うーん……まったく興味がない訳ではないよ」
 まぁ、そんな感じですね。生活に関わってくる大きなものなので、まったく興味がない訳ではない、でも、まぁ……そんな感覚。



「あ、そういえば、渋谷の女子高生が予想した元号、知ってる?」
妻が僕に聞いてきました。
「あーなんかで見たよ」
ネットニュースでも取り上げられていたため僕もこの話題は知っていました。

アイ・エヌ・ジーが、渋谷の女子高生300人に新元号の予想をアンケート調査した。
1位 安久 15票
2位 平和 10票
3位 嵐  5票
3位 安政 5票
3位 大政 5票
6位 桜華 4票
6位 永安 4票
6位 希望 4票
6位 朝日 4票
6位 和平 4票
その他の回答として、「タピオカ」に3票、「卍」に3票入っている。

「すごいよね、嵐とか」
 もはや「嵐」という言葉を渋谷の女子高生は自然の驚異の1つとは認識していないのでしょうか(笑)
 桜華や朝日、希望などに4票入っているというのも渋谷の女子高生らしい。
 妻は、もちろん女子高生とは世代も違うわけですが、例えば女子高生だったとしても「渋谷の女子高生」には決してならないであろう、そんな人。別にスクールカーストだとか、どちらが良いとか悪いとか、そういう話ではなく。ただ、札幌でのんびり生きる僕達夫婦と、渋谷の女子高生とは、思考の仕組みは異なっている、という話。妻の「すごいよね」という言葉には、本当にある種の尊敬の意味も込められているのです。

「『まんじ』とかもあったよね」
と僕が言うと
「え、まんじ!?」
妻はそこまでは結果を知らなかったのか驚いた様子。
「まんじかぁ……そもそもまんじってどういう意味?」
 流行に疎い彼女は若者言葉もあまり詳しくないようです。
「え? いや、えーと、大した意味はないんじゃ……」
「あ!」
 僕が答えかけたその時、妻は言葉をさえぎってこう言いました。



「まんじってお寺?」



「……そうだね、お寺だね」



まんじ。



 卍。



 地図記号で寺院という意味。



 一瞬、理解できませんでしたが、冗談なのか本気なのかわからない彼女の問いに、僕はとりあえず頷いたのでした。

 僕は心の中で「渋谷の女子高生もすごいけど妻の思考もすごい……」とある種の尊敬の念を抱きました。

 世代が変われば考え方も変わる。
 新しい時代が訪れます。これからも自分の考え方を大事にしつつも他の人の考え方も尊重したいものです。


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