最初のシャッターが一番いいアングル
前回までのブータン旅行記はこちら。
助手席からスーパーマリオのBダッシュばりにシャッターを連写していたためブータンの旅一の写真枚数になった乗り合いタクシーの旅。
ネタ満載の旅行記をせっせと書く前に、まずは写真の整理。膨大な量に見るのもうんざりしながらボツ写真を削除しまくっていて気付いた。
連写した写真の一番最初の写真を大体採用している。写真というのは、そのときにいい!これ撮りたい!と思ったものを撮っているわけで、そのあとはおまけのようなもの。
たとえば、グルメ取材で撮影もするとき、何個かアングルを変えて撮影するのが、大体が一番最初の写真に落ち着く。
簡単に写真がとれて、すぐに確認できて、簡単に消せる。便利になったけれど、結局、たった一枚写真があればいいのだ。
バックパッカー時代は、荷物を減らすために限られたフィルムをもって旅に出た。ここぞ!の時にシャッターを押したものだ。その写真はすぐには見られない。何個かフィルムが溜まっては実家に送り、母親が勝手に現像に出して、わたしの旅の追体験をしていた。
そのときに撮影したものをすぐにみられるのもいいが、旅が終わってから数枚の写真を見返して、こんな風に撮ったんだと振り返るのが楽しかった。
すぐに見て、なんか違うなとアングルを変えてバシャバシャ撮影している暇があるならその場限りの風景を自分の目でみたほうが心に残る。
実際、フィルム時代の旅行のほうがたった数枚の写真でも見返すと、昨日のことのように思い出す。逆に何枚も撮っていると、一体何が撮りたかったのかわからない写真もある。
ブータンの乗り合いタクシーの序盤は見るモノすべてが新鮮すぎて、ずっとファインダー越しで風景をみていた。なんてもったいないことをしたことか。途中でそのことに気づき、カメラをそっとしまい、流れゆく景色を眺めていた。カメラをしまうと、タクシードライバーの兄さんも話かけてくれて、いろんな小話で盛り上がった。話が止まらなくてもういいよとなったが。
デジタル化でもうひとつ。クラウドに簡単に保存できて、家族写真をすぐに共有できるのもいいが、撮りすぎて整理ができていないことはないだろうか。
モノが増えてしまうが、やはり現像しておいたほうがすぐにみられるし、そのときに感じた思い出に浸れる。昔はせっせとアルバムに整理して、その横に一言コメントを書いたものだ。今見ても笑えるコメントがあったりして楽しい。
だから旅行後は心に残った数枚ほどは必ず現像する。メールやアプリで簡単に写真をに共有できるが、お世話になった友人には、自分が選んだ渾身の数枚を現像して、手紙を添えて送る。
よくあう友人に送るとおそらく迷惑がられるので、しないが、両親はもちろん、海外でお世話になった友人には必ず、サンキューレターとともに送る。
写真を見ながら、友人とのあれやこれやを思い出しながら手紙を書く時間が至福のひととき。
ちなみに、サムネ写真はチュキ家でのバターランプ。この写真もいろんなアングルで撮影したが、やっぱり一番最初の写真のアングルが一押しだった。