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急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(1)

この記事は、急な大量解雇に対する対処法として執筆した四つの記事の第三段です。他の記事は次のリンクからご覧になることができます。

急な大量解雇に対する心構え
急な大量解雇に対する経済的対処方法
急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(1)
急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(2)

本記事では、いよいよ次の仕事をどうやって見つけるかという議論に入っていきます。私自身も外資系企業に勤める身ですので、世界経済の見通しもよくない中、明日は我が身。いつクビになってもおかしくありません。このような状況で、私が実践していることも踏まえて書いていきます。

求人リードの獲得

次の仕事を見つけるにあたって、まず最初に考えておくべきことは求人をリードとして管理することです。営業職では(おそらく)一般的となっているリード管理ですが、営業関係の職務についていない方にはあまり馴染みのない概念かもしれません。簡単に言えば、最終的にオファーを受ける(コンバートする)会社はどのくらいあるか?を管理していくものとなります。管理というと少し重厚に聞こえますが、個人の求職レベルだと多くても片手で数えられるくらいのリクルーターとやりとりするだけでかなり一杯一杯になるので、特定のツールを使ったり、購入する必要はないと思います。Gmail でラベルを作っておくとか、Notion で書き留めておくとか、漏れがないようにできるのであればなんでもいいと思います。では、どうやってリードを獲得していったらいいでしょうか。

LinkedIn の情報を最新にしておく

まず最初に大前提としてやっておきたいのが、LinkedIn のプロフィールを最新に更新しておくことです。ソフトウェアエンジニアはこういったことを軽視しがちですが、自分自身を売り込むにあたってこれは非常に有益です。今自分の LinkedIn に何もないという人は今すぐに準備をして下さい。GitHub で草を生やすよりもずっと効率的にリード獲得できます。私も、景気が良くて仕事に困ってない時でも LinkedIn の情報を最新に保っています。経歴が日本企業しかない場合も問題ありません。英語が苦手だという人は、まず日本語で過去の経歴を全て書き、その後 DeepL で翻訳したものをコピペすれば、80-90% 問題のない文章になります。それ以上を目指したい場合は gengo.com  で人力翻訳をお願いすると機械翻訳っぽさが抜けます。ただし、最近は gengo.com 上の翻訳者自身も DeepL を使っていますので、「DeepL を使う場合は、翻訳結果を全レビューし、自然な文章に添削した上で提出をお願いします」と事前に念を打つことで、質を上げることができます。

具体的にどういうことを載せたらいいのか分からないという場合は、私の LinkedIn を参考にして下さい(といっても、自分のプロフィールが良いという確信はありません)。

私の LinkedIn のプロフィール。49 回プロフィールが閲覧され、20回検索結果に出てきたことがわかります。

それでも LinkedIn プロフィールの書き方が分からないという方は、個別に指導することが可能ですので、私の Twitter に連絡を頂ければと思います。

リクルーターからのメッセージに24時間以内に返信する

LinkedIn のプロフィールを整備したらいきなり滝のようにメッセージが来るようになる、なんてことはありませんが、しばらくするとポツポツとメッセージが来るようになります。頂いたメッセージには、できる限り全て返信をします。当たり前のことのように聞こえますが、「自分はどうせ受からない」と返信をしない人が本当に多いです。景気の良い時に毎日何十通もリクルーターからメッセージが来るというのなら返信する気が無くなる気持ちも分かりますが、自信がないからという理由だけで行動を起こさないと単にチャンスを逃しているだけになります。

減給を覚悟する

まず大前提として、不況に突入しようとしている経済の中で転職による給与増は望めません。2022年10月以降、アメリカ国内で職を失った従業員の数は3万人以上に上り、さらに求人件数が減っているという状況では、供給が需要を上回った時点で給与が下がっていきます。また、アメリカ国内で採用ができるようになれば、わざわざタイムゾーンや国外通貨での給与支払い等の煩わしい問題を考えなくてはならない国外へ求人をする必要も無くなります。そうすると、時間が経つにつれて日本国内の求人にも影響を与えてくるでしょう。

このような状況で、たとえば「これまで Facebook でこれだけ給料をもらっていたんだから、次の仕事でも同じくらい欲しい!」といっても無理があります。特に、RSU(Restricted Stock Units、簡単に言えば株式でもらう給与)が大部分を占めるような給与形態では、株式市場の下落と共に給与も下がっていくため、現金給与の低下と相まってより厳しい状況が作られることになります。この状況では、仮に複数オファーがあったとしても現状維持は難しいと考えられます。

Meta(旧 Facebook)のあるエンジニアの給与。一度クビにされたらこのレベルの給与が保たれることはないでしょう(出典:How much I made as a really good Engineer at Facebook

このような状況でもできるだけ高い給与水準を維持したい場合は、大きく分けて二つあります。

  1. 自らに対する需要を増やす:まだ求人件数が高いうちにより多くのリクルーターとやりとりをして、より多くのオファーを獲得する。

  2. 労働者としての付加価値を高める:まだやったことのない領域を学習し、業務で使えるようにすることで、労働提供者としての魅力を底上げする。

本記事では主に(1)に焦点が当たった形となりましたが、もちろんそれだけで話は終わりません。では、そもそもリクルーターから全く連絡が来ない、自分が応募できるレベルの求人がない場合はどうしたら良いでしょうか。次の記事となる急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(2)では、それに関して議論していこうと思います。


今回は急な大量解雇シリーズの最後の記事とする予定でしたが、意外と長くなってしまったため、もう一本、求人のリードが獲得できなかった時どうすれば良いのかを書いていこうと思います。


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