西嶋悠貴

ニューヨークで8年間ソフトウェアエンジニアとして勤務。Ruby コミッタ。過去の勤務先…

西嶋悠貴

ニューヨークで8年間ソフトウェアエンジニアとして勤務。Ruby コミッタ。過去の勤務先に Penguin Digital(2012年 Shutterfly に買収)、Pivotal(2018年 IPO、2020年 VMWare に買収)、Artsy(総額 $101M 調達)等

最近の記事

日本であまり知られていない行動面接(Behavioral Interview)とは何か?

日本語のインターネットの世界では、シリコンバレーに拠点を置く企業や、日本に拠点を置く外資系ソフトウェア企業の面接対策として、コーディング面接に関する議論がたくさんなされています。しかし、技術面接だけで不採用を決めているのかというとそんなことはなく、多くの企業はそこからさらに踏み込んで候補者を絞り込んでいます。では、そもそも、なぜ技術的な部分以外のことを見る必要があるのでしょうか。また、その具体的な絞り込み方法とは一体どんなものなのでしょうか。 なぜ技術的以外の要素が重要なの

    • 2023年Q1のアメリカにおけるソフトウェアエンジニアの採用市場動向

      2022年Q4 は多くの方がご存知の通り、大量のレイオフが発生する血みどろの労働市場となりました。また、新年に入り事態は落ち着いたかと思いきや、Google や Amazon でさらにレイオフが発表されるなど、状況が良くなる兆しはありません。これまでに明らかになっている大規模レイオフ上位10社をまとめると、 Amazon: 累計 18,000 人 Google: 12,000 人 Meta: 11,000 人 Microsoft: 10,000 人 Salesfor

      • 2023年に収入を上げるためにやっておきたいこと:急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(2)

        急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(1)では、次の仕事を得るためのリード獲得方法を書きましたが、リードを得られるということは、ある程度既に技術力があったり、キャリア形成が進んでいるということを意味します。しかし、キャリアの序盤で労働者としての訴求力が低いと、そもそもリードを得られない、もしくは、応募しても採用まで至らないということは十分にあり得ます。今回は、年の瀬にもなりましたので、2023年に向けて投資効果の高い学習を紹介したいと思います。 最低でも三か月は続けるこ

        • 急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(1)

          本記事では、いよいよ次の仕事をどうやって見つけるかという議論に入っていきます。私自身も外資系企業に勤める身ですので、世界経済の見通しもよくない中、明日は我が身。いつクビになってもおかしくありません。このような状況で、私が実践していることも踏まえて書いていきます。 求人リードの獲得次の仕事を見つけるにあたって、まず最初に考えておくべきことは求人をリードとして管理することです。営業職では(おそらく)一般的となっているリード管理ですが、営業関係の職務についていない方にはあまり馴染

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        • 2023年Q1のアメリカにおけるソフトウェアエンジニアの採用市場動向

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        • 急な大量解雇に対する、次の仕事の見つけ方(1)

          急な大量解雇に対する経済的対処方法

          前記事では、いわゆるリストラ、レイオフに対する心構えや、経営指標を見て心の準備をしておく方法を紹介しました。本記事では、金銭的にどういった準備をしたらいいかということについて、私自身も実践している方法について議論したいと思います。 さて、本当にリストラされてしまった場合は、ほとんどの人にとって主となる収入源を奪われることになります。会社によっては解雇に伴うパッケージが提供されますが、一時的な収入によって安心していいのは景気が良い時だけです。今は、アメリカの中央銀行である F

          急な大量解雇に対する経済的対処方法

          私が実際に体験したストックオプション報酬の間違い

          私は大学を2012年に卒業してから転職を4回していますが、アメリカには短ければ1年程度で転職してしまう人もたくさんいるということを考えると、たくさん転職をしているという訳でもありません。しかし、母数が少ないにも関わらず、オファー内容が間違っていた、あるいは、入社後にオファーと違っていたことが2度もありました。本記事では、どのような間違いだったのか、その間違いにどうやって気がついたのかを話していこうと思います。

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          私が実際に体験したストックオプション報酬の間違い

          アメリカ21州で施行されているサラリーヒストリーバン(雇用者が求職者の年収を聞いてはいけない規制)とはなにか?

          2017年1月、ニューヨーク州の政府関係機関が採用活動を行う際に、求職者に過去の給与情報を聞いてはいけないという法律(Labor Law Section 194-a)がアメリカで初めて施行されました。それに追随するように同年10月、今度はニューヨーク市が、市内の全雇用主を対象とした同様の法律を施行。さらに2020年1月には、州法の改正によって対象がニューヨーク州内の全雇用主に拡大されました。この流れはアメリカの各州にも波及していき、2022年1月、コロラド州が同様の法律を施行

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          翻訳記事: 私がシリコンバレーで3000万円の年収オファーをどうやって獲得したのか

          2018年のある時期、時間にすると一週間くらいの間に Google、Facebook、Amazon、Apple、LinkedIn、Yelp からソフトウェアエンジニアとして働くオファーを受けることができました。ここでは、私がこれらの会社と、どのように年収交渉をしたかを紹介します。 長い面接の苦労もあとわずかです。大手ハイテク企業の面接につきもののストレスからもほぼ解放されたことでしょう。最終的に「契約します」というメールを送ることを、実際に想像していることでしょう。 し

          翻訳記事: 私がシリコンバレーで3000万円の年収オファーをどうやって獲得したのか

          2022年Q4のアメリカにおけるソフトウェアエンジニアの採用市場動向

          2022年も残りあと3ヶ月となったところで、現在の労働市場がどうなっているかを振り返りたいと思います。まずは、レイオフ情報をクラウドソース形式で収集している layoffs.fyi で、四半期毎のデータをみていきたいと思います。 このグラフを見ると、2022年Q2から明らかにレイオフが増えています。レイオフだけでなく、Microsoft や Meta(旧 Facebook)、Alphabet(Google)は既に採用凍結を発表しており、最近まで採用を続けていた Amazo

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          ビッグテック企業とスタートアップのコーディング面接の違い

          アメリカのソフトウェア企業のコーディング面接対策方法でも少し触れましたが、一口にアメリカ企業と言っても、10人以下のまさにスタートアップといった規模の会社や、Microsoft、Apple、Google のような大企業までたくさんあります。また、全ての企業がソフトウェア企業になりつつある中、その業界も様々です。コーヒーショップを運営する Blue Bottle Coffee が D2C プラットフォームを Ruby on Rails で開発していて、それをみなさんご存知ネスレ

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          ビッグテック企業とスタートアップのコーディング面接の違…

          2018年に Figma に入社していたらどのくらい儲かっていたか?

          テック業界では Adobe(ティッカーシンボル: ADBE)による Figma 買収が話題になっています。$20 billion USD という巨大な買収額はもちろんのこと、Figma の投資家がどのくらい儲かっただとか、改悪を恐れたユーザーが類似オープンソースプロジェクト Penbot へ乗り換えて、たった一日で 5,600% の成長を記録し $8 million USD の資金調達を発表したりと、世の中を騒がせています。では視点を少し変えて、今回の買収でストップオプション

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          アメリカのソフトウェア企業のコーディング面接対策方法

          ここ数ヶ月間、アメリカのソフトウェア企業で働くことに興味のある方々をインタビューしてきましたが、その中で特によく聞かれるのが「アメリカのソフトウェア企業の面接がどのようなものなのか気になる」、「日本以外の企業に応募したことがないので、初めてで不安」という質問です。確かに、技術的知識は世界で闘うプログラミング力を鍛える本 コーディング面接189問とその解法のような書籍で対策可能ですが、実際の面接は英語で行われるため、書籍だけではカバーできないことが多いのも事実です。本記事では、

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          アメリカのソフトウェア企業のコーディング面接対策方法