娘が求めていたのは、共感じゃなく共有だった

(✻以下の文章は、昨夜、娘が泣きながら訴えた事を私なりに整理してみた内容です)


私には自閉症スペクトラムの娘がいる。彼女は感覚過敏のせいで、喉の詰まった感じ、胃の痛み、吐気、幻覚幻聴、頭痛、目眩に悩まされ、日常生活を生きるのに精一杯だ。
最近では、原因不明の歩行困難、手の震えまで出てきて、散歩は疎か、家の中の階段も一苦労の様子。医師に相談しても感覚過敏だからと済ませられてしまう。

去年の今頃は、喉が詰まった感じがするだけで、普通に生活し病院にも行っていなかった。
この半年で、ありとあらゆる症状が次々と彼女を襲い、
「なんで?
どうしてこんなふうになっちゃったんだろう…?」
と彼女を憂い、悩むばかりだ。
そしていつも代わってあげられない辛さを痛感する。
私に出来ることは、少しでも彼女の心が楽になるようにと祈りながら、彼女の苦しみや辛さ、怒りを聞いてあげること

……………………だと思っていた。

でも、聞いてもらうだけじゃ、彼女は満足しないのだ。
なぜなら、泣いて喚いて人に当たり散らしても、治りはしないのだから。1ミリも楽になんてならないのだから。

だから、結局泣いて喚いた最後にはいつも
「お母さん、グズグズ言ってごめんなさい…」
と謝ってくる。
謝らなくてもいいのに……つらいのは痛いほど分かる……

彼女の痛みや辛さ、恐怖や不安を分かってあげることは簡単だ。だって、私の娘だから。

「辛いね、苦しいね。」って一緒に泣くこともある。
「お母さんがついてるから大丈夫だよ!一緒に頑張ろ!」と励ます時もある。
或いは、「グズグズばかり言ってたら心までやられちゃうよ!もっとしっかりしようよ!」と叱咤するときもある。

でも、話を聞いて元気付けようとしても、娘はなかなか満足しない。
なぜなら、この痛みや辛さ、苦しみを、私が一緒に味わってないからだ。



娘は『共感』じゃなく『共有』したいのだ。

話を聞いてもらって、辛そうだな、と思って貰うだけじゃ、苦しみを理解してもらうだけじゃ物足りない。
恐怖や不安、痛みや苦しみを、私と半分分けしたいのだ。
かわいそうに……とか、そんな安っぽい同情はいらない。同じ経験をして、痛みや苦しみが半減してほしい、そして、経験を通して彼女の本当の辛さをわかって欲しいのだ…


      共感じゃなく共有


痛みは共有する事が無理でも、恐怖や不安、苦しみは共有出来ると思う。
「私はお母さんと一緒に頑張ってる。だから乗り越えられる!」と娘に思ってもらう事が、次の目標となった。

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