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エッセイ*しあわせは、ごはんが連れてきてくれる

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思い出はいつも食べ物と一緒に蘇る。あの人と食べたごはん。旅先で初めて出会った味。一目惚れした器。また行きたいお店。 そんな食まわりのあれこれの、ひそやかなつぶやき。
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#エッセイ

ありがとうの花束。

このnoteは主にお料理や食の事を書いているのですが、今日はちょっと離れて、昔話を交えながら。 「第2の人生のスタート」と書いた年賀状をいただきました。 会社員時代にお世話になったJさんからでした。 メーカーに就職し、配属されたのは広報室。20名ほどのこじんまりした所帯、若手社員のリーダーが当時副主任だったJさん。 小柄でスリムだけれどエネルギッシュな女性。 情が深くて、面倒見が良くて、頼まれると断れなくて、つい面倒なことも引き受けちゃう。 ご結婚されていたけれど、残業

自由に作るのは、楽しい。|レシピのない料理教室

10月の食事会も昨晩が最後でした。 あ、もう11月に入ってますけど、昨日は追加だったので。 これまではがっちり試作して、事前にメニューもご連絡して、だったのだけど、今回、実験的にメインだけ決めて、あとはお任せにさせてもらったら、私自身とても楽しかった。 もともと、料理はあるもので作る、というのが好き。 教室を始めた18年前は、事前にメニューを決めないと生徒さんも参加を決められないだろうと思っていた。 だから試作して、メニューを決めてから募集する、というのを続けていたら、

日々の糧としてのパン。|京都・農家パン弥栄窯

2年前の6月。 教室の生徒さん達と1泊2日の京都旅行に出かけました。 一番目の訪問先は、「富士酢」の飯尾醸造さん。 そう、京都といっても広うございまして、目指す飯尾醸造さんがある宮津市は京都駅から北に向かって、電車でも車でも2時間ぐらいかかるのです。 飯尾さんとこのお酢のことも書きたいのですが、長くなるのでまたの機会に譲るとして。 飯尾さんは、お酢屋の五代目であると同時に地域の旗振り役でもあります。 「丹後を日本のサン・セバスチャンに!」と願い、まずは飯尾醸造から、と東京か

バトンをつなぐ旅。

10月ももう後半。 夫は当たり前のように毎日出勤するようになり、私もぼちぼち仕事が動き出して、外出する機会も増え、少しずつ以前のような生活に戻りつつあります。 いや、本当はまだ完全には戻っていないのだけれど、よくなっていくんじゃないか、と感じられることが、うれしいんだろうな。 そんな気持ちになれた大きなきっかけが、9月の旅だったように思う。 会いに行く旅、と書いたのだけれど、どこに行くか、よりも誰に会うか、が重要だった。 料理学校時代の同級生や、親戚、両親もそうなのだけ

会いに行く旅。

連休、皆さまいかがお過ごしになられましたか? お出かけされたという方も多いでしょう。 私も久しぶりに西へ。 静岡→愛知→三重→愛知→京都→大阪という4泊5日の旅でした。 最終目的地は大阪の実家。 写真は実家からの夕景。 暮れゆく空、薔薇色の雲。 真っ赤な夕焼け。 実家に帰ったのは、お正月以来でした。 後期高齢者に突入した両親のことを考えると、迷ったのですが……。 元気で、食欲も旺盛で、ほっとしました。 父も母も、弾丸トーク!喜んでもらえたようです。 浜松のソース屋さ

人生の映画のエッセイ|バチカンで逢いましょう

今日は処暑。 朝晩は少し秋の気配も感じる……とはまだ思えませんけど、確実に季節は少しずつ移り変わっていますね。 我が家はまだ夫が夏季休暇をとってないこともあり、夏休み気分を味わえないままで、なんだか不完全燃焼です。 まあ、このコロナ禍ですから、気軽に旅に行けるわけでもなし、淡々と過ごす夏、ですね。 こんな時は映画でも観て、旅行気分を味わうのが一番! というわけで、今回は海外が舞台の映画です。 「バチカンで逢いましょう」 バチカン市国、私もずいぶん昔に行ったことがあります

うれしい手紙が届いた日。

手紙が届きました。 切手を貼った、手書きの手紙。 お仕事関係のやり取りはほぼ100%メール。 友人とのやりとりはSNSやメッセンジャー。 母とはLINE。 夫とはショートメール。 あ、請求書は郵便でくることもあるけれど、日常のやり取りはほとんどインターネットを介したものになっています。 和紙の、隅に小さく名字が入った便箋と鳩居堂の封筒。 さらさらと達筆で書かれたお手紙は、生徒さんのお母様からのお手紙でした。 81歳になるというお母様は、パソコンもiPadもiPhoneも使

ひんぎゃの塩のこと、青ヶ島のこと。

昨日、テレビをつけたら、知ってる方が。 あ、そうだった!放映されるってInstagramで告知されてた、と思って、慌ててじっくり見ました。 登場されていたのは、青ヶ島で「ひんぎゃの塩」を作るアリサさん。 友人の紹介で数年前に知り合い、「ひんぎゃの塩」の一押し商品、「ひんぎゃの水塩」を使ったレシピを考案する、というお仕事を引き受けました。 ほとんどはメールでのやり取り。 なぜなら彼女が住む青ヶ島は、八丈島のまだ南、伊豆諸島の島なのです。 アメリカの環境保護NGO「ONE G

今日のnoteは日記のようで、手紙のようで。

三連休。 世間的には、夏休みスタート。 全く休暇らしくない、サマーホリデー。 休暇は、仕事があってこそ休暇なんだろう。 私なんて3月から料理教室をお休みしていて(6月に再開したものの2回で休止)春休みと夏休みがくっついちゃったみたいなもんだから、なんとも茫々としている。 でも、今日はお仕事でした。 オンラインレッスン。 築地のタコ屋さんにお願いして、生徒さんのところにタコを送ってもらって、タコのラグーなどを作りました。 先週はタコのリゾット。 オンラインレッスンをはじめた

家族の映画のエッセイ|東京家族

8月に入って、そろそろ夏休み、という方も多いかと思います。 だけど、今年はいつもと違う夏。 在宅勤務が続いていたり、休みだからといって旅に出るのも憚られる。 なんかメリハリがつかないのですよね。 我が家も半年ぶりに大阪に帰省しようかと思っていたのですが、東京も大阪も感染者が増加している中、親の元に行くのはやっぱりやめておいた方がええんかも、となり、まだしばらくお預けになりそうです。 今日は、もしかしたらレシピよりも好評かもしれない映画エッセイ💦 第3弾は「東京家族」遠く離

食の映画のエッセイ|ジュリー&ジュリア

 前回の「武士の献立」に続いて、今日も蔵出しの映画エッセイを。 2015年11月に書いたものです。 初登場で自己紹介などしているのが、今読むとちょっと恥ずかしい。 料理好きな方にはおすすめ! それにしてもメリル・ストリープってすごい俳優さんです。 ********************************** 『ジュリー&ジュリア』(Julie & Julia)は、2009年のアメリカ映画。1960年代に出版したフランス料理本で人気となった料理研究家ジュリア・チャイ

食の映画のエッセイ|武士の献立

 4連休とはいえ、東京の人は不要不急の外出は控えてね、とまた言われてしまい、家で過ごすことになりそう。  我が家のテレビのチャンネル権(というのも古い言葉と思うけれど)は夫にあり、まあ、私はそれほどテレビに執着がないというのが本当のところなので、大抵は夫が選んだ番組を一緒に見ている、という具合。  実家では父が完全にテレビを支配していて、父がいる時はニュースかプロ野球かプロレス。それがなければアマチュアスポーツ。そのせいで、ええんか悪いんか、当時の有名選手やレスラーはほぼ分

パイナップルとマンゴーの冷製パスタもどき素麺。

「本当は怖い⁉︎noteレシピ」の一件はなかなか楽しかったです。 「町会役員の妻さん」の記事は「note編集部公式マガジン」のおすすめになったそうです! 私はFBもやっていますが、そちらは基本的に「知っている人」とつながっているので、お互いに、あー、〇〇さん、パン焼いたのね、とか、レッスン再開したんだ、とか、そういう近況報告的な感じ。 情報交換、という側面もあるかな。アップしたら、それどこで買えるの?とか、今度このお店連れて行ってー!とかね。 でもこちらnoteは、読んで

ゴーヤー×さくらんぼ。

好きな果物は?と聞かれて、何が頭に浮かびますか? 私は、うーん、いろいろあるけれど、バラ科の果物が好き。 桃、すもも、さくらんぼ、ネクタリン、あんず、プルーン。 無花果もマンゴーもはっさくも好きだけど、やっぱりバラ科だなあ。 まさに今、好きな果物が溢れております♡ タイトルの、ゴーヤー×さくらんぼは、お料理だと思った方もいるでしょうけれど、残念ながらそうではなくて、ゴーヤーは器なの。 数年前に、沖縄・壺屋のギャラリーで、あ!面白い!と思って手にとって。 お値段も手頃だった