食の映画のエッセイ|ジュリー&ジュリア

 前回の「武士の献立」に続いて、今日も蔵出しの映画エッセイを。
2015年11月に書いたものです。
初登場で自己紹介などしているのが、今読むとちょっと恥ずかしい。

料理好きな方にはおすすめ!
それにしてもメリル・ストリープってすごい俳優さんです。

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『ジュリー&ジュリア』(Julie & Julia)は、2009年のアメリカ映画。1960年代に出版したフランス料理本で人気となった料理研究家ジュリア・チャイルド(Julia Child)と、その全レシピを1年で制覇しようとしてブログに書く現代のジュリー・パウエル。二人の実話を基にした作品。ジュリア・チャイルドを演じたメリル・ストリープがゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


元祖カリスマ料理研究家、なのだ。

 はじめまして、いこまゆきこと申します。
お仕事は?と聞かれると、料理の仕事をしています、と答えていますが、料理研究家ですね?と聞かれると、途端に気恥ずかしくなって、いえ、その、別に研究だなんて、そんな大げさなことではなくて、ともごもご。
 実際「料理研究家」やら「料理家」なんてものは、資格がある訳ではなく、誰でも名乗ることが出来るのです。それで食べていけるか否かは別としまして。
 そんな料理研究家たちの目標のひとつが「出版」だったりします。ハイ、私もいつか自分の本を出せたらいいなあ、と夢見ていました。60歳までに叶わなければ還暦祝いに自費出版、なんて考えていましたから。

 それはいつの時代も変わらないのだなあ、としみじみ感じたのが、2009年公開の映画「ジュリー&ジュリア」。主人公のひとり、ジュリア・チャイルドは実在の人物で元祖・料理研究家とも言うべき米国人女性。2004年に91歳でお亡くなりになったのですが、外交官の夫に帯同してのパリ時代、著名な料理学校、ル・コルドン・ブルーに通ってフランス料理をマスターし、料理教室を開き、1961年にはフランス料理の本を出版。 アメリカの料理の母、とも言われ、テレビの料理番組を持っていた有名人です。そんなジュリアも、本を出版したいと奔走するもののなかなか実現せず……ついに出版が決まった時の喜びようったら!

 時代が下り2002年のNY、映画のもうひとりの主人公、さえないOLジュリーは、ジュリアの料理本の524レシピを1年間ですべて再現する!と宣言して毎日料理を作ってブログに掲載することで注目を浴びようと目論みます。ジュリーが目指しているのも出版なのですね。いくらブログで発信しても、読者が増えても、やっぱり本を出したいのねえ。彼女の場合は、料理研究家として、というよりも物書きになりたい、そのための手段として料理を選んだ、というのが正しいのですが。 でもジュリーもジュリアも食べることが好きで「料理に救われた」というのは共通点。そして応援して支えてくれる夫がいるというのも同じ。ま、これは私も一緒かな。

 ジュリアを演じるのは、名女優メリル・ストリープ。もうね、ご本人にそっくりなのです!テレビ番組のシーンなんてジュリアが憑依しているのでは、と思うほど。ネットで過去の番組の動画を見ることが出来るので、ぜひチェックしていただきたい。盛りあがること間違いなしです。

 そしてなんと言ってもこの映画の見どころは、料理や食事のシーン。アスピックからブフ・ブルギニヨンまで、伝統的なフランス料理が登場します。美味しそうに完成するものもあれば、無惨な姿のものも(笑)。ジュリーやジュリアが仲間と一緒に食事をするシーンなどは、ホントに楽しそうで。見終わった時にはきっとお腹がすいて、大好きな人とごはんを食べたくなるはず。どなた様もどうぞ素敵な食卓を、ボナペティ!

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