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つれづれエッセイ

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創作関連覚書だけど、おそらく書評とかネトフリ感想とかも入ってくる、そういったもののまとめ。
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#読書感想文

哲学の本

哲学の本

タレブの『反脆弱性』面白かった。

哲学の書籍だ。

考えてみれば、そうだ。という話が羅列されてて、何度もはっとさせられる。しかも、実践が簡単。ただの心がけの話だからだ。

たとえば、数学の理論を極めたからこそ、幾何学的な建物を建てることが出来る、と考えがちだけど、実際その幾何学的な建物を建てた職人は、たいてい数学なんか知らない。

発明のほとんどは大学の学者ではなく現地の職人がやってる。理論じゃ

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安冨歩『満洲暴走』読書感想

安冨歩『満洲暴走』読書感想

安冨さんの書籍、そこそこ読んでるんだけど、満洲関連はこれが初めてで驚愕した。こわい。震え上がるほどに。

なにが怖いって虐殺事件の詳細が怖い。平頂山事件だ。すごーく簡単に説明すると、

満洲国を作るにあたって中国のゲリラにしてやられた腹いせに、日本軍部が3000人もの罪もない村人を虐殺し、事件隠蔽にあたってダイナマイトで山を崩して村ごと消滅させた。

という事件で、検索してもものすごい白骨死体の山

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WEBTOON『トーテムの領域』感想

WEBTOON『トーテムの領域』感想

あまりにも面白すぎてつい感想イラストまで描いてしまった。

すんごい面白いエロいWEBTOONを見つけてしまった。なんじゃこりゃ。

まだ連載途中で、いいところで終わってて泣きそうになった。主人公セラが謎の異世界に迷いこんで争奪される話。20歳でなにもしらないマッチョ青年・シャーカを性的に仕込みつつ自分も守ってもらう、というすごい話だ。こんなかんじでほとんどずっと半裸。セラがけっこうサバサバした性

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『デジタル・ファシズム』読書感想

『デジタル・ファシズム』読書感想

何か月も書店のベストセラーの棚を飾っている書籍だ。

↑この話はとても大事だ。なにしろ、すごいベストセラーなんだ。本屋さんでもずっとトップクラスに売れている。もちろんAmazonでもトップクラス。今のところ15万部ほどなんだけど、とにかく政治哲学ジャンルでは売れに売れている本なんだ。政治関連に興味があって堤未果を知らんやつはモグリだと思う。

堤未果さんはアメリカ貧困問題の専門家だ。ショックドクト

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『手作りのアジール』読書感想

案の定、内田樹臭とべてる臭がすごい。

いや、けなしてはいない。ただどっちもすごくなじみ深いからだ。

新自由主義って言葉をこのnoteで100回は言った。この言葉はジェンダーとか家父長制とかに似ている。社会学をかじった人間ならばどっちもよく知ってて学術用語だし、自分と似たようなタイプの周囲のひとたちはみんな使ってるから「知らないひとなんかいるの??」みたいな勢いなんだが、社会学かじったことがない

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『アフターバブル』読書感想

『アフターバブル』読書感想

忙しくて動画作れないでいるけど、仕事中、ラジオみたいに本を読み上げ機能で読んでいる。この本面白かったから、感想ちょこっと書き留めておく。

私はアフターコロナの本を読むのが好きで何冊か読んでるんだけど、この本のバブルの話が興味深かった。資本主義って基本的にバブルの繰り返し、という話。言われてみりゃあそうだな、と。ただそれだけなんだけど。コロナ関連の経済への影響は限定的で心配いらないってさ。一度がつ

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『99%のためのフェミニズム宣言』読書感想

最初に言っておくが、私は学者さんと比べたらめっちゃ無学だ。フェミニズムの本だってそんなにたくさんは読んでない。20年ぶりに最近ようやっと菊池夏野さんの本を読み始めたところかな。20年前は小倉千加子さんとか上野千鶴子さんとか北原みのりさんとか藤本由香里さんとか斎藤美奈子さんとか読んでた。特に上野千鶴子先生は専門用語が多くてよくわかんないから、上野先生の本を読むためだけにカタカナ語辞典を買ったのを覚え

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生きる力

生きる力

内田樹の『日本習合論』読了。

ひっさびさに読みました内田樹。10年以上前に私はすっかりタツラーであった。その前はカツマー。ヤストミラーもあるらしい。作家読みするタイプです。

といっても内田樹さんの本大量に出すぎてて全部は読んでないのですが、10数年前に読んだとき、「『生きる力』に関していつも書いているひとだな」と思っていた。今回の本もあいかわらずなかんじ。

最初のほう、アジールという概念につ

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『小商いのすすめ』読書感想

『小商いのすすめ』読書感想

twitterでこの記事が流れてきて、ふと読んだら、あれ、これ小商いの話だ、と思った。

小商いって言えば平川克美さんだ。そう思い出して本をぱらぱらと読みなおしてみたところ、そのまんまだ。

https://www.amazon.co.jp/-/en/%E5%B9%B3%E5%B7%9D%E5%85%8B%E7%BE%8E-ebook/dp/B08FBWB7WD/ref=tmm_kin_swatc

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『パンデミックを生きる指針』記事の感想

『パンデミックを生きる指針』記事の感想

なかなかうまく感想が書けなくて、何度も何度も書きなおしている。トラウマが関係しているから、とても書きにくいし、決まらない。

この記事面白くて何度も読んでしまった。知性や教養のあるひとって、ひとを救うなあって思っちゃった。息をするのが楽になった。みんなに読んでいただきたい。

ところで、私が最近やったら書くのは、ストレスがたまると書かずにはいられないタチなんですよ。駄文を!普段から大量に書いている

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『魂の脱植民地化とは何か』感想

『魂の脱植民地化とは何か』感想

文化的洗脳がセクシュアリティを含めた極めて個人的な人生を縛ることはよく知られてるのだけど、植民地主義というか敵対貿易というか、国と国の関係というか、貿易のありかたが個人的な人生を制約することはあまり知られていない。

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