『99%のためのフェミニズム宣言』読書感想


最初に言っておくが、私は学者さんと比べたらめっちゃ無学だ。フェミニズムの本だってそんなにたくさんは読んでない。20年ぶりに最近ようやっと菊池夏野さんの本を読み始めたところかな。20年前は小倉千加子さんとか上野千鶴子さんとか北原みのりさんとか藤本由香里さんとか斎藤美奈子さんとか読んでた。特に上野千鶴子先生は専門用語が多くてよくわかんないから、上野先生の本を読むためだけにカタカナ語辞典を買ったのを覚えている。その程度の知識しかないから、マルクス主義フェミニズムとかどっからどこまでなのかよくわからないし、そもそもマルクス読んだこと無いし。全然専門じゃない。かじった程度だ。

そもそも20年前になんでそんなにフェミニズムに興味があったかといえば、やおい論が当時大学生の論文で流行してて、やおい論はジェンダー論の一部だった。私はBLでデビューしてTLに移行する周辺、ものっすごい自分の漫画のことで悩みを持ってて、その行きつく先がジェンダー論だったんだ。そこからジェンダーとセクシュアリティに20年以上関わって仕事をしたけど、あくまで現場の人間であって、学問の専門家じゃない。ただの現場の職人。

新自由主義を調べ始めたのはここ6年で、その延長線上で新植民地主義も調べていた。ジェンタイルシオニズムとの関係とかも。

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堤未果さんは、これこれこういう理由でヒラリーが負けてトランプが勝つだろう、と、言ってたんだけど、「これこれこういう理由で」の部分がこの本だ。数年後、ナンシー・フレイザーも同じ話をしてたのを知って、ふたたびフェミニズムに興味を持ったんだ。ちなみに堤未果さんはアメリカのショックドクトリンの専門家。

私、エロ漫画描いてるその辺の野良仕事のおばさんだからさ。学者さんの言ってることがなんかちがうかんじがする、だなんておそろしくて言えないし、新自由主義に飲み込まれた後の社会構造の変化とそれにともなうフェミニズムの変化、みたいなのを、どう反論したらいいのかもよくわからなかったので、だからようやくこういう本が専門家のかたから出てくれてほんと良かったなって思います。

いままで、ジェンダーレスとジェンダーフリーの選り分けがあいまいなのも、ものすごい気になった。たしかに社会学と政治哲学じゃレイヤーが違うけど、そんな学者さんが見えなくなるほど違わないでしょ。新自由主義だってショックドクトリンだってYoutuberの若い子が言ってるようなありふれた話だし。マイナーではないはず。この辺への強烈な違和感は、たぶん私だけではない。ちょっとフェミニズムかじっただけのひとのほうが、逆に感じてたのではないか。

たぶん上野先生とかすごい古株の教授たちは知っててあんま言わなかったんじゃないのかなあー?まあお仕事だといろいろありますよね。我々ただの通りすがりのド素人なんで好き放題言えるし。

新自由主義の影響によるフェミニズムの変質に関して、夏に私の拙い言葉で一生懸命説明していたので、それもあわせて置いておきます。でもなんか今読むとおかしいので、やっぱり専門家の本を読んだほうがいいです。💦今のままだとフェミニズムと新自由主義が混同されやすく、危険な形でバックラッシュが起こる可能性があり、それはフェミニズムにとって良くないことだろう、とじんわり気にしていました。



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