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自分で読み返したい日記

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#コラム

喜んでもらえること

喜んでもらえること

昨晩、私生活が混乱している友人と久しくボイスチャットをした際に「そういえば君は絵を描くと言ってばかりだが、その絵を見たことが無いぞ」という指摘を受けた。耳が痛いどころか、みぞおちにパンチが入ったような気がしたがそれもそうである。それにあまり機会が無かったので、先月から描き始めた絵も見せていなかった。

過去の自分であればそれこそ商業に出すことができない絵など他人に見せることは無理だと考えていたが、

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侵食

侵食

一般的にゲーム内の話などは遊びの範疇であるという評価をしがちだが、この日本コミュニティを観測しはじめて十年以上にもなると、それなりに見えてくることもあるものである。

最近のMMORPGにおけるプレイヤー層の変容には、自分なりにも気づいていたつもりだったのだが、どうやら私の想定以上にリアルに起きているような(ゲーム外にいる生身プレイヤーが生活する場所)歓迎できぬ社会通念が捻じ込まれてきていると認め

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何もない空というもの

何もない空というもの

露天風呂にいきたい。温かい湯の中から空を見上げたいのである。何もない空を見ながら「今日の空も何もないな」とそのまま見たことだけを受け止める時間が、個人的に必要なのだ。私の言葉で端的に言えば「平和だなあといいながらぼんやりしたい」とも言える。

ニュースフィードにも「戦争」という二文字が浮かんでは消えていく。記事には一般市民が軍人から武器の取り扱いに関するレクチャーを受けていたり、または外見的には普

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文字通りの場外乱闘

文字通りの場外乱闘

「なるほど、そうだろうなあ」と某ゲーマーの話題を読み、甘いアップルティーを飲みながら渋い表情をしてしまった。本来なら他の論客が喧々囂々と議論をしているのでそっとスクロールしてしまうのだが、私はそれでもゲームのコミュニティが気に入っているので、少しだけ書こう。

対戦仕様を好むゲーマーのなかには「煽り合いプロレス」という暗黙の了解(これが今回スラングという表現で説明されていた)が一部にある。特にそう

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「みんな違っていい」ことの結末は

「みんな違っていい」ことの結末は

UNESCO憲章にある一文を大変気に入っている家族がいて、有事の際になると「人の心の中に平和の砦を」と話をはじめるのだが、去年からクーデターや紛争が続いているからその回数も増えていた。

お決まりセリフが来たなと思いつつ、それぞれが想像している「平和」を築こうとしたならば、その一文を文字通り受けとる素直な人ほどに強固な態度になりがちではないかと考えていた。そしていつから「平和」自体が、全ての人にと

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超物憂いと桜と

超物憂いと桜と

今日ばかりは物憂い雨の日と感じる。そして水曜日以降、急に寒くなった。窓ガラスや家が破壊された地域を思う。こんな時に限って雪が降りそうな位に寒くなることはないだろうにと少し恨めしい。

自由な選択肢がたくさんある人からすると「そんな危険な土地に住み続ける人がわるい」そうだが、毎年のように起きる地震で家や家具、転倒した墓を毎回のように修繕をする人達がわるい(自己責任)とか、愚かだとは私には思えなかった

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Juvenile

Juvenile

街路樹として植えられている銀杏がすっかり緑から金へかわっていた。何かへの反応が億劫な朝の通勤だがそれだけが少し気になる。同時にカラーリングのせいでちょっとガサガサとした自分の前髪が、朝日によって更に金糸のように、銀杏と同じ色に透き通って視界を遮っている。光源の面白さが勝り、ものぐさな私はそれをそのままにした。

最近、なにかに反応することが億劫になっている。抗うことだったり、同じ話題の新鮮さのない

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