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写真家、田舎に住む Vol.2 Iターンの仕方

会津に住むことが決まるまで

マガジンの最初なので、どうして私たちがここに住み始めたのか、そして住むことに決まるまでを触れておこうと思います。

一体どうやって移住先決めるの?よくわからんし、まあ、じっくり考えるのはまた余裕ができてから…とかなりの間、重い腰がなかなか上がらなかったのです。

私たちが移住した会津は、縁もゆかりもないところなので、いわゆるIターンですね。生まれ故郷(Uターン)とか、親や深い知り合いがいたり、これまでになんらかの形で深いつながりがあって、とかならその流れで家を探したりできるかと思いますが、あまりつながりがない場合どうしたらいいか。

しかも最初から会津限定で探したわけではありません。特に「絶対ここ!」というところがあるわけではなく漠然と「程よい田舎…」などと思っていた感じです。全部で3県に渡ってかなりの場所(自治体)を回りましたが、どこも強いつながりがあるところではありません。

なので全て突撃で回ることになります。

情報仕入れて役場に突撃

とにかく、役場にアポなしで突撃しました。それでも大概どこでもしっかりと対応してくれます。なぜなら今は大きな自治体、黙ってても人が増えるようなところ以外どの自治体も非常に移住を推進しているから。移住してくれそうな人が来たら、即お客様対応です!もちろんその時たまたま人員が足りないということもありますが、説明や制度を話していくれることくらいは100パーセント。すぐに車を出して街を案内してくれたり、空き家を案内してくれるところもありました。

もちろん、事前にアポ取った方が時間を有効に使うことができますが。私たちはちゃんと訪れたこともない場所を巡ることが多かったので、とにかく行って肌で雰囲気を感じてなかなか良さげだなと感じたら役場に寄って話を聞く、というパターンが多かったです。

自治体の対応の差

どこも親切に対応していただきましたが、自治体で差があるところもあります。パンフレットや移住関係の書類を一式いただいて少し話をしてサヨウナラ的なところから、「今から時間ありますか?街を案内します!」とグイグイ来る(来ていただける)ところまで。その辺は各自治体の移住への気合いの入れ方や、小さな街でも全国的に移住人気があるなしに結構関わっていると思います。移住人気がある程度ある街は、黙っていても首都圏などから結構移住者が来ますので。

具体的には、私たちは宮城県南部(蔵王の麓とかあのへんですね)、長野県諏訪地方(実家に近い八ヶ岳の麓辺り)、長野県佐久地方(浅間山の麓辺り)、福島県会津地方(磐梯山の麓辺り)です。

ああ、全て何かしらの山の麓ですね…

そう、どこでも選べる中で私の中でも、山に囲まれている、雪が降る、蕎麦がうまい、素敵な温泉がある、という「山、雪、そば、温泉」という希望条件は一応持っていたのです。

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(会津巡りの途中。海じゃありません、猪苗代湖!夏には湖水浴客で賑わいます)

奥に行けばいくほど増えるものが!

奥に行けばいくほど増えるもの、それが補助金です。会津で言うと結構わかりやすいのですが、会津地方は一番大きな中核都市の会津若松市が一番発展していて便利。さらに会津若松市も含む会津盆地内の街は若松にも近いしまあまあ便利。会津盆地から東の猪苗代周辺も大きな都市の郡山や若松にも遠くなくてそこそこ便利。一番不便なのが奥会津と呼ばれるところ。会津盆地の南と西側は面積はかなり広いですが、そこはもう全て山。冬には雪がわんさか降ります。交通の弁は最悪です。それが奥会津。

今各自治体は移住者を引き込むべく、様々な支援(補助金)を用意しています。それが例えば会津では奥会津の奥へ行くほどその額が増えていく感じでした。便利な場所から遠くなるほど、補助金額だんだんと上がっていくイメージです。全てを調べてないので正確にはわかりませんが、いくつか回った中では現実的にそうでした。

奥へいくほど不便でもちろん人は集まらない。そこに来てもらうように補助金もたくさん用意する。もちろんお金だけで引き込もうとしているわけではありません。その土地、その街ならではの特産や文化を売りにして、多くの自治体が魅力を高めるべく頑張っています。奥会津の多くの自治体も本当に頑張っていると回った中では感じました。

ある村では移住の相談にきたことを聞きつけた村長が自らご挨拶に降りてきて、タダで買える素敵な民家がいくつも紹介してくれる…結局その村には住まない事になってしまいましたが、逆に本当にすみませんって思ってしまいます。

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(奥会津は山の中)

 家、決まる

たくさんの場所を回った私たちですが、最初から場所の決定打もなかったことで逆に困りました。ここに住みたい、と思った場所はいくつもありました。しかし「住む」事は複数選択は絶対できないものです。どこかひとつに決めなければいけません。自由度が高すぎる私たちは逆に困ったのです。

それでも今住む会津美里町の家に決めたのは、タイミングと物件と妻の意見が大きな要素だったと思います。

タイミングというのは、会津を全て回ったのが長女が小学校に上がる半年前だった事。いろんな場所を巡って時間的にリミットとなり、たまたま回る順番が会津が最後だったのです。最後の方が印象がはっきりしていたり、気分も多分盛り上がっている…多分その偶然も多少あると思います。

そしてたまたまかなり希望通りの良い古民家が会津美里町で売りに出たばかりだった事。私たちは雰囲気のいい古民家も重要だったのですが、たとえ街が気に入ってもいい物件があまりないところもありました。新築や、家にこだわりがなければ別ですが。中古物件は本当にタイミング次第なので、数年単位でいい物件が出るまで待つ方も多いらしいです。でも私たちにはリミットがあったので、今ある物件で探すしかありません。

また、実は妻がパン教室を主宰していることも大きな理由の一つ。パン教室をやるからには生徒さんがあまりにも通いづらい、集まりづらいところは難しい。田舎と言っても隠者のように山奥…というわけにはいかなかったのです(私は隠者でも良かったのですが)。なので、人が通えるまでの程よい田舎、ということが条件になります。幸い会津美里町は会津盆地のギリギリ西端に位置し、その条件を満たしていました。

色々理由はありますいが、決定打は妻の意見です。私は「超」のつく優柔不断なので、ひとりで判断してたら今も決まってない気がします(笑。家と町の雰囲気が気に入った妻がかなり推したので、ようやく決まりました。

思い起こせば、漠然と思っていた頃からずいぶんと長く時間がかかりました。「娘の進学までには決める」というリミットを決めなければ、絶対にだらだらと時間が流れるだけだったと思います。切羽詰まった出来事がある以外は、条件や目的を決めてリミットも決めて重い腰を上げる、じゃないと決めることはできなかったなあ。

会津が候補の一つに上がったのは「山、雪、蕎麦、温泉」意外に、写真家として惹かれるものが15年前からあったから。新聞社での3年間の東北担当時に東北の魅力を知りました。東北の中でも、会津には素晴らしいものがたくさんあるのです。15年越しの思いをいつか形にできたらと狙っているのです。

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