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2021年の100冊 #23 「トヨタ式『改善』の進め方」(若松義人)

世界共通語になった「カイゼン」。バングラデシュ人のスタッフが、「カイゼン」に興味があると言っていたので、読んでみることにしました。

2021年の100冊、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始。ログはスマホで15分で書き上げることを目標にしています。

2021年2月26日、23冊目はこちら。

製造業の基本だそうなのですが、意識したことはありませんでした。何を持ってカイゼンと呼んでいるのかも知らなかったです。

何を持ってカイゼンと呼んでいるのか

改善の方法として、「5S」「なぜ5回」「ムダをなくす」とか、工場ならではの「ジャストインタイム」「コストハーフ」「リードタイム短縮」とか、色々手法は載ってます。

それよりも、改善とは、「カイゼンする意識」そのものなのだろうと思いました。

この本には載っていなかったのですが、この10カ条はカイゼンの精神を表す上でわかりやすかったです。

【カイゼンの基本精神十ヶ条】
1.造り方の固定概念を捨てる
2.出来ない理由の説明より、やる方法を考える
3.言い訳をするな、まず現状を否定する
4.良いことは直ぐにやる、悪いことは直ぐやめる
5.パーフェクトを求めず、60点でも良いからともかく進める
6.誤りはすぐその場で直す
7.困らなければ“知恵“が出てこない
8.真因の追求 “なぜ”を五回繰り返せ
9.1人の“ひらめき”よりも、10人の“知恵“
10.改善は無限である

”カイゼン基本のき”的な本ではなく、体系的なことがあまり書いていなかったので最初はわかりづらかったのですが、読むにつれ、「この意識を持っていると、仕事をする上での思考がぜんぜん違うなぁ」ということがわかってきました。

例えば以下のような考え方です。

・ミスは「あるもの」ではなく「ゼロにできる」
・ムダは「仕方がないもの」ではなく「なぜあるのか」を考える
・在庫は罪悪
・知恵を止めない、満足しない
・半減、半分、2倍など高い目標を掲げて積み上げる
・昨日より今日、今日より明日

現状に満足せず、50年もカイゼンを続けているのがトヨタの強さなんだそうです。

ソフト面が大事

何より大事だと思ったのは「カイゼン」を推進する上でのソフト面。つまり人です。

やっている人は現状がいちばんだと思っているし、慣れたやり方を変えることはそれだけでエネルギーがいるし反発も出ます。何ヶ月も続いたとしても、8割の社員が協力していたとしても、担当が変わるとストップするようでは浸透していないのだそうです。

そこで大事になるのがトップの本気度

「トップがあれだけ熱心だと、誰も『改善なんかやめましょう』とはいえません。結局はトップの熱意に引きずられて改善を続けることになりましたが、今はそれが良かったと思っています」(p.149)

これ、ありそう。

なぜ変えなければならないのかを熱心に説明したり、トップ自ら現場やうまくいっているところを視察に行ったり、失敗を恐れることなく即実行に移す風土をつくったりすることが、いいトップダウンを機能させる方法です。

逆に、こうなるとうまくいきません。

・「やれ」と言っただけで自分がやらないのは、現場は見ている
・現場に足を運ばないことも、本気度は伝わる
・「成果を上げろ」とトップが焦ると形骸化する

「改善をしてください」と言っても、「そうそう無駄は見つからない」と言われてしまいます。知恵を出し続けることの重要さを全員が理解し、言われたことをやるのではなく主体的に意見が出ることを促すことが、強い組織をつくるのでしょう。

最も大切なことは「人づくり」であり、人を育て、育った人が改善のサイクルを回し続ける会社をつくることこそが、改善の本当の狙いと言える。(p.216)

熱意をもってやりきることと、知恵を出し続けるチームをつくることが、カイゼンの肝であり、カイゼンにおけるリーダーの役割であると感じました。

(note ログ45分)


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