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記憶の街へ

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50歳過ぎると、記憶の街から、出会った人たちが遊びに来ます。 彼らとの思い出話を書き留めてみました。
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2024年9月の記事一覧

【記憶の街へ#13】たい焼きの陰謀と15の夜

【記憶の街へ#13】たい焼きの陰謀と15の夜

(1555文字)

1984年、中学2年生のボクたちは、なんとなく宙ぶらりんだった。
2学年上までは、ボクたちの中学校もご多分に漏れず荒れていた。
校内暴力は当たり前だったし、ガラスは割れていたし、トイレに入れば先輩がタバコを吸っていたし、焼却炉の裏でシンナーを吸っている先輩に口止めされることも多々あった。
授業中の校庭には卒業生がバイクで入ってきて走り回ったし、卒業してすぐ、まさに新卒でヤクザに

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【記憶の街へ#12】影の向こうの彼女

【記憶の街へ#12】影の向こうの彼女

(2074文字)

高校を卒業してしばらくバンド活動をしながら、アルバイト生活をしていた。
それに見切りをつけてデザインの専門学校の二部に入学したのが22歳のとき。
ボクのようにアルバイト生活からデザイナーを目指すやつもいれば、高校卒業してすぐに入ったやつに、大学を卒業してから入ってきたやつもいた。
年齢はバラバラで、それが逆に刺激的で面白かった。

ボクはプロダクトデザイン科だったが、一年生の半

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