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【エッセイ】テレワーク時代の”職場”の存在感

”職場”の活気とはなんだろう?

在宅勤務が、半ば強制的に増加した今の職場でふと考えさせられる。
職場に出勤してもほとんどの人がいない。
出勤して席についてみるが
始業時には、チャットがPCの画面で飛び交う。


テレワークの環境などが十分でなかったり
DXという名のコンピューターにとっての合理化・効率化が
進んでいなかったりする職場だと
感染リスクを感じながら、感染対策を取りながら
出社する働き方をする人たちも多いだろう。

逆にテレワーク環境が十分に配慮されて
DX推進もそこそこ進んでいる
ある意味優良な職場だと
感染リスクをとって、感染対策として
在宅勤務が中心の働き方に変わった人たちも多い。


人間にとって本当に働きやすい”職場”とはどんなものなんだろう。
単にコンピューターにとっての合理化・効率化を進めると
かえって人間にとっては、働きにくい”職場”になってしまう。




10年ほど前
協力部署の先輩マネージャーに教わったチームワークの秘訣がある。
そのプロジェクトは、私の部隊のメンバーと協力部署のメンバー間で
仕事のなすりつけ合いになり、喧嘩するほどではないが
うまく仕事が回っていなかった。

「結局、声の届くところに皆が集まって、仕事をするだけでチームワークが出来てうまく仕事がいくもんや」

「うちの担当で専用席をつくったから、いつでもここに来て仕事していいから!」


その会話をきっかけに、私の担当の協力メンバーは、その担当の空き席に、週に何度かお邪魔するようになって、そのプロジェクトは結束が強まって大成功をした。
本当に”声の届くところ”に集まるだけで、これほど変わるものかと驚いた。





もっと若かりし頃、担当者時代。
協力部署に仕事のお願いをする際は、必ず出向いてその担当者の席の近くまでいってから話をするようにしていたことを思い出した。


私が、あまりにもよく出没するもんだから、ちょっと顔を出すだけで

「うわ〜、なんか気配を感じたと思ったら!やっぱりきたか〜!
 今回はどんな難題を持ってきたの〜!」

と面白おかしく、よく言われたものだった。

当時の私はとんがった営業で
無理難題やトラブルを持ち込む常習犯だった。
その部署とは喧嘩もたくさんしたけれど
必ず敵陣に出向いて相談をしていたこともあって
本当によく助けてもらった。



異動する時、その部署に挨拶に伺った際
一番お世話になったマネージャーに言われた一言が思い出された。

「お前はこうやって来るだけで、周りを明るく楽しくする存在感があるから、新しい職場でも元気にがんばってな!」


それから新しい職場になり、その一言が”自信”になり
今までみたいに、口うるさくマネジメントをするのではなくて
いかに”存在感”を出して
風通しのいい明るい職場をつくっていこう、と取り組んだ。
じっと我慢をして部長席にいることも大切なことだと学んだ。





時代は不可逆的に変わってしまう部分はあるだろうけれど
DXを人間中心に捉え直した時に
全ての合理化・効率化するのではなくて
コンピューターにとって非合理的で非効率的でも
人間中心に残さないといけないことはたくさんある。


”職場”の人間同士の距離や
皆が持つ「存在感」をどのように表現していくのか
大切なことだと、在宅勤務でなくなったいま、つくづく感じる。


ニューノーマルな時代とか、流行り言葉で片付けないで
新しい”職場”に向き合って、「存在感」を考えていきたい。



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「NeWork×note」投稿コンテスト応募作品
#あの会話をきっかけに


©️Mahalopine




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