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何かの達人だとしても、他の分野の事は分からないのが自然

世界の事は私は知りませんが、日本だと、テレビ番組のコメンテーターとして芸能人のベテランや、有名アーティストなどに世界情勢や政治の事、医療の事などを語らせますが、ああいうのはあまり意味が無いと私は個人的には思っています。まあ、ああいうのは台本があるようですが。

ある分野が高度になればなる程、細かく分野が別れ、それぞれの専門職が出来、幅は狭く、しかし深度は深くなる傾向があるわけですが、それはどの分野でも同じではないでしょうか。

ですから、例えば伝統工芸の大産地だと加工の段階のそれぞれに専門職がいて、自分が直接手掛ける事以外はあまり知らないという事は良くあります。勉強家の人の場合は、同業異分野に対する深い知識を持っていますが、それを自分が出来るわけではないという事を理解していますから不遜な所はありませんが、キャリアが長く自分の仕事に承認欲求に絡んだ自負が出てくると不遜になり、自分は何でも分かると思い込んでそのような態度や発言をし、知らず恥をかいている人も多いものです。

かといって、専門家ならその分野において何でも信用出来るかといえばそうでもなく、専門バカという言葉があるぐらいですから、視野が狭くなり、その本業の事でも微妙に的外れな人もおりますね・・・

そのように色々あるわけですが、

私は、購入する側として「ああ、同じ分野でも少し違うだけで分からなくなるものなんだな」という体験をした事があります。

私は一時期、素晴らしい製品を製造販売する日本のガラス食器の会社から、個人としては多めに購入している時期がありました。

何度かそうしていると、その会社から購入したガラス食器の荷物に作家もののガラスの器がお礼として同封されていた事がありました。

が・・・申し訳ないのですが、その作家もののガラス作品が物凄くダサくて下手くそで「どうしてあんなに素晴らしいガラス食器のプロダクト品を生み出す会社が、こんなにどうしようも無い手作り作品をお礼として顧客に送るのだろう?こんなものなら、御社の試作品や訳あり品を送ってくれた方がずっと嬉しい!逆効果にしかならないじゃん!」と驚いたのでありました。

私はその出来事で、人は、そして人の集団である会社は、何かひとつ素晴らしい事が出来たからといって自分の得意分野の隣の事であっても分からないものなんだな、と理解出来たのです。これは私も(更に)気をつけなければならない事だと思いました。

もちろん、こういう事は良く起こる事でもあるのですが、そのガラスメーカーさんは本当に素晴らしい製品をつくるのにそういう事をされたので、より強く印象に残ったのです。


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