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繰り返し読みたい現代の話

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時事問題として取り上げましたが、現代の問題の基礎知識等を書いています。
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#中国

すれ違いの米中関係 その1

絶妙な2024年台湾総選挙
2024年1月台湾での総統選挙は与党・民進党、第一野党・国民党、第二野党・台湾大衆党の党首による三つ巴でしたが、反中派と呼ばれる中国警戒派、親中派、とその中間としてよく政策の違いを説明されていました。親中派とその中間が、野党として統一候補に絞ることができれば、政権交代もあり得ましたが、統一できずに与党が総統選を制しました。その一方、立法院では与党が過半数席を失い、いわゆ

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静かに進行するBRICS+

中ロの世界構想:BRICS+
先日、岸田首相がウクライナを電撃訪問する同タイミングで、中国の習近平総書記がロシアを訪問しました。世界の注目が岸田首相に逸れてしまった感がありますが、世界全体からすれば、中ロのこれからの意図を読み解く方が重要です。その声明には、彼らの新しい世界構想がおぼろげながら表現されているからです。

中ロの世界構想に関する指針*は、以下の通りです。
・国際法を遵守し、機能不全の

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SCOサミット会合から視る多極化世界(2022年9月執筆)

SCOは中央ユーラシア町内会
今年9月中旬に上海協力機構(SCO)のサミット会談があり、話題になりました。日米欧の悪の権化的な扱いを受けているプーチン大統領が出席し、加えて中国の習近平総書記とのサミット会談がありました。その時は中露の結束だとか言われましたが、実際にはどうだったのでしょうか?

このSCOという組織は、元々冷戦終結後中国と旧ソ連の衛星国であった中央アジア間の国境付近での治安維持につ

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危ない米中関係

アメリカに根強い反中国感情の根源?
バイデン政権発足後、米中間のオンラインサミット会談の直後にアメリカ側が突然中国を挑発する行動を起こすパターンが見られます。前回はクアッド(日米印豪戦略対話)&オーカス(米英豪軍事同盟)発表、今回はペロシ下院議長の訪台です。これまで米台間では現職実務者レベルの官僚交流以上はしないことになっていますから、影響力の大きな現職政治家の訪台はタブーです。(決していいパター

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