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エリートではない自分が、国内のMBAで学び、感じたこと


34歳の時、思い立ったように国内のビジネススクールに入学し、2年間でMBAを修了しました。そこからの気づきをシェアしたいと思います。

はじめに。

当時、私はマーケティングの領域で、プロモーションのプランナーとして、文字通り第一線で活動しており、強いやりがいをもってしていましたし、マーケティングの領域においては、そこそこの知識をもって仕事をしていました。しかしながら、仕事へのモチベーションが高かったゆえに、さらに重要で影響度の大きな仕事をしたいと考えるようになり、事業戦略など、経営全般における高度な知識やさらに高度なスキルを身に着けるべきだと考えるようになっていきました。それが入学の動機となりました。そのころ盛り上がり始めていたスタートアップや意識の高い友人が社会人大学院などで学び始めていたことも刺激になったと思います。


国内のMBAでも250~350万円くらいは学費がかかります。私は、決して高給取りではなかったので、もちろんその負担は大きいものでした。しかし、それ以上にチャレンジしたいと言う気持ちが大きく、純粋に「楽しそう。」という気持ちが大きかったのを覚えています。半ば趣味のようにも感じていました。たいそうな海外旅行に何度もいったり、クルマを買ったりする趣味のコストと比べれば、それほど高くないなと感じるようにもなり、とにかくワクワクする気持ちでいっぱいでした。


私が通ったのは、ビジネスブレークスルー大学院(通称BBT)です。日本初のMBAが取得できるオンラインのビジネススクールです。有名コンサルタントである大前研一氏が代表であり、立ち上げた学校で、今でこそオンラインが隆盛ですが、それを2000年代前半にスタートしていることには、先見性やイノベーティブな精神を感じました。さすが大前先生です。とはいえ、決め手は一番安くて、オンラインで便利だったからです。
オンラインといっても定期的にオフラインのスクーリングはあるし、リアルな場での交流は盛んです。そこで出会った友人たちとは、深くつながっています。また、逆に、授業の意見交換は、専用のオンラインシステム上でテキストベースで行われるため、その内容は全員に注目されます。つまり、しっかりとした内容のあるコメントでないと、厳しい評価がされてしまうのです。これがプレッシャーにもなり、深い調査や考察が必然的に求められるしくみになっているのです。


どこのビジネススクールでも共通だとは思うのですが、2年で単位を取り切るためには、平均1日3時間程度を使う必要があり、仕事をしながらとなると、かなりハードになります。宿題の提出期限前夜に、出張先で作業ををしながら寝落ちしてしまい、宿題提出できずに単位取得が危なかったこともありました。

そんな厳しい環境でしたが、公私にわたり濃い2年間を過ごすことができました。ここでは、MBAプログラムを通じて、得られたこと、学んだこと、感じたことをお伝えできればと思います。


志の高く、頭の良い人達との出会い。

最も大きな価値のひとつは、志のある素晴しい人たちとの出会いだったと思います。当然、MBAを目指す人たちは、意識もスキルも高く、大いに刺激しあえます。様々な業界や立場から集まる仲間たちとの交流は、視座を高め、視野を広くしてくれます。もちろん困った時には直接、仕事のアドバイスをしてくれることもあったし、取引に発展したり、起業のパートナーになるようなことも良くあります。起業家や経営者の仲間も多く、志の高い他業界の人たちとの交流は、自分を引き上げてくれる大きなモーメントになります。もちろんプライベートの交流も活発で、私のトライアスロン仲間もここで見つけました。シリコンバレーの視察ツアーを実行した仲間もいました。

事業経営のあらゆることは、すでに研究されている。

MBAでは会社経営、事業運営について、あらゆることが体系立てられ、研究されていることを知らされます。マーケティングや事業戦略の世界ではフレーム化された手法が良く知られていますし、財務会計はむしろそういった知識がベースの世界です。しかし、それだけではなく、マネジメントやリーダーシップ、セールス、事業アイデアの発想法、人事など、あらゆるカテゴリーで研究がされているのです。つまり何が言いたいかというと、何かに取り組み時、そういった先人の事例や研究を見ずに取り組むことが、極めて非効率だということを痛感することができました。成功のケースを学ばずに、何かに取り組みことは、普段料理をしないお父さんが、レシピを見ずにチーズケーキをつくるようなものだと思いました。MBAではたくさんの成功につなげるための知識を得られますが、そもそも学ぶべき事例があるということ自体をまず学ぶのです。実際の現場に目を向けると、そのことができてないシーンばかりであることに気づくはず。

実戦で役立たせるためには、自分の環境が必要。

MBAの学びは経営全般なので、経営に関わる人であれば、その学びを存分に発揮できると思いますが。しかし、そうでない場合は、その発揮のシーンはやはり限られるのだと想像します。私の場合は、そもそもマーケティングプランを生業としていたので、事業戦略、マーケティングやセールス関係の知識は、そのままお客様への提案に活用、応用できるものでした。そのうえ、在学中に部署異動で、事業統括部という部門の立ち上げの長になり、全社の事業戦略や業績管理の統制をする、経営に近い職種になったので、結果としてフル活用することになりました。むしろ、MBAで学んでいたことが、その抜擢を引き寄せたと思います。しかしながら、そうではない場合、やはり学びの発揮は、どうしても限定的になると思います。MBAを学ぶだけではなく、直接的に活用したいという人は、MBA後に、どのようなポジションでM学びを発揮させたいかを戦略的に考えておく必要があると言えます。

実戦で役に立たせるには、周囲に大きな壁がある。

「課題解決は生き方だ」力説する、そんな教授が一人いました。どういうことかというと、、「MBAで得たような先進の知識やあるべき論があっても、それに賛同する人がついてこなければ良い経営や施策の実行はできません。人は基本的には現状を変えるのを嫌がる生き物(この理論も習います。)です。その人たちを説得し、変えていく覚悟を持つ生き方を選ばなければならないのです。」ということなのです。さらに言うと、周囲の人たちはMBAのようなベースの知識があるわけでもないので、いくらいい手法を用いて、改革や改善を訴えても、素直には聞き入れてくれないのです。「自分はこんなに勉強して、いい方法を提案しているのに。。」と意気消沈してしまうこともあると思います。私もこの手の困難にはぶつかりっぱなしです。この問題の解決方法はわかりません。粘り強く少しずつ理解者を得て、動きを大きくしていく工夫をするしかないのです。MBAがあれば、意見が通ると思ったら大間違い。この挑戦であり苦労を楽しむことができないと、挫折してしまうかもしれません。

目指すものがあることが最も大事。

MBAで出会った人たちで、卒業して何かを覚醒させ、成功している人たちは、やはり若い人たちのような気がします。私の友人達のなかで最も力強く活躍しているのは、そもそも起業や経営にチャレンジすることを前提としていた人たちです。彼らは、学びながらも実戦に重きをおいて活動し、卒業してまもなく、目覚ましい活躍をしています。30歳前後の人が多かった印象です。二番目にいいなと思うのは、キャリアアップを考える人たち。MBAをきっかけに転職したり、職種や仕事をグレードアップさせて活躍しています。30代半ばの人が多いゾーンです。私もココに属してるかなぁと希望も含め思います。最後に少し残念なのは、ちょっと仕事に行き詰ったから、、MBAとれば何か開けると思ったから、、 という人たちです。彼らはMBAを通じ、知識や知見、友人を得ることで、人として大きくはなりますが、次の目的が見つからなければ、NEXTアクションに繋がらないため、大きく変われない人が多いです。つまり、MBAは頼るものではなく、利用するものなのです。MBAととったから(とったおかげで、それがきっかけで)自然と何かが好転した。と言う人はいない気がします。そもそも何かに挑戦しようという気概のある人が、学ぶことによって得られる知識や人的ネットワークを活用し、弾みをつけることができると言えます。

この記事では、テクニカルなことではなく、成長論として少し抽象的な述べ方をしましたが、MBAは医者や弁護士資格のように、修了したから何かが分かるものではなく、目的達成のための魅力的な武器であり、どう活用するかのスタンスがとても重要だと思うからです。これから MBA の学びを考えている人の参考になればうれしいし、自分のこれからののためにも、改めてしたためてみました。

読んでいただきありがとうございます。

https://actionforbetter.com

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