性別を変えた僕たちトランスジェンダーの寿命とは?性転換手術はするべきなのか
僕は性別を変えました。
生まれた時は「女」今は「男」
FTMトランスジェンダーの鈴木優希です。
LGBTのセミナー講師・LGBTのオンライン人間塾の運営をしています。
女で生まれた身体を、性別を変えるガイドラインに従って、子宮卵巣を取り、胸を取り、ホルモン投与をして「男性化」することによって戸籍を「男」に変更しました。
女としては五体満足の健康な身体を無理やり男に変える。それが性同一性障害の治療。
傷だらけの身体になる事でやっと自分らしく。「性別違和」を感じることなく生きられる。
身体の健康と引き換えに心の健康を取り戻す。
そんな感覚だろうか。
僕たちはいくつまで生きられるのか?
身体を変える治療をすると決めた時から「リスク」については理解していたつもりでいた。
20代の時だったので当時は早く身体を変えたいばかり、戸籍を変えたいばかりだったから、「副作用?」「リスク?」
はいはい。って感じだった。
自分のなりたい性別になって、太く短く生きる。なんていきがっていた。
そして身体を変えた。性別を変えた。
環境も変わる。大切な人、やりがいのある仕事に出会う。家族との距離感も変わっていく。
太く短い人生でけっこう!なんて思っていた気持ちはどこかへ行って
健康で長生きしたい。と思い始める。
ないものねだりだとはわかっている。
でも考えは変わる。
そんな時、LGBTのNPO団体のカウンセリングを受けた時、そのカウンセラーの先生が言った言葉が今も頭に残っている。
「僕は60歳で車いすに乗っていない鈴木君を見るのが目標だよ。」と。
? ??
60歳。すぐじゃん。
僕、どうなっちゃうの?急に怖くなった。
身体を無理やり男にしている。だから、多少のリスクは覚悟していたつもりだったけど、いざ、骨粗しょう症だとか多血症だとか、まして車いすだとか・・・
漠然とだけど当たり前だと思っていた60歳で自分で歩けていること。
それが目標だなんて。
恐ろしかった。僕はなんてことをしてしまったんだろう。とも思った。
でももし、手術前にそれを聞かされてたとしたらどうだろう?
たぶん当時の僕は同じことをしていただろう。
それほどに「女」として生きていることが辛かったからだ。今は「性別違和」の苦しみがないから、身体の健康を考えられる。
でも、あのまま「女」として生きることが健康との引き換えであるとしたなら・・・体の健康と心の健康。どちらを選ぶ?
自分らしく生きたい。好きなモノは好きと言いたかった。なりたい自分になりたかった。卑屈で居たくなかった。いつも誰かを妬ましく羨ましがって生きていきたくなかった。
後悔はないか?と言われたらわからない。でも寿命も誰にもわからない。
性別を変えてない人生だって、普通に明日が来て、長生きできる保証はない。
寿命が来るその日まで自分らしく生きる。僕に出来ることはそれしかない。
そして、僕たちが生きた証。
性別を変えた人がどんな副作用を持ち、いくつまで生きれてどんな病気で死んだのか。それをデータとして残していくことで、
将来のトランスジェンダーの為の指針になればいいと思っている。
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?