見出し画像

逢いに行く、でも逢えない。だからまた逢いに行く。【高岡市】

高岡市との出逢い。

この街との出逢いは、2020年。
会社の社長から「高岡はいいよ〜」という話を聞いた。

富山県は、高岡市。

「魚が美味くて、日本酒もあって。いまだに毎月大小問わずお祭りが開催されていて。
ただ、なんといっても"雨晴海岸"という海辺から望める"立山連峰"が本当に絶景で。あれは忘れられないね。」

食、酒、ローカルなお祭りに絶景、たまらないキーワード達がたくさん。

いつか行きたい、そう思っていた。
そんなある日、ひょんなことから"仕事"で訪れることになる。

はじめて逢いに行く。

初めて訪れたのは、2021年6月。
私の住む大阪からサンダーバードに揺られること4時間。

澄んだ空気とカラッとした暑さが出迎えてくれた。

高岡駅前に降り立った僕は、腹ごしらえに「回転寿司」に向かった。
噂通り、回転寿司のレベルを優に超えるほど美味しいお寿司であった。

そこから町を回遊し、いろんな観光地にも足を運んだ。
日本三大大仏と呼ばれる「高岡大仏」に、藤子・F・不二雄ファンの聖地としても知られる「高岡おとぎの森公園」に、伝統的な家屋の並ぶ「金屋町」。

富山の郷土料理である「かぶら寿司」に「すり身揚げ」。そして、とろろ昆布がまわりに塗されている慣れない「昆布おにぎり」など。
富山の魅力を味わうこともできた。

ただし、上司から聞いた「"雨晴海岸"から望める"立山連峰"」は悪天候により拝めなかった。

逢えるまで、何度でも行こう。

時は過ぎ、2022年。
私は年12回、高岡市に足を運んだ。

1月、新年を迎えた辺りから「寒ブリ」のシーズンが始まる。
2月初旬には、日本酒の新種が酒屋に並び始めて、4月を迎えると、富山グルメの代表格とも言える「白エビ」の旬が到来する。

立ち寄った老舗居酒屋
「白エビの唐揚げ」


5月を迎えると、大きなお祭りが幾つか連なる。5月1日は「御車山祭り」。

1609年より伝わるとされており、
各町が保有する「御車山」を美しく飾り、
全7基が一堂に集まるお祭りである。


5月第3土曜日には、「伏木けんか山祭り」

港町の伏木町で始められたこのお祭りは、
各町が「やま」をぶつけ、
男を競うかなり激しい祭りである。


7月5日には、日本で最も由緒あるとも言われる、日本でも最大級の「戸出七夕まつり」が開かれる。

町中に特大の七夕が複数飾られ、
吊るされた提灯が町を真っ赤に染める。


10月頃になると、古城公園の紅葉が色めきだし、12月には、雪が積もり、白く淡い景色が辺り一面に広がる。

年間を通して、色んな「高岡」の魅力に出逢い、私はどんどんとこの街に恋をした。

それでも、まだ、

噂に聞いた雨晴海岸から望める「立山連峰」には出逢えなかった。

逢えた、また逢いたくなった。

年を越した、2023年1月。

僕は、ついに「雨晴海岸」から「立山連峰」に逢うこととなる。

その日は天候も良く「見えるかもしれない!」という噂は聞いていおり、胸を躍らせながら高岡へ向かった。

逢える喜びを最大限に噛み締めたかった私は、向かう道中も景色には背を向け、雨晴海岸へ向かった。

到着し、降り立ちパッと目を前に向けると、

濃くはっきりと山肌が見え、凛と佇む立山連峰と、その手前に聳える夫婦岩。
磯の香りと荒い波が岩を打つ音が響くいていた。
それはもう、えも言われない美しさで、心がスーッと吸い込まれるように、その場に立ちすくみ眺めてしまう程であった。

ただ、隣にいた地元の方は「今日は90点だな!」と言葉を漏らしていた。

「あぁ、これよりも美しい日があるんだ。」
そう思えると、何故か僕の心はさらにドキドキした。

終わりに。

訪れるうちに知らなかった街の魅力を知り、また惚れて。
知れたと思えば、地元の人のみぞ知る「もっと美しい瞬間」がまだあって。

その街で暮らす人たちしか知らない"魅力"に触れるのには、時間がかかってしまうのも、旅の素敵な部分だと思います。

皆さんも是非、富山県・高岡市に行ってみてください🙇‍♂️