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山を歩いて氷河を目指す【ジョージア旅行記4】

こんにちは!yukiです。

しばらく旅行記が連続してますが、
このままラストの5回目まで
突っ切っていこうと思います。

今回は、氷河を目指す
トレッキングのお話ですが、
氷河自体はわりとしょぼかったです笑

リアルでもちょっとガッカリでしたが、
氷河にはあまり期待せずご覧ください苦笑

楽しんでいただけますように!



メスティアトレッキング(ソロ)


山間の村・メスティアに来る途中、
たまたま運命共同体となった
エリザベスアンナマイク前回参照)。

メスティアに到着してからも、
ゲストハウスの離れを貸りて
一緒に過ごすことになりました。

リーダーシップ抜群のエリザベス。
毒舌でヘビースモーカーなアンナ。
陽気なスポーツマンのマイク。

女の子2人はロシア人で、
マイクはオーストラリア人です。

「お腹減ったわ。
 ランチにいきましょ。」


ゲストハウスに荷物を置いたあと、
みんなと町へ歩きます。

春のぽかぽか陽気のなか、
オープンテラスで
爽やかにランチをいただきました。


パンみたいなのは、
ここスヴァネティ地方のハチャプリ

ハチャプリって、最近、
日本でも売ってたりしますよね。

(日本でよく見かけるのは、
 アジャルリ地方のハチャプリです)

ハチャプリが油っこいので、
合間に香草をもしゃもしゃ食べると、
かなり良いバランスになって幸せです。

「美味しかったね〜」

「これからどうする?」

「まずインフォメーションセンター行く?
 明日、この辺りでトレッキングしたいわ。」

エリザベスとアンナは、
もともとトレッキングを
するつもりだったそう。

僕もそのつもりで、
マイクも乗り気でした。


インフォメーションセンターに行き、
メスティア周辺にいくつかある
トレッキングコースを教えてもらいます。

glacier(氷河)!
 氷河が見られるの?
 そこ行きたいわ!!」

アンナが、
氷河を目指コースに
強い興味を示します。

聞いてみたところ、
町から片道15キロほどあるものの、
キツい道ではないとのこと。

じゃあ明日行ってみようか、
ということになりました。

マイクが言います。

「俺、スニーカーしかないけど、
 大丈夫かな?」

「うーん、登山靴がいいと思うわよ…」

センターの方によると、
山用品を貸してくれるお店が
町にあるということです。



情報収集も終わり、明日に備え、
宿に戻って休もうかという話になりました。

でも時刻はまだ、
お昼を少し過ぎたばかり。

僕は、比較的近くの山に、
片道3時間くらいのトレッキング
行ってみることにしました。

「行きたい人いる?」

首を横に振る3人。

「夜行列車乗ってきたのよ?!
 よくそんな元気あるわね、
 若いって良いわねえ」

アンナに苦笑されました。

いや、確かに僕が一番年下とはいえ、
10歳も離れてないんですけどね…

ちなみに年齢は、
エリザベス>アンナ>マイク>僕
の順です。


3人といったん別れて、
1人で集落の外れに向かって歩きます。

あちらこちらに建つは、
もともと部族間の争いのために
作られたものだそう。

集落が敵の攻撃を受けると、
この塔の中に立てこもって、
銃で反撃したのだそうです。


集落の外れから、
山を登りはじめました。

高度が上がるにつれて、
だんだん辺りが雪景色になっていく。

2時間くらい登ると、
美しい山々の風景が360度に広がる
見晴らし台に到着します。

しかし、
地図のトレッキングルートは、
まだまだ先に続いている…

雪がなければなあ。
でも行けるところまで行ってみよう。

足跡をたどり、
雪原を歩いていきます。

しかしどんどん雪が深くなっていき、
ついにお腹まで埋まってしまったので、
これ以上は無理だと引き返しました。

夏は相当キレイな場所なんだろうな。


山を下って、
ゲストハウスに戻ったのは20時ころ。

ジョージアの春は日暮れが遅いのか、
20時くらいにようやく暗くなるのです。

3人はまだ帰っていません。

さすがに皆はもう夕飯とってるよな、と
21時ころに僕も外へ食べにいきました。

そこらの食堂でささっと済ませ、
ゲストハウスに戻っても、
まだ3人は帰ってこない笑

23時近くになって、
さすがに心配になってきたころ、
ようやく3人が帰ってきました。

「おかえり!」

「遅くなっちゃったよ!
 山はどうだった?」

「けっこう雪がすごかったよ。
 明日も雪深いかもしれないね」

夜行の疲れもあり、
みんなすぐ眠りについたのでした。

氷河へのトレッキング


翌朝。

みんな8時頃に起きて、
朝ご飯を食べて紅茶を飲んでから、
9時に宿を出発しました。

「まずはマイクの靴を用意しなきゃね」

・・・昨日時間あったから
用意したのだと思ってました。
行き当たりばったり笑

登山用具店へ行ったところ、
何と、靴は貸し出していないとのこと。

仕方なく、
古着屋で登山靴を購入します。


お昼ごはんや行動食も買い揃え、
氷河を目指して歩き始めました。

マイクが叫びます。

「パーフェクトなハイキング日和だな!」

本当にいい天気。

車道は途中で途切れ、
道は森の中へと続いていきます。

森の中に入ったあたりから
空気が冷たくなり、
だんだん道も雪に覆われていきます。

足跡が見える場所もありますが、
道はかなりあいまいです。

「ああっ!
 ふざけんじゃないわよ!!」

最初に雪にやられたのはアンナ。

太ももまでズボッと
雪に飲み込まれたのです。

3人で笑い飛ばしてましたが、
他人事ではありませんでした。

エリザベスも、マイクも、僕も、
みんな雪にズボズボ埋まっていきます。

靴の中もズボンも、
冷たくびしょ濡れです。

森の中に、
「F*ck!!」やら「Sh*t!!」やら、
怒りの叫びが響き渡っていました…汗

やがて、
谷間に深く入ってきたらしく、
森の両側に山肌が迫ってきました。

時おり、「ゴゴゴゴ…」と、
重い岩が転がるような不気味な音が
斜面の方から響いてきます。

そしてついに森を抜けました。

谷間が最も狭まった崖の上に、
白いものが見えています。

「あれが氷河?
 ちょっとショボくね?」

マイクが苦笑いしながら言います。


確かに、“氷河”という響きから
期待するようなイメージより、
はるかに小さい笑

氷河はショボくとも、
谷間の景色は雄大です。

両側の斜面から、
頻繁に岩や氷が転がってきます。

歩いてる場所までは届かないものの、
やはり怖さは感じる…

「もっと氷河まで近づいてみる?
 降りられなくなりそうだけど笑」

エリザベス主導で、
急な斜面をどんどん登っていきます。

みんなで
「降りられない!降りられない!」
って言いながら、なお登り続ける楽しさ。

マイクは
「オーマイガー」
ばっか言ってます笑


これ以上は無理!ってところまで登って、
景色を眺めながら一休み。

「最高に爽快だね」

「本当すばらしい場所にいるよ」

降りはじめるとき、
マイクが何を閃いたのか、
ザックカバーを雪に敷きました。

その上に座って、
ソリみたいに滑り始めます。

「これ最高だぜ!
 みんなもやってみなよ!」

すばらしい発想力!

クールなエリザベスは
どんどん歩いて行っちゃいますが、
アンナと僕は楽しく滑りました笑


帰りは、行きと同じ道を逆戻りですが、
女の子2人はだいぶ疲れが出ています。

帰りもズボズボ雪に埋まりますが、
もはや汚い言葉を吐くほどの
余力も無くなっている汗

口数がほとんど無くなり、
休憩も長くなってきました。

何とか森を抜けたところで、
幸運すぎて驚いたのですが、
町に戻る釣り人の軽トラと出会ったのです。

トラックに乗せてもらって、
サーっと町に帰ることができたのでした。

ジョージアの地酒で打ち上げ


釣り人は、宿の前で
私たちを下ろしてくれました。

本当に感謝しかありません!

だいぶ元気になった
エリザベスが言います。

「みんな、お疲れ!
 シャワー浴びたら町に行って、
 打ち上げしましょ!」

この時のホットシャワーの幸せといったら、
とてつもないものでした。


そして、町に出て、
昨日ランチを食べたカフェへ。

3人の顔が、達成感と安心感で
なんだか輝いて見えました。

「せっかくならさ、
 ジョージアの地酒飲みたくない?
 “チャチャ”っていう
 お酒があるって聞いたんだけど!」

マイクがそう言うので、
みんなで“チャチャ”とやらを
飲んでみることにしました。

店員さんも、
チャチャをオーダーされて
何だかとても嬉しそう。

カンパイして、
せーので飲んでみます。

・・・うっ、アルコール強い!!

つーんと鼻に抜けるブドウの香り。
でもブランデーとは違う…クセも強い!

マイクが「オーマイガー」と呟きます。

エリザベスとアンナも苦い顔。

みんなで顔を見合わせ、
思わず笑ってしまいました。

エリザベスが店員さんに尋ねます。

「これ、アルコール何%くらいなの?」

「チャチャは40%くらいだね!
 もう一杯飲むかい?

マイクが「ノーモア!!」と返します。

店員さんはにっこり微笑みました。

でも、なんかバーカウンターに、
また4つのグラスが用意されている…


そして再び、
チャチャが運ばれてきました笑

言葉が通じなかったのか、
確信犯なのか…笑

顔を見合わせ苦笑いしながらも、
グラスに手が伸びていきます。

「なんか、慣れたのか、
 好きになってきたかも」

その土地のものをいただく
これも旅の醍醐味でしょう。

みんな、
ずいぶんと酔っ払っていました。
もちろん僕も。

満点の星空の下、
田舎道を歩いて帰った時間は、
忘れがたいものとなったのでした。

次回もこの4人で、
さらに田舎の村へ出かけます。

そして、ジョージア編は最終回となります。
お楽しみに!




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!

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