クリエイターの声を聞き逃さない。現場から生まれたnoteの印刷表示カイゼン裏話
こんにちは。noteのデザイナーの松下です。
先日、noteの記事を印刷した際の改善施策がリリースされました!
多くの人は、noteを印刷して使うことはないかもしれません。
ですが、実は「これは待望!」という声もかなりの数聞くことができた改善でもありました。
この改善は、普段noteがどのような基準で施策を選定しているかを示す良い例でもあります。
今回は、この施策を行うまでの流れや裏側について紹介します!
クリエイターと共に成長するための取り組み
前提として、noteでは事業目標に定量的な効果が出る施策を重点的に行っていますし、見込める効果に応じて施策の優先度を決めています。
PMのasakoさんによるより現場の優先度づけ感覚に近い記事↓
しかし、いっぽうで、noteのミッションである「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」を達成するためには、クリエイターの声を常に聞き、それに応える改善を続けることが必要です。
それは、往々にして定量数値を追っているだけではキャッチできない声だったりもします。
そのため、事業目標と並行して、ユーザーの声を拾い上げるための取り組みやプロセスをいくつか用意しています。ユーザーインタビューはその代表的なものです。
社内のslackにある、気軽にアイデアを投稿できる「idea」チャンネルも取り組みの一つ。
起案者の職種は問いません。実際にエンドユーザーやクリエイターと接する機会が多い職種は、開発者ではなかったりもするからです。
現場からあがった、改善の声
ある日「idea」チャンネルでこんな声があがりました。
声をあげてくれたのは、PRの森本さんと公共教育系のクリエイター支援や取り組みを担当をしている青柳さん。
noteはデジタルサービスなので、オンラインのみで完結している人が大半です。ですが、二人が接しているクリエイターの中には、実は書いた記事を印刷して使いたい人も多く存在すると日々感じていたそう。
具体的には、行政や企業、飲食店や販売店など。
記事を実際に印刷して配布する、お店に貼り出す。物理的な出力が必要な場面でnoteを活用しているクリエイターが実は多くいたのです。
印刷、使いづらすぎた
そんなクリエイターたちにとっては、現状のnoteでは記事の印刷がしづらいという課題がずっとありました。
「印刷出力が快適にできる」機能がnote全体の目標数値にインパクトがでる課題かというとそうではないでしょう。
ですが、行政や飲食店などのクリエイターは、創作を通して新たな可能性を生み出すために特にnoteが応援している人たちでもあり、彼らの多くが直面する困りごとであればその解決は重要。
しかも、少しの開発上の調整で、かなりの改善ができる可能性が高い部分。
そこで、noteの記事を印刷した際、きれいに出力ができるようにすることで、彼らのニーズに応えられるようにしよう!という取り組みが始まりました。
実際の改善プロセス
ここからはスピーディでした!
実際にどういった流れで改善を行ったかをご紹介します。
現状の再確認と、改善方法の検討
改めて、現状の記事をブラウザから印刷した際の表示を確認。
その結果、余計な要素が出ていることや、文字サイズが大きく印刷時に読みづらいという課題が明らかになりました…。
上述の通り、オンラインのみで完結している方が多い前提で考えていたので、改めて印刷結果を見る機会がほとんどなく、これまでにおかけしていた苦労を思うと申し訳ない限りです。
そこから、PMやエンジニアとも相談し、どこまでのスコープ・方法で対応をするかをまとめました。
印刷時のスタイル調整〜実際に印刷して確認
さて、実際に印刷に適した形にcssを調整していきます(印刷専用のcssを設定)。
noteには、印刷物を含めたコミュニケーションデザインをメイン担当している井口さんという心強い仲間がいるので、協力してもらい、印刷時に快適に読めるサイズ感をすり合わせました。
遠隔ではありましたが、実際に出力をお互い繰り返しつつ、検証を繰り返していきました。
新CSSの適用
決定したCSSをもとにエンジニアと開発を進め、そこでも再度、実際に印刷して確認。
比較したものが以下です。
入ってしまっていた余分な要素を削除し、文字や画像のサイズ感も、なるべく読みやすく・印刷しやすくなるように調整を行なっています。
新機能の反響とフィードバック
こうして改善がリリースされました。
Twitterやnoteの記事で告知した結果、多くの反響をいただきました!改めて、この件を気にしていた方の多さに気付かされました。
中には、実際に印刷を使った取り組みをご紹介してくれている方も!
自分たちの行った改善が、こうして受け止めていただける瞬間がいちばんうれしいですね。
クリエイターの声を糧に、前進しつづける
今回は、現場のメンバーがクリエイターの声を拾い上げ、発案し、実施された施策をご紹介しました。
私たちのミッションは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ことです。そのためには、ユーザーの声を常に聞き、それに応える改善を続けることが必要です。
今後も、事業目標と並行して、このようなクリエイターの声に基づいた改善を行っていくことで、ミッションの成功に向けて、一歩一歩前進していきます。
自分の声も届けたい!という方は、いくつか窓口があるのでぜひお気軽にお声がけください!
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