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note デザイナーマガジン

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noteのデザイナーが考えるデザインについて書き綴ります。 noteのお仕事の裏側などについて発信します。 https://note.jp/n/nf1a45fb051de
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記事一覧

noteがアクセシビリティに注力する理由。 視覚障害者向けイベント「サイトワールド」登壇レポ

こんにちは。noteでUXリサーチをしてる仙田です。 先日、「サイトワールド2023」という視覚障害者向けのイベントでnoteを紹介してきました。 そのイベントの様子とnoteのアクセシビリティ向上の進捗についてnoteの全社員が集まる場で共有したところ、とても好評だったので、記事でも報告させてもらいます。 アクセシビリティってなに?多くの人が使える状態を「アクセシビリティが高い」と言ったりします。具体的には以下のようなケース。 文字の拡大表示ができる:視力が低い人や高

クリエイターの声を聞き逃さない。現場から生まれたnoteの印刷表示カイゼン裏話

こんにちは。noteのデザイナーの松下です。 先日、noteの記事を印刷した際の改善施策がリリースされました! 多くの人は、noteを印刷して使うことはないかもしれません。 ですが、実は「これは待望!」という声もかなりの数聞くことができた改善でもありました。 この改善は、普段noteがどのような基準で施策を選定しているかを示す良い例でもあります。 今回は、この施策を行うまでの流れや裏側について紹介します! クリエイターと共に成長するための取り組み前提として、noteで

PRベースのビジュアルリグレッションテストをStorybookとPlaywrightで実装する noteUIDev#3

前回はPlaywrightでスクリーンショットを撮ってアーカイブする話をしました。 今回はPlaywrightのスクショ撮影を、Storybookに登録したStoryにおこなって、ビジュアルリグレッションテスト(VRT)をPull Request(PR)に対して実行して、コメントとして変更を通知する話です。 はじめに新しい機能の追加や既存のコードのリファクタリングなど、開発の過程でUIに予期しない副作用が発生することがあります。VRTはそういった副作用のうち見た目上の変化

「創作大賞」KV、トロフィー、会場装飾…全デザインの裏側

「創作大賞」とは インターネットでの創作すべてを対象にした、日本最大級の投稿コンテストです。 第2回となる今回は、16のメディアが協賛し小説やマンガ、エッセイなどさまざまなジャンルで作品を募集。 2023年4月25日〜7月17日の約3ヶ月間で、昨年の約2倍となる33,981作品の応募が寄せられました。 今回はそんな創作大賞を演出した制作物のプロセスについて書こうと思います。 キービジュアルロゴを踏まえたメッセージ 今年の創作大賞のデザインが担うキービジュアル(KV)の目

デザイン史マニアがヨーロッパ近代デザインの史跡を巡ってきた旅行記

先日、大学生の頃からずっと行きたかったヨーロッパに旅行してきました。ヨーロッパには、私の大好きなデザイン史において重要な史跡や、デザインミュージアムがあります。 最高の旅だったのでぜひご紹介したいのですが、私の1万字超えの興奮をよりお楽しみいただけるようデザイン史の語り、もとい布教から始めさせてください。 はじめに:デザイン史は人類の欲求の歴史デザインの歴史の起源とはなんでしょう?例えば縄文時代の衣服や石器はプロダクトデザインと言えるでしょうか。デザイン史の始まりは産業革

有料
200

noteのプロダクトデザイン

noteのプロダクトデザインにちょっとだけ興味を持っていただけた方に、noteでデザインすることの面白さや意義・実際に取り組んでいること・取り組もうとしていること、取り組んでいるメンバーについて紹介させてください。 Mission だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。このミッションには、メディアプラットフォームとして、noteが以下のような未来を実現したいという思いが込められています。 すべての人が気軽にnoteをつかって創作をはじめられる。 はじめた後も、モチ

noteに入社して5ヶ月が経ちました

ちょっと前に転職しましたという近況報告と、お馴染みのお知らせを書きにきました。短いですが、少しだけお付き合いください。 noteに入社した理由はたくさんあるのですが、 ・noteがきっかけで、デザイナーになろうと決めたこと ・好きなクリエイターが定期購読マガジンをやっていること この2つは自分の中で大事な要素だったかなと思います。 進路に迷っていたときにこの2つのnoteに出会い、自分もデザイナーになれるかもしれないと独学で勉強を始め、いろんな紆余曲折を経て、2023年の

「らしさ」を軸にデザインを手がける|note社のグラフィックデザイナーを紹介します

note社のオープン社内報「バリューバトン」。バリューを発揮したメンバーたちをバトン形式で紹介していく記事企画ですが、今回は私も所属するブランドコミュニケーションチームのグラフィックデザイナーの仕事を紹介したいと思います。 「noteのグラフィックデザイナーって、普段どんなことをしているの?」とイベントや交流会で聞かれることがあります。ただこの話題、一度たりとも満足な話が出来たことはありませんでした。 今回の記事では、グラフィックデザイナーのIguchiさんが普段やってい

怖くないAIを作りたい。 心理的ハードルを乗り越えるデザインプロセス

この記事では、noteAIアシスタント(β)の開発において心がけた、「怖さを乗り越える機能開発」についてまとめています。 AIはなぜ怖いのか?まず、「AIの怖さ」というところを考えてみます。 同業者のITあたりの皆さんはもしかしたら、怖いと感じない方も多いのかもしれません。 ですが、私たちがAIの導入を検討し始めた2022年末、ちょっと世間では、AIに関するトラブルや反発も多い時期でした。 これは開発のために当時集めた世間の声ですが、画像生成系AIが出てきて自分の創作の意

「わからないことがわからない」時の個人的突破法 (UI Crunch for student 登壇資料)

こちらは、2023年6月26日、UIcrunchに登壇した際の内容です。 私が社会人になって感じた一番の壁は、とにかく「決まっていないことが多い」ということでした。 これは以前実際にあった話で、先ほどのAIアシスタント機能の始まった時の話です。PMの方と「noteにAIの体験が乗ったら良さそうじゃないですか!」と話していて、私が「いいですね!やりたいですね!」と言います。 これでデザインが一旦スタートします。決まっていないことが多いですよね。 リリースするかも決まってい

noteにいる専属イラストレーターさんの話

少し前のことになりますが、同僚にこんな記事で紹介していただきました。 いつか私もじつぞんさんの推進力をどこかでお伝えしたいです。どんなこと言われても「やったろうぜ!!」となるすごいPMで、そろそろまたやったりたくなっています。 が、違う方を指名するのがバトンなので、今回はnoteで専属でイラストレーターをしてくださっている、キムさんをご紹介したいと思います。 キムさんは社員として、noteでいつも素敵なイラストを描いてくださっています。 noteAIアシスタントのイラス

noteのイラストが新しくなりました!イラストリニューアルの裏側

こんにちは。noteでイラストレーターをしているKimです。 2022年11月頃に、イラストをリニューアルすることが決まり、動き出してまるまる半年。 この記事では、新しいnoteのイラストには、どのような思いが込められているのか、「noteらしさ」をイラストで表現する過程でどんな課題と向き合い、どのように乗り越えてきたのか、制作の裏側をオープン社内報として公開します。 オープン社内報とは? 一般的には社員しか見ることのできない「社内報」をだれでも見られるように公開するこ

noteの上場記念ノベルティ、ご紹介します。

こんにちは、noteでデザイナーをしています、iguchiです。この記事では、上場を記念して制作したnoteノベルティについての紹介をしたいと思います。 なぜつくったのか上場という節目のタイミングで、社員のみなさんが会社に誇りを持って、ますますクリエイターの創作を応援していけるように、その記念となるノベルティを制作することになりました。 つくる目的 記念すべきタイミングに社員として所属していることを誇りに思ってもらう(社員の会社へのエンゲージメントを高める役割) 新し

文化人類学と社会学をざっくり知る。プロダクトデザインにどう関連するか?

プロダクトづくりには「リサーチ」という工程があります。 大ざっぱに代表的なものを分けると、UXリサーチとマーケティングリサーチでしょうか。 UXリサーチが、個人にフォーカスし、実際にどういった体験が発生しているかの探索や仮説検証を行うのに対し、マーケティングリサーチはユーザーの集団がいる環境はどういう状態なのかを推定します。 両者を適宜、行き来しながらプロダクトづくりが進んでいきます。 近年、UXリサーチにおいて、文化人類学的な手法や考え方が取り入れられるといった話題は注