カフェと時代を読む
お昼ご飯に卵焼きを食べて横になったらそのまま眠ってしまいました。
さて。
大学生の頃に背伸びをしてKIHACHIのレストランに行ったことがあります。ちょっといいレストランなんてロイヤルホストしかいったことないような若者が緊張と少しの興奮を胸に。
レストランのあの高揚感というのは何にも代え難い。
食事をしていたらホールスタッフの方がお水を足しに来てくださったんですけど、僕の常識ではそういう時は決まって
「失礼します。お水を足しますね」
という声がけが当たり前だったんです。
わずかな注文数でも
「注文を繰り返しますね」
という世界線です。
でもそのサービスマンの方は
何も言わず、さっと水を注いでいなくなりました。
僕らが会話中だったのを見越して遮らない様最善の注意を払ったのだと思います。
これが僕のサービスへの憧れの原風景。
格好良かった。お客様の時間に無駄な言葉を差し込まない。
まるで空気のように、風のように心地よさだけ残し去る、と。
サービスの最小化。
減らすものがなくなったら究極。
(あ、もちろん分からないことはお客様に聞かないといけない。)
でも例えば食後にお酒、という方はあんまりいないでしょう。
(例外を狙ってたらキリないですからね。)
お飲物いつお持ちしますか?
なんて愚問です。
ところが時代はそういうのを許してはくれなくなった様です。
フラッシュの点滅にご注意ください、効果には個人差があります、の様にそこで起こる事実全てを話さないといけなくなってしまった。飲食店も同様です。
神経質なくらいのアテンションを見かけます。
これもまた時代の流れ、ですがやはり引き算されたサービスこそが最難関。それをもっとこれからも目指していきたい。
自分が体験したものにしかなれない。
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定期購読マガジンの装いを春に向けて新しくしました。タイトルも
「カフェと時代を読む」へ。
これは雑誌でいうと誌名を変えるというのと同じなので僕の中でも心機一転、書くものも少し変わっていくかもしれません。
ヘッダー画像は韓国や台湾など国内外問わず個展を開いていらっしゃいます辰巳菜穂さんにお願いしました。
これまでハウツーの部分が多かったのですがそれも含めもう少しカジュアルな視点でカフェのお話が出来ればなぁと。
カフェは世相と時代を写す。
是非ご興味ある方は宜しくお願い致します。
お店にも来てくださいね〜〜!!