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10年で手放したもの

こんにちは!やまじゆうきです。

6月最初の配信ということでして…

この定期購読マガジンは大体週に1回の配信でカフェに関連したお話や、飲食店についての話を、僕の実体験からいろいろ思い巡らせ、皆様にも追体験してもらいつつ「飲食店への興味関心」を強めてもらおうというwebマガジンです。まぁ、カフェが好きな人はぜひ、という感じ。(雑)月額¥500で読み放題です。その費用で他の誰かをサポートしたりしています。

はい、気づけばJAMCAFEは来月で8周年。9年目に突入します。ありがたいことです。本当に。ひどいときには開業から3年での廃業率は5割という時代。10年ともなれば1割にも満たないという世界ですから、とりあえずもうちょっとでうちも10年選手で1割の仲間入りできるなぁとぼんやり考えています。厳しき飲食業界…鬼。

カフェ(というか飲食店)は3年で売り上げが右肩下がりになっていく現実がある、というのは知っていたので、それをどうクリアしていくのか、が最初の大きな課題でした。簡単に言ってしまえば3年で潰れないためにどうしようかな?ということです。何が必要で何が要らなくて何をしておくべきか。


”どのラインで撤退するか”もうちの場合はオープン当初に決めています。そのくらい引き際に気をつけないと本当に「終わる」と。この間もうちの店の裏通りで自己破産しました、みたいな張り紙を見ましたけどそういうことになる。そういう現実に向き合いやってきたわけです。

それで、何をすべきかな、と考えてやってきたことは「何かを取り入れよう!」という変化を追い求めてきたつもりなんですが、結果を見てみると「やらないことを決めて、どんどん引いていく作業」に繋がっていました。引くことが足すことに繋がるといいますか…

もちろん増えたこともありますが、今回は店舗運営においてこの約10年でやめたこと、引いたことを書いてみようと思います。


と、ここまで書き進めて「これなんか既視感あるな…」と思ったらこちらでした。塩谷さんの記事。

塩谷さんはSNSという生活の面から。僕は店舗という面から。やっぱり手放すことは大事だな、と感じます。(とっても面白いので塩谷さんの記事も是非!)

では本文です


①完全禁煙にしてみた

これは一番勇気のいる「やめた」です、今までで。今ほど「禁煙」に世間がなびいているわけでもなく「お、そっちに流れるのかなぁ」みたいな空気が徐々にはありましたけど。当時はまだお客さんでも吸ってる人が多く、僕は匂いがすごい嫌いでしたが「コーヒーとタバコ」「お酒とタバコ」みたいな組み合わせが必要なんだろうなぁと漠然と思っていましたので、仕方ないかなぁ、くらいに思っていて。
でも、これは偏見でもなんでもなくて”うちの店舗での話”なんですがタバコを吸う人って10人に8人くらいは「ヤナヤツ」なんです。横柄で、横暴で、態度も悪い。お店の子達も「臭いがつくのが嫌だ」とずっと言っていて。
それでもう嫌だなぁと思ったんですけど10人に2人の素敵なお客さんたちもいるわけで。そこが悩んだところでしたが、きちんと、説明させていただいて、そして納得していただきました。それからも10人に2人のいい人たちは禁煙になっても変わらず来てくれます。ありがたい…


やっぱり、全部は救えないんです。

②子供と団体さんの入店をやめてみた

これも①とおんなじ理由で8割の変わったお客様にずっと悩まされていて、思い切ってお断りさせて頂くようにしました。子供が走り回ったり(子供が走り回るのは別にいいんだけど親御さんが…)6人とかで話されるとお店の空気に「穴が開く」んです。キレイに膨らんだ風船のように、緊張感と高揚感と楽しさで満ちている空気が針のひとさしで「パン!」と割れる。これほど虚しいことはないですよ。僕らもそうだし、お客さんも、そうです。

これは、タバコもそうですけど、そういうある一定数のお客さんを手放したら、お客さんの数と売り上げが増えました。「今まで来ていた喫煙者や親子連れ、団体さん」を失ったのにお客さんが増えた。異常なことですよね…数を減らしにいったのに増える、という。僕がお店を実際にやっていなければ、身を以て知ることはなかったと思うのですごい実体験というか。
「お客さんは絞れ!」みたいなことってよく言われる業界なんですけど、それはあくまで”刺し方”の話で、数に言及されることは少ないです。

お客さん増やしたいな、と思ったらどこかのお客さんの層、一番いいのはお店に合っていない層を引いてみる、といい。
これは非常に有効な戦略。(戦いではないけどね)そうすると「マイナスポイントがあるから行かない」と感じているお客様に来てもらえるようになります。つまり、うちは「静かで落ち着けること」を求められていたというわけですね。やめてみるということは自分たちの強みをあぶり出す、という点でも非常によく作用します。


③お客様は神様ですをやめてみた

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お店にも来てくださいね〜〜!!