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[#うちの保護いぬ保護ねこ] 保護猫トッチ君

我が家では妻が動物ボランティア団体に所属し、保護犬&猫を預かって里親探しをしています。私はその手伝いをしています。今年6年目で、今までに10頭前後預かりをしていました。そのうちの1頭、猫のトッチくんについて3つ漫画を描きました。

第1話 トッチくんと私たち

https://note.com/yuki1192/n/n3c0af21f23d0?magazine_key=mba96e2f2675e

これが、机の下でなでてもらうのを待っている様子です。かわいいですね~。おでこの肉模様はわかるでしょうか?

「骨盤と下肢が折られていた」と描きましたが、猫同士の喧嘩だったのか、人間にいじめられたのか、それとも事故だったのかはよくわかりません。実は最初我が家に来た時は、こんなに真っ白だったんです。猫も苦労すると白髪になるのかもしれません。そして体が健康になるにつれて毛色も濃くなり肉模様もくっきりしてきました。よかったです。

ちなみに漫画内での「心を病んだ妻ちゃん」とは、文字通りメンタル的な疾患のことです。我々には子供もおりませんし、そういった切なさがあるからこそ妻ちゃんはこういう活動に一生懸命になれるのだと思います。

第2話 トッチ君とオッチャン

https://note.com/yuki1192/n/n99e3a36e469f?magazine_key=md2934b407957

これがふとっちょ化したトッチ君です!かわいいですね~。

保護された時のカルテには「著しい削痩(さくそう:やせすぎ)」と書かれていました。体が飢餓状態だったので、とにかく食欲がすごかったんです。まさに生きようとする力ですね。ちなみに、私が以前飼っていた三毛猫は逆に食欲があまりなかったんです。14歳で亡くなるまでずっとやせていました。食べても吐いちゃうんですよね。もっとたくさん食べるタイプだったらもっと長生きできたのかな…とよく思っていたので、トッチくんがたくさん食べてくれるのは嬉しかったです。

体が健康になれば猫エイズもこのまま発症せずに生き続けられる(実際、そういうパターンも多いようです)という希望も出てきました。しかしトッチくんはあまり動かず、一日中同じところで寝ているタイプだったので、どんどんブクブク度が増していきました。なので程よく食事制限も始めました。寝姿が何か変なのもかわいいですね~。

このクッションが好きで、よく顔をうずめて寝ていました。

我が家にはチワワもいるのですが、こんなふうにベッドを占領しちゃうこともありました。

オッチャンのオラつきデニムの上も好きでした。

第3話 トッチくんと妻ちゃん

https://note.com/yuki1192/n/nf12f8bc389f3?magazine_key=mba96e2f2675e

そして、2021年の7月にトッチくんはその短い生涯を終えました。年齢は10歳前後だったんじゃないかということでした。扁平上皮がんの原因は正確にはわからないのですが、猫エイズを持っていることで免疫力が落ちていて、がんを発病してしまったのではと思っています。口内炎もひどく、それも免疫力の低下から起きるからです。がんと口内炎で口腔内の痛みはすごく強かったと思います。でもそれでもがんばって食べていました。あんなに太っちょになるくらいトッチ君は食べるのが好きだったのです。だから私もなるべく痛くなさそうな食べ物、例えばお刺身を買ってなめろう状にして与えたりしていました。それでも次第にもう唾液も飲み込めないくらいにがんが大きくなってしまい、胃ろうチューブ手術を受けました。それでも食べようとするのです。なので、最初にお刺身をクチャクチャさせてあげ、その後胃ろうチューブで栄養を送るようにしていました。疑似的に食事をさせてあげるということです。けれども日にちとともに痛みが強くなるせいで、そのクチャクチャもしなくなり、唾液と一緒に大量の膿と血が出るくらいにまでがんが進行していきました。ちょっと話はずれますが、それによって家の中はとても汚れます。においも強く小さいハエもたくさん発生します。うちはマンションなので家じゅうがその状態になります。…が、妻ちゃんは動物好きですし、私は貧民タウン出身ですので、もとから不潔でも気にならないタイプです。普通は嫌になると思うので、自分の生まれに感謝しました。

そして最後は、これ以上苦しんでほしくないということで、安楽死をさせることにしました。妻ちゃんの決断です。我々の社会では「安楽死」という考え方は非常に抵抗がありますよね。さらに最初に書いたように妻ちゃんはメンタル的な疾患を持っていて、そのせいで何かを決めることに大きなストレスを感じます。さらに自己肯定感の低さから、自分の決めたことに自信が持てずあらゆることに後悔ばかりしてしまいます。そんな彼女が自分の愛する対象を安楽死させる決断をしたのです。どんな人でも、本当に好きなことに対してだったら強くなれるというのは本当だと思いました。

もちろん、トッチ君は人語が話せるわけではないので、本当はどうしてほしかったのかはわかりません。最後は草むらにでも放して自然のにおいの中で死ぬほうが動物としては自然です。我々に命の尊さを教えてくれたとかそんな都合のいい話があるとも思えません。人間には人間界のルールや思考パターンがあって、それを動物にあてはめるのはエゴだと私は思っています。これは人間同士でも言えます。けれども、毎晩オッチャンのパソコン机の下に来てなでられるのを待っていたり、妻ちゃんになで回されてゴロゴロ言ってるトッチ君は明らかに幸せでした。でなければどこかに隠れて出てこないはずですもんね。正直なところ私はすごく悲しくて、最近は死後には天国があるというふうに考えるようにしています。トッチ君も他の動物や人たちもみんな最後は天国で再会できるというふうにです。こんなメルヘン思考も人間のエゴですよね。でもそのくらい悲しかったのです。そしてこうやって漫画という目に見える形にすることで、自分の心や読んでくれた人の心の中に存在し続けられる気がしたのです。また、傷だらけの状態で保護されて、病気を抱えたまま強く一生懸命に生き、でもちょっと切なくて、そして自分がそれをサポートするという構図に、妻と私の関係を重ねていた部分もあると思います。最後まで読んでくれてありがとうございました。

お花がたくさん届いて…

枯れてしまったあとは、一つを押し花にしました。

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