見出し画像

ゼロから始める伊賀の米づくり7:田んぼを疾走するライダー、現る!?

画像1

田植えを終えて1ヶ月ほど。ずいぶん、緑が鮮やかになってきました。

田植えを終えて1ヶ月と少し、6月後半から7月にかけて、実家のエリアでは田んぼの中干しの時期が始まります。

母の元へは、知り合いの地域のおっちゃんたちからこんなLINEも届くそうです。

「そろそろ、水を抜いて渇かす時期やな」

「中干しの時期やから、水を抜こう。地面がカラカラになって、ひび割れるまで渇かしなさい」

中干しとは?

ではここで、中干しとは、なんでしょうか?

夏の暑い盛りに田んぼの水を抜いて、土にヒビが入るまで乾かす作業が「中干し」です。

中干しには、稲の成長にこんな役割があるそうです。

1. 根が強く張るように土中に酸素を補給して根腐れを防ぐ。
2. 土中の有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)を抜く。
3. 水を落とすことによって肥料分である窒素の吸収を抑え、過剰な分けつ(ぶんけつ)を抑制。
4. 土を干して固くし、刈り取りなどの作業性を高める。

ところが、実家の田はやや水が染みやすく、排水作業を進めてみてもすっきりと渇きにくい土地柄です。

そこで、登場するのがこちら

画像2

(仮)ライダー(混合燃料)です。

写真は昨年のものですが、昨年のSNSに投稿された時は

「シュールwww」

「何これ!笑」

など、多くの笑いと疑問を誘いました。

中干しと溝切り

この(仮)ライダー、昨年は父の代わりに乗ることになりましたが、正式名称は不明のままでした。

調べてみると、乗用溝切機だそうです。

画像3

こんな具合に、田んぼの中を縦横に溝切機に乗って進むことで、田んぼの水を抜きやすい水路を作るわけです。

※今年の様子は、以下の写真のリンク先に投稿されています。

スクリーンショット 2020-06-22 15.59.47

この溝切り、何が大変かといえば…

・ライダーをしている時の体幹とバランス感

・縦横に走った溝の交差点を繋ぐため、広い田を隈なく歩くこと

この2つに尽きます。

十分に水を含んだ田んぼのぬかるみを進むと、自粛生活で鈍っていた体が下半身を中心に悲鳴を上げ始めます。

※下の図は、溝切機を持ち上げつつ、歩いて移動している様子です。

画像5

一度、溝切機を終え、歩いて周る段になると、ここからは無の境地。

「どうして、こんなしんどいことをやっているんだろう…」

「まだ、あと何往復すれば終われるんだ……」

「力尽きても田んぼに倒れ込むわけにはいかない」

こんなことを始終頭の中で唱えつつ、鍬を杖代わりに溝の交差点をつなぎ合わせ、どうにかやり終えました。

朝10時にスタートしたとして、5時間半ほどの工程になりました。

梅雨の合間の曇天でしたが、雨に降られることなくどうにか無事に今回の工程も終えることができました。

春〜夏にかけ、雑草がどんどん生えてくる時期になりますが…

できること・できないことを家族とも分担しつつ、秋のはじめの収穫に向かっていければと思います。

画像6


サポート、コメント、リアクションその他様々な形の応援は、次の世代に豊かな生態系とコミュニティを遺す種々の活動に役立てていきたいと思います🌱