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自身のランクをいかに自覚し、他者との関係に活かすか?を『対立の炎にとどまる』オンラインABD読書会で探求した際の発見

今回の記録は、前回から継続的に参加し始めたアーノルド・ミンデル著『対立の炎にとどまる』のオンライン読書会の第二回目での気づきのレポートです。

『対立の炎にとどまる』ABD、前回までの振り返り

前回の記録では、私がアーノルド・ミンデル氏の思想に初めて触れたきっかけや、ファシリテーターが直面する「炎(fire)」とは何か?そして、2023年現在で再びこのテーマに向き合い、対話したときにどのようなテーマが上がってきたか?などをまとめました。

特に、本書『対立の炎にとどまる』の原題は『Sitting in the Fire(炎の中に座る)』と言い、同様のタイトルの書籍も見受けられます。

組織開発コンサルタントであり、ファシリテーターであるラリー・ドレスラー氏の『Standing in the Fire(邦題:『プロフェッショナル・ファシリテーター』)』です。

異なるバックグラウンドを持つ人が集う家族、組織、コミュニティ、社会などのあらゆる場では、時に葛藤や対立が発生します。

そして、一つの目的や方向性に向けて人々の集合知(collective intelligence)を発揮しようとすると、ファシリテーターの存在が必要とされ、時にファシリテーターは対立の炎の中にとどまることを求められます。

このようなファシリテーターのあり方について、また、人の対立が生まれる集団や社会の構造について、今回もABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®︎)と言う読書会手法を用いて探求することになりました。

ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®︎)とは?

有志の研究会がこれまでの読書会の限界や難しさを検討し、能動的な学びが生まれる読書法として探求・体系化したアクティブ・ブック・ダイアローグ®️(以下、ABD)

開発者の竹ノ内壮太郎さんは、以下のような紹介をしてくれています。

アクティブ・ブック・ダイアローグ®は、読書が苦手な人も、本が大好きな人も、短時間で読みたい本を読むことができる全く新しい読書手法です。

1冊の本を分担して読んでまとめる、発表・共有化する、気づきを深める対話をするというプロセスを通して、著者の伝えようとすることを深く理解でき、能動的な気づきや学びが得られます。

またグループでの読書と対話によって、一人一人の能動的な読書体験を掛け合わせることで学びはさらに深まり、新たな関係性が育まれてくる可能性も広がります。

アクティブ・ブック・ダイアローグ®という、一人一人が内発的動機に基づいた読書を通して、より良いステップを踏んでいくことを切に願っております。

https://www.abd-abd.com/

2017年、その実施方法についてのマニュアルの無料配布が始まって以来、企業内での研修・勉強会、大学でのゼミ活動、中学・高校での総合学習、そして有志の読書会など全国各地で、様々な形で実践されるようになりました。

ABDの進め方や詳細については、以下のまとめもご覧ください。

祝復刊 アーノルド・ミンデルの名著『対立の炎にとどまる』をABDで読んでみよう #2

以下、第二回目の読書会での気づきのまとめとなります。

今回も運営メンバーは、インテグラルコミュニティの皆さんでした。

第二回目となった今回のアーノルド・ミンデル『対立の炎にとどまる(原題:Sitting in the fire)』のABD読書会では、自分がファシリテーターとして大事にしていることを、みなさんとの対話の中で改めて発見し、分かち合えたように思います。

大事にしていることとは、以下の3つです。

自分の持っているランク(人種、言語、年齢、性別、社会的地位、宗教、経験など)に無自覚なまま、それを振るった時に人は誰しもテロリストになってしまう可能性があるのではないか?という仮説(抑圧してきた衝動が溢れるままに振るったら、なおのこと。)。

日常の中で発生する組織や家族内で紛争や葛藤、対立が起こった場合、「対立の起こった相手とどのような関係を築きたいと望んでいるか?」や、「相手との関係や未来に希望や可能性を見出せているか否か?」が大きく関係するのではないか?という仮説(もちろん、自身の人生にとても深く影響のある人、そうでない人との差はある)。

対立の炎に踏み止まれるか否かは、最後は自身の中にあるインテグリティ(Integrity)に向き合い切れるかどうかにかかっているのではないか?という仮説。

これは、自分が本来、大事にしたい価値観・ありたい姿と、実際に相手と対面した際の気まずさ、葛藤の中で発する言動が一貫性を持ち、そのようなあり方を全うしていけるのか、自分自身であり続けられるのか?という自身への問いにつながります。

個人的には、公私共に、家族、企業、コミュニティのシステムとそこにいる人々の振る舞いについて見つめてきましたが、やはり大切なエッセンスが本書には含まれていると感じます。

ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)は、扱う本の詳細を理解するための活用は難しい一面はありつつも、テーマ性を持った本を継続的に読み、対話することで探究するコミュニティの形成に大きな役割を果たしうる読書会手法だな、と最近改めて感じ始めています。

そして、ある程度コミュニティが成熟してきたら、次は別のコミュニティ間での越境や交流、共同が起こることで硬直化せずに循環していく。

その越境・交流・共同のあり方は、本の著者に繋がって理解を深める方向性かも知れないし、異なる探究コミュニティと繋がって創発を生む方向性かも知れない。(何より、継続する熱意・エネルギーが無ければそれらは起こり得ないわけですが。)

昨晩の対話をきっかけに、ぐっすり眠って朝寝坊した朝にふと衝動が湧き上がり、突き動かされるように昨日の気づきなどをまとめていますが、これもその場で出会ったみなさんのおかげです。

やはり自分は、「これだ!」と直感できた本のABDには今後も積極的に参加していこう📕

最終回のまとめは、こちら↓


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