足下の、小さなひかり。
私は貴方に出会いたいけれど、世界はとてもとても広いから。
私はどんなに頑張っても直接貴方を助けられない。手を差し伸べて、握ってあげることはできない。悩みを全部取り払って、笑わせてあげることも。
貴方も、私を直接助けることはできない。
助ける、と、救う、は似ているようでちがうと思うのです。
助ける、は、その一回で相手を引き上げること。
救う、は、積み重なっていくちいさいもの。
なんの気のないメッセージ、ぽんと肩を叩いたぬくもり、向けられた細くやわらかな視線。どこかでふと目に留まったひとこと、小耳に挟んだメロディ。
人を助けるのは、本当に本当に難しいのです。
だから同じように、人に助けられるのも、きっととても難しいこと。
でも、貴方が風に流した小さなカケラに私は救われた、かもしれません。
だから私もこの足下に、ほんのちょっと頭だけ出して、零れることばたちを埋めておきます。
いつの日かの私のように、下を向いて俯いたまま歩いていく人が気づいてくれるように。
目から零れた涙の先に、しんと光る何かが見えたら、ほんのちょっとだけ立ちどまってください。
気に入ったものだけ、持って行って。
それは私のお返しです。
誰かからの祈りです。
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