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菜食5年目、貧血知らずの私が鉄分摂取の秘訣教えます。【基本編】

鉄分不足とか貧血気味などはよく耳にすることも多いので、沢山ある栄養素の中でも比較的注目の浴びやすい栄養素の「鉄」。

実際に、鉄分不足によって起こる貧血は世界で一番頻繁に起こる栄養素欠乏症で、特に女性や幼児、10代の子供たちは意識して摂りたい栄養素です。

鉄分摂取源といえばお肉や魚がよく連想されますし、植物性の食品に含まれる鉄分は動物由来の食品に含まれる鉄分よりも吸収されづらいと聞いて、

「菜食でも鉄分ちゃんと摂れるの?」

と疑問に思っている方も多いはず。


非ヘム鉄よりヘム鉄がいいとか、ビタミンCで鉄分の吸収率が上がるとか、玄米は鉄分の吸収を邪魔してしまうとか、ほうれん草からは鉄分が摂れないとか色々情報がありますが、

今回は上の情報の是非も含め、菜食でしっかり鉄分を取るコツをシリーズ化してご紹介していきます。

今回は鉄分の基本の「き」ということで、目次はこちら。

鉄分って何?

鉄分不足、貧血気味などよく耳にしますが、食事から摂る鉄が体内でどんな働きをするのかご存知ですか?

鉄の一番知られている役割は

体内で赤血球の構成要素として身体中に酸素を運んだり、二酸化炭素(代謝から出る廃棄物)を引き取る

ということ。

他にも筋肉の中で酸素を蓄えるお手伝いをしたり、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蓄され、必要な時に使われるのをじっと待っていたりします。なんだか律儀で可愛いですね。

また、エネルギー生産免疫機能、学習や行動する時に必要な心理作用にも関わっています。


鉄分が足りなくなると、赤血球の数が通常値よりも落ちてしまい、貧血状態になってしまいます。

貧血になると、細胞に酸素を送る能力が落ちて、

・肌が青白くなる
・頭痛がする
・とても疲れた感じがする
・めまいや立ちくらみがする
・怒りっぽくなる、イライラする
・無気力になる
・運動をすると息が切れやすい

などの症状が現れます。

貧血は簡単に診断できるので、心配だったり疑いがある場合は検査してみましょう。


鉄分はどれくらい必要?

日本では、男性18−74歳の方は1日7.5mg。
女性
月経が定期的にきている18-49歳の方は1日10.5mg摂るように勧められています。

こちらの表に厚生労働大臣が定めた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書をもとに、年齢、性別、ライフステージ別の摂取基準をまとめました。

黄色く塗られている数値を目指すようにしましょう。

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特に注意が必要なのは誰?

鉄分が必要な量は年齢、性別、妊娠・授乳、怪我の有無、運動量などによって変わってきます。

負傷している人・出血している人・献血をした人:
鉄分は一度体外に出てしまったら、その分食事で鉄を摂って新しく赤血球作らないといけないので、もし血液を失うようなこと(怪我や潰瘍、献血など)があると、通常よりも多めの鉄分が必要になります。
女性:
女性は月経で毎月30−45mgほど鉄を失うので、それを補うように食事をしないといけないため、男性よりも推奨量が多いです。
子供・幼児:
細胞の成長や新しい細胞を作るためにも鉄分が必要で、食事で摂れる鉄分と体内に貯蔵されている鉄分が使われます。子供や幼児はすごい勢いで成長しているため、鉄分の貯蓄が底をつきやすく、より食事からの鉄分摂取が大切です。
アスリート:
アスリートの方は、一般人よりも身体中に酸素を送る必要があるため、鉄分もその分多く必要です。
菜食をしている人:
植物に含まれる鉄分はお肉に含まれるものよりも少し吸収されにくいので、菜食をしている方は一般的な基準量を超えるように鉄を摂るのがおすすめ。


ヘム鉄VS非ヘム鉄

「植物性食品に含まれる鉄分は動物性食品に含まれる鉄分よりも吸収されにくい」ということは、ご存知の方が多いと思います。

でも、どうして吸収率に違いがあるかはご存知でしょうか?


食品中に含まれる鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄の二つに分けられます。

動物性の食品に含まれる鉄分=ヘム鉄
植物性の食品に含まれる鉄分=非ヘム鉄

です。


ヘム鉄はポルフィリンと呼ばれるたんぱく質で囲まれている鉄のことで、小腸にヘム鉄を効率的に取り込むヘム受容体が存在しているため、体内での吸収効率はヘム鉄が非ヘム鉄に対して優れています。

非ヘム鉄はヘム鉄じゃない鉄のことで、つまりは鉄イオンです。

鉄イオンには二価鉄と三価鉄がありますが、非ヘム鉄を食べ物から摂る場合、大体が三価鉄として体内に入ります。

体内に入った非ヘム鉄は、まず三価鉄から二価鉄になり、ポルフィリンとくっついてヘム鉄になるという2つの段階を経ないと吸収されません。

ヘム鉄:そのまま吸収
非ヘム鉄:三価鉄→二価鉄→ヘム鉄 ➡︎吸収

ヘム鉄よりも非ヘム鉄が吸収されにくいのがわかりますね。


これを知って

「菜食ダメダメやーーーん!」

と思ったそこのあなた。大丈夫です。

一般的に日本人が食事から摂取する鉄は、85%以上が非ヘム鉄なんです。

そう、植物性の食材って結構鉄含んでるんです。

なので、菜食に変えることで鉄分摂取量がガタ落ちするわけではない上に、今あなたがこうしてこの記事を読んでいるように、より栄養面・健康面に気を使って食事をするようになるので、逆に貧血が改善される方もいらっしゃいます。


また、吸収率が高いからといって「ヘム鉄の方がいい」というそんな単純なものでもないのです。

菜食の人はヘム鉄を摂取しないので体内の鉄分貯蔵レベル(血清フェリチン)が低いことが多いのですが、面白いことに、鉄分不足による貧血発症率は実はノンベジの人よりも低いんです。

また、体内の鉄分貯蔵レベルが低くても、常に食事からしっかりと鉄分を補えているなら問題はありません。


さらに、実は体内の鉄分貯蔵レベルは高くない方が体に良いとも言われています。

なぜかというと、ヘム鉄は酸化ストレスや炎症を引き起こし、インスリン感受性を低下させたり、大腸がんリスクの上昇にも関連しているという研究結果が出ていて、

実際に鉄分貯蔵レベルが低いと2型糖尿病になるリスクが低く鉄分貯蔵レベルが高いと冠状動脈精神疾患や大腸癌の発症リスクも高いという関連性も確認されています。

ヘム鉄は確かに非ヘム鉄よりも体内に吸収されやすいですが、吸収された後に体内でどんな影響があるのかを考えるとヘム鉄は実はそんな好都合なものではないかもしれません。


菜食の人が気をつけるべきポイント

非ヘム鉄だけでも十分鉄分摂取できるから大丈夫とは言っても、やっぱり非ヘム鉄はヘム鉄よりもともと吸収率が低い上に、いろんな要因に鉄の吸収率が左右されやすいため、注意が必要なのは事実です。

菜食でしっかり鉄分を摂取をするために少なくとも知っておきたいのが

①鉄分の吸収を上げる方法
②鉄分の吸収を下げる成分
③鉄分摂取に向いている食材

④鉄分摂取に向いていない食材
⑤食材以外から鉄分を摂取する方法

の5つ。

これからの記事で菜食でも貧血を起こすことなく健康的になるためのコツをご紹介していきますのでお楽しみに♡

より詳しい情報をご希望の方や個人的な質問・ご相談のある方は菜食栄養学セミナーにてお伺いいたします!

I hope you are having a wonderful morning, noon, evening or night, whenever you are reading this. 

Lots of love,
Yuka


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