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演劇制作とわたし

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舞台・演劇の公演で「制作」と呼ばれる仕事をしている私が日々その仕事と向き合って思ったことをまとめています。 形があるようで形がないものを作る仕事は、時としてその価値が不明確になり…
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#舞台

2020年 コロナ禍における演劇周りについての私見まとめ【随時更新 12/12update】

今、この状況で動いているものを、それに触れた時の気持ちを残しておく、ということをしている。 きっとその時の考えも含めて、後で絶対に役に立つと思ってるから、あえて残す。 ▼公演運営について▼舞台の配信について▼配布物・アンケートなど

付け帳公開しました

「付け帳(つけちょう)」ってご存知ですか。ピンとこない方も多いと思いますが、まあ歌舞伎の頃からある衣装とか小道具とかをリストにしてる帳面のことです。 〘名〙 演劇の上演に必要な大道具・小道具・衣装・鬘などの名称、また下座音楽の指定などを、それぞれ一冊の帳面に書き出したもの。付立帳。 で、なんでこんな話が出てきたかっていうと、小劇場だと衣装とか小道具とか全部自分でやらないといけないので、プラン立てとかでこれに描いてもらうと話がスムーズなので、私が入った現場のいくつかではこれ

大劇場での公演グッズっぽいものが欲しくて「本日初日」「千秋楽」看板作ってみた

《この記事は最後まで無料で読めます!》 これがあると「なんか大きいところでやってる公演みたい〜〜〜✨」とテンションが上がるもはや自己満足グッズなのですが、「本日初日」「本日千穐楽」の看板の存在をご存知でしょうか・・・ これです。 これは楽屋口の入り口に貼ってあるんですが、劇場によっては会場入り口のポスターの近くに貼ってあったりしますよね。これが欲しくてですね!!! ひねりゼロですが作りました。 「本日初日」 「本日千穐楽」 「当日券有」 A4サイズの縁なし印刷でフ

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公演再開から暫く経過した劇場公演から、必要なものを考える。

序 はじめに 演劇制作の端くれとして言うのならば、もうすっかりなあんにもイベントがなくなってしまっていたせいで忘れてしまっていたけれど、9月の豊島区、池袋、あうるすぽっとなんてまあなかなか取れない、取りにくい劇場の一つであることは間違いない。今年は中止になってしまったけれど豊島区主催で毎年池袋演劇祭が開催されるのが9月。豊島区内の劇場で9月中に1日でも公演を上演すればエントリー権があるこの演劇祭、そりゃあみんな池袋の劇場を取りたがる。芸劇、あうる、グリーンと大きいところからK

シス・カンパニーの「わたしの耳」配信を観たよ!

今見たさっき見たjust now。見終わり終了もう即感想書いてる!毎年この時期にシス・カンパニーの舞台観てるな自分!って感じだけど(去年は『死と乙女』、一昨年は『出口なし』)今年はこんな感じになるとは思わなんだ全く全く。そしてまたかい新国立劇場の小劇場の公演や、笑 というわけでシスさんも配信初、ということで結構ギリギリまで悩んだんですけど本当30分ぐらい前に買って観ました。 ◉配信チケットも並行販売の流れは止められない一気に配信チケットの展開が増えたように、限定数リアル客

時に演劇は運命を変える

多分人生において何回か、分岐点になるような作品はあるんだと思う。 年を経るごとにアップデートはされるだろうけど、多分この作品は一生変わらない。 今でこそ演劇人ぶって、演劇の仕事していますと大手を振って大声で言えるようになったけれど、実は私が最初にやりたかったのは「演劇」ではなく「ミュージカル」であり「バレエ・オペラ」であったことを知っている人は今の私の周りにはほとんどいない。そりゃそうだ、だって話していないもの。 だけれども、私が舞台美術家か舞台衣装家になりたくて武蔵野

アフターコロナ・ウィズコロナ時代 劇場でのケータリングあれこれ

劇場でのケータリング問題って本当に根が深いよなあって思うんですけど、「こっちは出しとるやろがパンとか置いてあるし💢」VS「何これ餌みたいな出し方嫌なんだけど??!」みたいなめっちゃギスギスしてる現場だったら戦争案件はある。うん。「うちの劇団は全員に弁当だしてるんですけどぉ〜」とかって客演が言うてきたって言われたと主宰に言われて「はい、で!?どうしたいんですか?」って思ったしな。 まあなんとなくこれまでのイメージとして、 ✔️ 単価が1個1,000円とか小劇場では予算的にだ

そういえば、当日精算って

昨日書いたnoteとほぼほぼ(本当に)タイミングを同じくして シアターギルドも同じようにアンケートをとっていて、私としては「当日精算優勢」というのにびっくりなんだけど、ひとつ気になることが。 当日精算ってある種の売掛金だけど、これって天災などで公演が中止となって回収する側(主催者側)が回収を断念した場合って、損失として計上できるの? と言うのも、損失諸々の助成金とかを見ていると「一回売り上げとして入ってきたものを契約が履行されなかったため返金します」というのだと明確に損

「前はこうだったのに」とならないためにアフターコロナ・ウィズコロナ時代の演劇公演フローを今考える

それがどうした「前はこうだった」といちゃもんをつける人は常にいる。 前は開演前に物販やってたのに! 前は当日券取れたのに! 前は喫煙できたのに! 前は学生証なくても学割で入れてもらえたのに! はっきり言うわ、知らんがな。 けどそれが知らんがなで済まされんな、という状況はすぐそこまで来ている。 抜本的にこれまでのやり方が通用しなくなるし、おそらく6月1日から新時代の幕開けなので、今から覚悟しないと。 さて、前の記事でこうなるんちゃうか、と色々考えたけど、それについてどっ

アフターコロナ・ウィズコロナ時代の舞台公演を考える 稽古場編

いまカクシンハン・スタジオってところでちょっと裏の手伝いしているんですけど、オンラインも2ヶ月目、そろそろ稽古場に戻りたい。 しかしスタジオの稽古もさることながら、このありとあらゆるものがオンライン・デジタル化への移行が進んだ中で演劇とか身体にまつわるものはオフラインだよねえ〜こればっかりは仕方ないよねーという感じ。 自分の身体が必要だし、私は普段趣味でフィギュアスケートをやっているんだけど、スケートや水泳みたいに「やる場所が絶対限られる」ものも多いわけで。「リアルな場所は

アフターコロナ・ウィズコロナ時代の舞台公演を考える

本当だったら、今日は「ナツノヨノ夢」の舞台本番で、千穐楽で、今日はきっと今頃打ち上げでよっしゃーーーってなれていたはずなのに、と思うと不可抗力とはいえ辛い。そもそも、この2ヶ月ほとんど外に出ず、関東の案件もなく休業状態、プライベートの予定もなく、と言う状況だったら関東の家を引き払って関西に帰ってもいいんじゃないかと思うぐらいには疲弊している。ねこにあいたい。 かわいい さてまあということで、なんか「お前現場知らんやろ💢ていうか、伝える気ないやろ💢」みたいなガイドラインが出

「選択肢」を提示することの重要性

やっぱり芝居はまず見てもらわないと本当始まらないよね・・・。 チケットを売るのは結局のところ役者になるけれど、その役者をキャスティングしたのちどうするか、が制作者としての腕の見せ所になるというか。 よく、「チケットの売り方教えてください!」って聞かれるんですけど、「まずチケットマジで売れる人を一人入れろ。それが無理なら企画自体を考え直せ見直せ」としか言えないんですよね。それこそキャパに対して宮野真守とか蒼井翔太ばりに有名人でオタも多い動員力のある人をキャスティングすること

イベント中止あれこれ

閏年の閏日に鶴は飛び立つようだけどなんでまあ私の噛んでるところはやるけどね!!!!!だってやめたところで何?って感じである。いやーだってさーなんかあるときは芸能人使うわ、広報イメージ作成に役者使ってるのにいざこっちがなんか起きたら「判断したんはそっちでしょ?こっちは提案しただけだから」で逃げ切ろうとする国に対してなんでこっちがやめなきゃいけないわけ?補填も補償もないわけで。だったらただでは転ぶわけないでしょう。 止める人の選択肢は否定しないけど、やる人間の考えも考えなしでや

イベント中止、その時どうする

ピンチはチャンスと言うけれどいやまあ今日無事『社会の柱』公演終わりました・・・・って明日からの新国立主催公演中止じゃないですか。オペラとバレエの修了公演中止なので演劇まじで逃げ切ったな、なんとか持ち堪えてくれって思ってたらその通りになった。でも同じ修了公演ができないのは悔しいなあ。3月、どこか空いてたらなんとかならないのかなあ。 クーリングオフとチケット中学の頃家庭科の授業で「クーリングオフとかリボ払い」とか私は習ったから「なんかやばいことがあったらクーリングオフ」と覚えて