書評 | 文章はきれいに書かなくていい。「人を操る禁断の文章術」
「人を操る禁断の文章術」 著:メンタリストDaiGo
DaiGoさんの本はこれまでに
・自分を操る超集中力
・ストレスを操るメンタル強化術
の2冊を読んだことがある。
どちらも納得の理論と、小難しさを感じない文章で読みやすかったため、安心して読めるシリーズだと感じている。
そんなDaiGoさんが教えてくれる「文章術」ということで、KindleUnlimitedで本書を見つけた瞬間からワクワクしていた。
しかも「人を操る」「禁断の」なんて…
(更新サボっているものの)ブログでアフィリエイトをやっている身としては、習得したい!と思わざるを得ないタイトルだ。
文章を書かない人であっても、「人を操る」という言葉に、あの有名なメンタリズムパフォーマンスの裏側を知れるんじゃないか?ということを期待するはずだ。
実際に本書では、心理学を利用した「人の感情を刺激する」文章の書き方が満載だった。
身近かつ実践しやすい例も載っているため、メールを毎日送るようなビジネスマンであれば、本書のテクニックは明日から使えるだろう。
感情をゆさぶり、行動を誘導する文章術
本書は、以下の内容で構成されている。
・「書かない」3原則
・7つのトリガー
・5つのテクニック
私が特に勉強になったと感じたのは、最初の「書かない」3原則である。
完璧主義な文章を書きがちで、それゆえに度々書き上げられず挫折するタイプの人間にはかなり刺さった。
「書かない3原則」で、文章はもっと気楽に書ける
3原則の1つ目が【あれこれ書かない】。
もう、この時点で私は「ですよね〜〜〜!!」と思わず声をあげてしまった。
そう、分かっちゃいるんだ。自分の文章が長ったらしいことと、その理由があれこれ情報を入れてしまう性分にあることは。
でも、どうしたら直るか分からずに悩んでいた。
そこで本書が示してくれた解決策は
・文章を伝える相手
・相手にしてほしい行動
の2つを明確にするということ。
1つのメッセージと、それによって得たい結果を明確にすることで、絞るべき情報や言葉選びも見えてくるというものだ。
あれもこれもと情報を入れすぎてしまう人は、書き始める前に、まず相手と目的を設定すると良さそうだ。
3原則の2つ目は【きれいに書かない】。
要するに、理路整然としていて真面目な文章は、表面的で「感情をゆさぶれない」ということだ。
たしかに、手紙やビジネスメールでも、定型文だけで書かれたものは「間違いない」が、記憶には残るだろうか?
それよりも、個人的な思いや、読み手との共通エピソードを取り入れながら、話しかけるように書くといいそうだ。
とはいえ、普段から「きれいに書いてる」人は、話しかけるように書けと言われても
「失礼はないだろうか?」
「馴れ馴れしい言い回しになるのでは…」
などと考えてしまうと思う。
私もその典型で、「お礼 メール ビジネス」などのワードでメールテンプレを検索しまくっていた。笑
しかしここでの「きれいに書かない」は、場面とそこにいる人の感情が浮かぶことを意味する。
本書の例文では、取引先の人にお店をオススメしてもらったお礼として以下の2つを比較している。
NG例:「噂に違わず、おいしかったです。」
OK例:「肉汁がジュワッと溢れる〜」「びっくりするおいしさでした」
NG例は、無難だが素っ気ない。読み手のリアクションも「あ、あの店に行ったんだね」で終わり。
しかしOK例では、オススメしてもらったお店で食事をする自分(書き手)の様子や感情が、ありありと浮かんでくるだろう。
そして、くだけた言い回しはあるものの、失礼どころか受け取った相手は「またお店を紹介したい」と思ってくれそうだ。
きれいに書くだけでは生まれない、感情をゆさぶる表現が結果的に「相手にして欲しい行動」へと誘導するのである。
「感情」を抑えずに書いていくというテクニックだが、それを補う「理論」については、読み手があとから自分を正当化しようと理論を考えてくれるらしいから大丈夫だそう。
(いちど感情を動かされてしまうと、人間はそれを正当化しようとするらしい)
そんな人間の都合のいい部分を利用する…
なるほど、これも「人を操る」1つね。と、納得させられた。
3原則の最後は【自分で書かない】。
これを見た瞬間は「自分で書かないってなに?ゴーストライター!?」と混乱すると思うが、決してそんな話ではないので安心してほしい。笑
自分で書かないというのは、「自分が読ませたいものを書かない」という意味。
3原則の1つ目で読み手が明確になったら、その読み手が何を求めているのかリサーチせよ!ということだそう。
書く前の情報収集で「読み手の心を読む」ことができれば、文章を書き始める前に勝負はついているというワケ。
もう書くこと以前の問題になっているが、これがセールスレターや広告コピーなら最重要事項なんだろうな、というのは想像に容易い。
不特定多数が読むブログでの応用については、ちょっとピンと来ていないけれど…ターゲットが明確なアフィリエイトなら使えそうかな。
読み手を探ることについては、第3章の「7つの引き金」でも取り上げられていた。
上司や取引先など、相手がハッキリしているビジネスメールでは特に応用しやすそうなテクニックが載っている。
【あれこれ書かない】
【きれいに書かない】
【自分で書かない】
以上の3原則は、学びとともに、私の文章へのハードルを下げてくれる文章術だった。
むしろ文章術というより、心構えに近いように思う。
本格的な「テクニック」にあたるものは、これ以降の
・第3章 7つのトリガー
・第4章 5つのテクニック
にて取り上げられているので、気になった方は読んでみてほしい。
しかしこちらは逆に、実践的すぎた印象。
ビジネスメールや広告には向いているが、不特定多数が読むようなブログなどに応用するのはコツがいるかもしれない。
「書かない」を念頭に置いて「書く」こと
ということで、ここまでの私のレビューはいかがだっただろうか。
本書を読んだ上でこのnoteを書いているわけだし、内容まで解説してしまったもんだから、「この本読んどいてコレかよ!」と思われたら恥ずかしいな〜とビビっている。笑
正直、理解はしたけど頭に入り切っていないところはある。
まだまだ「書く」ことで精一杯だ。
しかし、これからのnote更新にあたっては
書きながらも頭の片隅で「書かない」を意識していこうと思う。
追記:KindlePaperwhiteで本書を読み終えたが、スマホより圧倒的に「ハイライトが引きにくい」点でイライラさせられた。
このようなKindlePaperwhiteの使用感も、レビューとともに書いていき、後でまとめられたらと思う。
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