見出し画像

心臓音のアーカイブ@香川県豊島/行って良かった美術館①

1人旅歴も7年目を迎えた。

最近、どんな場所に1人で行ったら楽しいか気づいてきた。

1人で行って楽しいところの1つは美術館。


1人だとマイペースに鑑賞できるので、個人的に美術館は1人旅のときこそ行きたい場所の1つだ。

私自身は美術系の学校を出たわけじゃないし、とっても一般的な美的感覚を持っていると思うけれど、それでも楽しめる。


そういうわけで、今まで行った美術館の中で「行って良かった~」と思ったところを記録していこうと思う。(不定期更新)



第1回目は、香川県豊島(てしま)にある「心臓音のアーカイブ」。

ちなみに豊島は小豆島の西側にある、瀬戸内海に浮かぶ島。

無題


島の中心地や住宅地からも離れた場所に、その美術館はひっそりと建っている。

「島の端っこにポツン・・・」て感じ。

美術館の目の前には瀬戸内海が広がっている。

画像1


美術館というか、この場所そのものがアート作品という感じ。


「心臓音のアーカイブ」は、現代アーティストのクリスチャン・ボルタンスキーの作品のひとつだ。

ボルタンスキーは2008年から心臓音を収集するプロジェクトしていて、これまでに集めた世界中の人々の心臓音がここに保存されいる。

この美術館ではそれらの心臓音を聴くことができて、さらには自分の心臓音を採録することもできる。



まず美術館に入ると、3台のパソコンが窓際に並んでいる。


パソコンの前に座り、ヘッドホンをセットして、聞きたい心臓音を検索する(国や名前から選べる)。

「この人の心臓音を聞いてみよう!」と思ったら、ポチッとクリックして再生。



窓からは海と空だけが見えていて、その景色を見ながら、知らない国の知らない人の心臓の音を聞いているととても不思議な気分になった。


心臓音を採録した人のメッセージを見れた。

その人がなんで心臓音を採録しようと思ったのかとか、誰とこの島に来たのかとか、色々書いてあった。

そういうのを読んだうえで心臓音を聞くと、急に「その人が今もどこかで生きている」という実感が持てた。


この美術館にはもう1つ部屋がある。

そこでは、「クラブか!?」と思うほどの爆音で採録された誰かの心臓音が鳴り響き、そのリズム合わせてランプが光る。


ランプが光らない間は真っ暗闇で、

ランプだけが壁一面にある無機質で狭い部屋、鳴り響く心臓音・・・

ちょっと恐怖を感じた・・・。




「心臓音を採録して人々が生きた証にする」なんて、芸術家はやっぱり考えることがすごいなぁ、と思いつつクリスチャン・ボルタンスキーについて調べていたら、

終戦後に母親やその友人から聞かされた強制収容所の話などの経験がボルタンスキーのトラウマになり、後年の作品制作に影響したらしい。


たしかに、この施設も「人の生」を強く感じられる一方でどことなく恐怖を感じる施設だった・・・。





「心臓音のアーカイブ」の公式サイトはこちら

開館時間: 3月1日 〜 10月31日
10:00 〜 17:00(最終入館16:30)
11月1日 〜 2月末日
10:00 〜 16:00(最終入館15:30)
休館日: 火曜日(3月1日〜11月30日)
火曜日から木曜日(12月1日〜2月末日)
※ただし祝日の場合は開館、翌日休館
※ただし月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館
開館カレンダー
鑑賞料金: 鑑賞料 520円
※15歳以下無料
登録料 1,570円
※「レコーディングルーム」で心臓音を採録する料金です。採録した心臓音は、CDブックレットにおさめてお持ち帰りいただけます。

サポート代は、本代や経験代に使わせていただきます。そして、もっとおもしろい記事が書けるようにします!