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魂のこよみ

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Anthroposophischer Seelenkalenderは,ドイツの神秘思想家ルドルフ・シュタイナー(Steiner, Rudolf)が1912年に発表した詩篇形式のカ…
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#世界

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第3週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第3週

忘我の光の海にたゆたっていた

私という区別はどこかに置き去って
ただ気持ちよく目を瞑り

輝く水面を
大の字になって当て処なく

しかしふと感じる

生まれてきた意味を
私が わざわざ私として ここにある訳を

※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Seelenkalender:52 Wochensprüche
Rudolf Steiner Verlag, Do

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第4週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第4週

世界の鮮やかさに気を取られ
つい忘れてしまう

答えは 他ならぬ私の中にあり
有無を言わさぬ確かさを持って
つねに輝きを放っていたことを

外の白熱に目が眩んだ日も
内なる光に目を背けた夜も

それだけが持つ 唯一の輝き
私が私であることを証す 明らかなる根拠

このかけがえのない恩寵を
抱きしめて生きなければならない

※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Se

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第2週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第2週

白く輝く光に全身をゆだね
世界に融解した私は

あなたとイコールの
未分の境地で

いつしか
私なるものの苦味を忘れていた

思考は 朝に消えてしまう夢のように
形を成しては解けていく
イメージの戯れ

掴もうにも像を結ばず
あるいは
その結ばなさが心地よかったのかもしれない

そこへふと
舌の奥に感じる ほろ苦さが
微睡む私を揺さぶる

書庫の奥の奥で
長いこと顧みられず
埃をかぶった分厚い書物

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第1週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】7月第1週

恍惚の高みで 
耳の奥に 鈍く響く音がする

何かが私に知らせている
 
温かい熱気に 
無限大まで広がった私は

鳥の羽のように
自由に舞い上がった私は

きっと目覚めなくてはならない

その広がりと自由さが
どこかに 深く裏打ちされた
必然の現れであることに

※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Seelenkalender:52 Wochensprüche

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】6月第4週/夏至

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】6月第4週/夏至

私の中の太陽よ

闇の支配する夜も
分厚い雲の奥で
白く燃え続けた 熱い光よ

この世界の 眩い輝きは
紛れもなく 
お前そのもの

雲はいつしか消え去り
あんなに憧れた 高い空で
私は世界の懐に
安心して全身を委ねる

もう大丈夫 怖いものはない
ただ ひたすら 
光の中で

※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Seelenkalender:52 Wochen

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】6月第3週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】6月第3週

「世界は美しい」

太陽の白い光に 照らされて
事物は それぞれの輝度を増す

番を待ち兼ね こぼれだす花びら
領分を越え 縦横に繁茂する草木

光に貫かれた生命の渦巻きに
思わず引き込まれ

その美しさに心動く時

私は 消えてなくなる

光は私をも貫いて
世界と私は 等しく輝くから ああ

「私も美しい」

※Rudolf Steiner,
Anthroposophischer Seelenk

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