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話す・人前で話す②~伝える①

合唱コンクールの話に脱線したら、思いのほか長くなりすぎたので(「話す・人前で話す①」参照)、社会人から仕切り直し。

人前で話すことは、得意ではないけど、できることのひとつ。

社会人・新人導入研修のトレーナー

良品計画でピチピチの若手の頃に、店舗スタッフのためのお客様応対の導入研修のトレーナーだった時期がある。
研修自体は、途中休憩も入れつつもみっちり4時間だったかと。

●お客様と向き合うことは、見た目から始まっているよ~で、
 笑顔の練習・立ち方・歩き方、視線を合わせる練習
●挨拶って大事だよね~で、
 発声練習、滑舌、挨拶の練習、お辞儀の数パターンの練習
●実際に多いシチュエーションで、すれ違う時の挨拶、作業中に声をかけられたらどうする?
●レジでの基本の応対でモノの受け渡し、確認の重要性も重ねていく
●忙しい現場で少しでも即戦力になるべく、電話くらい取れるといいよね~で、電話応対の基本練習。
 顔が見えないコミュニケーションって大変だよね~で、
 復唱確認、メモを取る、コスト意識
仕事とは、コミュニケーションとは、
相手に納得をしてもらうこと、満足をしてもらうこと。
普段友人や親にしている何気ないちょっとしたことでさえ、
意味があるということ。
そのちょっとしたことの積み重ねが、
実は仕事の場では成果にもなり、苦情にもなる。

モリモリとちょっとしたことの意味を説明しつつ、モリモリとロールプレイングばりばりで、突っ込んだりほめたり。
受講する側は、ほとんどが契約して間もないバイトちゃん。いろいろな店舗から参加するから、基本はぼっち参加、知らないひとばかり。
しかも本社や貸し会議室で半日も研修って~~~って緊張度マックスな状態で、モリモリの内容で、グッタリするよね。

でもさ、やる方も、本当にグッタリするのさ、これが。

伝わるように準備する

トレーナーとしてデビューできるように、まずは、研修の骨組みを自分の中に叩き込む。
当時のコンサルの方のやり方は、安易に資料化しない、だった。
資料にしてそれを安易にそのまま話すことは、本質からズレかねないという意図だったのでは?と思っている。
研修を実施する意味・目的を、各自の店舗での経験や、営業フォローで見る現場の様子とどれだけリンクさせて、現場に則した内容にしていくかを大事にされているのだと、わたしは理解していた。

苦労したのが、アウトプット。
相手に伝わるように、実際に話すこと。
こればっかりは逃げようにも他に手段がなくって、実際にやってナンボの世界。
何かの項目が抜け漏れたり、そんなに膨らませる必要のないことが急に膨らんでしまったり、絶対に伝えなきゃいけないことが弱くなったり、何が大事なのか全体がぼやっとしたり。
話し方のクセや言葉のクセも出る。
わたしの場合、砕けすぎてしまってメリハリがつかなくなったり、困ると文章が長くなって、ますます収拾がつかなくなって、語尾がごにょごにょになったり。
自信のない内容だと、声の張りや言葉の力がテキメンに弱くなったり。

伝える内容とポイントがずれさえしなければ、順番は特に決まりはない。
なので、自分の中で「あ、言い忘れた!」とか「あ、これ先に言っちゃった!」とか気づいたら、リカバリーをすればよい。
「先ほど伝え忘れてしまったのですが・・・」とか
「実はこういうケースもありますよね?」とか。
とはいえ、話の流れとしてスムーズに進む、おそらく受け手も理解しやすいであろう、スタンダードな順番は、ある。
何度繰り返しても、そうそう、自分で合格点が出せる研修は少ない。
相手あってのことだから、研修を受ける側の空気に飲まれてしまうこともある。
反応が薄いと、必死になってしまって空回りしたり。
反応がいいと、調子に乗ってあちこち脱線したり。

研修が終わると、一緒に組んだ別のトレーナーやオブザーバー、それからコンサルの先生とで反省ミーティング。
参加者を送りだしてくれた各店長へフィードバックを送るので、まずはそれぞれの参加者について。
特によかった子、ちょっと心配な子、それぞれの視点で振り返る。
その後は、進行したトレーナーへのフィードバック。
早口だったとか、あそこが抜けたとか、あの説明はわかりやすかったとか、面白かったとか、ふざけすぎたとか。

この繰り返しは、自信にもつながった。
瞬時に多くの人を見て、個人個人のできるだけいいところを見つけようとする訓練にもなった。(残念なことはすぐに見つけられるからね)
いい経験をさせてもらえたと思っている。

そして、「準備の大事さ」をつくづく痛感する時間でもあったなぁ。
仕事って、結局はコミュニケーションの積み重ねだという真実に触れ続けた時間でもあった。
店舗でのスタッフとお客様、スタッフ同士、社員や店長。配送やお直しの業者さん。テナント担当者。店舗と本部。上司と部下。同期と先輩と後輩。他部署。取引先。お得意先。

とどのつまり、「人対人」なんだよね。

社会人のエピソードをもう1つ入れて終わらせるつもりだったけど、どちらも意外と長くなってしまったので、次にします。

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写真はいつかのサンタフェ。

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