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オー!オーロラ!

成田空港へ向かうリムジンバスの中。「この旅はわたしの人生の分岐点になる」そんな言葉が浮かんで、涙がこぼれた。まだ始まったばかりなのにびっくりした。 どうってことのないことばかり。でもとても大切な旅の記録。2016年1月のこと。

オー!オーロラ!

フェアバンクスに到着したのは夕方の5時過ぎだったと思う。
スーパーで夕食の買い出しをしてロッジに向かう。
荷物を開いてひと段落し、夕食をとり、オーロラの出番を待った。

たっくんといづみちゃんは、既に1週間ほど前から滞在していた。
毎日オーロラが出ていると、Facebookに投稿があって、いよいよわたしの番だと胸が高鳴っていた。

わたしたちが到着したその日も、ばっちり、オーロラは”魅せてくれた”。
見ることができないだなんて懸念はゼロ、見る気満々で来たので、オーロラが出現したのはごく当然なことだと思うくらい、冷静にでも相当にテンションは上がっていた。
とはいえ、実物を目の当たりにすると、やっぱり興奮する。号泣までいかずとも、嬉しくて涙が出た。

天の川のように空を横断するような長いもの。
フラッシュを焚いたような点滅型。
よく写真で見る”定番”のカーテン。

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バリエーションが多すぎて、何度も観てきたいづみちゃんでさえも、「今日はスゴイ!」と興奮していた。

オーロラは、肉眼ではほとんどが白く見える。
インターネットやテレビや本などで目にする緑色は、わたしの滞在中、肉眼で見えたのは一度きりだった。
ほとんどが白。
ただ、その光は星よりも弱いので、スマホのカメラでは写らない。
デジカメなどシャッタースピードを遅くして露出を云々~の調整をすると、肉眼で見ると白いものも、レンズを通して緑色や赤色なんかであるのが分かる。
じぃーーーっと眺めていると、色の違いも肉眼で分かるようになった。
今回わたしの目ではだいたいが白で、光が強ければ緑も見ることができたし、弱い光でも肉眼で「あれは赤っぽいだろう」と見分けられた。

オーロラは生き物のように動く。
オーロラは風に吹かれて揺れるようにも、動く。
ただし、地上での風は全く関係ない。
揺れるように動くオーロラが現れても、地上では無風だったりする。
現れたかと思えばすぐに消えたりもするし、そのままぐんぐん大きくなったり、伸びたり縮んだりもする。光り方が強くなったり、弱くなったり、点滅したりもする。

現代に生きるわたしたちは、先人が残してくれた知識から、その存在を知り、情報を持つことができるけれども、何も知らない、何も情報を持たない、初めて遭遇した人々は、どんな気持ちだっただろうと想像する。
まずは、驚くよね。
そして、怖がるよね。
神様からのメッセージと受け取るのも当然だと思う。

オーロラ特集を組んだテレビ番組の中で、「オーロラは音がする」とインタビューに答えていたひとがいたのを見た。
それを意識して耳を澄ませていたのだけど、残念ながらわたしには音は聞こえなかった。
でも、感覚的に理解できる気がした。
オーロラを待つ夜は静かだ。
しーんとしている。
静かすぎて、ちょっとした音が静けさに吸収されてしまうような錯覚に陥る。
そんな静寂の中、きっと、聞こえるひとには聞こえてもおかしくない、と思ったのだった。

オーロラの活動は地球そのものとは関係ないのだという。
そもそもオーロラとは、「発光現象」なのだそうで。
北極圏などの”極地”と言われる地域で見ることができる。
地上からおよそ100kmから500km上空に発生する。
オーロラが多く出現する北緯65~80度付近のエリアは「オーロラベルト」と呼ばれていて、円を描くように存在している。
「極地」は北極圏・南極圏となる訳で、南半球の南極圏にもオーロラベルトは存在するものの、大体が海上なので、オーロラ=北極圏→北欧・アイスランド・カナダ・アラスカ、となるらしい。
オーロラが発生するのには、太陽が大きく関係しているようだ。
活動が活発になり磁場嵐が起こると発光する。
しかも、雲よりも高い上空で発生するため、晴天でないとみることができない。

オーロラの色や形は、発生条件によってそれぞれで、しかも刻一刻と変わる、生き物のように。
太陽から飛んできたプラズマが衝突する空気中の酸素と窒素の濃度の違いが色の違いになるらしい。
高度によって酸素と窒素の割合は異なり、低い空で発生するオーロラはピンクや紫に、さらに上空では緑に、最も高い地点になると赤く輝くそうだ。
形は弧状、帯状、カーテンのような幕状、放射状に広がるコロナ状、線状など様々。
地球の磁力によって、オーロラの形は波打つように変わる、さらに観測地点によっても見え方は異なるのだそう。
だから、色も形も1つとして同じものが現れない、その日その時だけのオーロラに出会うことができるのだ!
理系の言葉の羅列の時点で、もう気もそぞろだけど(苦笑)、とにかく、すごいんだ!!(雑!!!)

海外へ行くことができるようになったら、是非また見に行きたい!

アラスカ大学のオーロラ予報サイト


オーロラ・アラート

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オーロラの写真はすべて、わたしも目にしたもの。photo by Tak.S.Itomi

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